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「元彼の遺言状」読みました。

元彼の遺言状
新川帆立 著


昔付き合ったことがある男性が死んでしまったら、感情は揺れるのか。
悲しいとか、切ないとか、それとも何も感じないのか。


麗子さんは高い知性と美しい容姿を兼ね備えた28歳の女性。弁護士で年収2,000万円を稼いでいるけれど更に貪欲にお金を求める。全ての価値をお金で測る。
彼から贈られる40万円のカルチェの指輪に激怒し、ボーナス額が250万円ぽっちと啖呵を切って会社を辞めようとする。

―ピアノを弾きたい人が思いっきりピアノを弾く。絵を描きたい人が絵を描く。それと同じで、私はお金が欲しいから、お金に手を伸ばしているだけだ。(p22)
―お金がないけど幸せな暮らしなんて負け惜しみだ。
お金はあった方がいいに決まっている。
なんでみんな嘘をつくのだろう。(p245)

私自身の感覚とはゼロの数が違う話でため息が出る。麗子さんは、自分に絶対的な自信を持っていてかっこいい。強くて(本当は)優しい。
元彼の事件に関わっていくうちに、お金以外の大切な事を見つめていく。


元カノもいろいろなタイプの女性が登場する。
元カノや今の彼女が自分と比べてどうか問題。

ー私はそもそも元カノがどうとかいって嫉妬するタイプではないのだけど、他の元カノが微妙だと、私も微妙な女の仲間入りをしたみたいで落ち着かない気持ちになってくる。(p91)

現時点で一緒にいない元彼がどんな女性と過ごしていようがどうでもいいけれど、まぁ微妙な女性といられるよりは素敵な彼女と一緒にいてほしい、かな。


この文章の書き出しの自問に対する自答、
今は全く連絡を取っていなくても、すっかり忘れてしまっていても、はたまた忘れられない人だとしても、昔の自分が一度は好きになったことがある人には、やっぱりどこかで元気に生きていてほしい。

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