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残留性有機汚染物質とはなにか

先日、ふとナショナルジオグラフィックのある記事を読んでいた時のこと。
その読んでいた記事は「汗をかいてデトックスはウソだった」というものだったんですが、2018年の記事で、以前にも読んだ事があったものでした。
(その記事はこちら

このデトックスに関する記事は今回の本題ではないんですが、一応この記事を要約すると「汗で有害物質はほとんど排出されない」という内容のものでした。
(気になる方は上のリンクからご一読ください)

で、以前は気にならなかったんですが、今回読み直して気づいたもの、それは記事内で「体脂肪に蓄積する汚染物質」について触れる部分で出てきた「残留性有機汚染物質」という言葉。
この記事では”農薬、難燃剤、そして現在は禁止されているもののまだ環境中に残っているポリ塩化ビフェニル(PCB)など”が含まれるとのこと。

お?農薬…?
と気になって、この残留性有機汚染物質を調べてみました。

残留性有機汚染物質とは、Persistent Organic Pollutantsの頭文字を取ってPOPsと略称され、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」によって使用などを禁止、削減対象とする物質群を呼ぶそうです。
このストックホルム条約(POPs条約)は2004年に50ヵ国の締結によって発効され、2018年時点で日本を含む181ヶ国及びEUが締結をするまでに拡大しています。

どんなものがPOPsとして定義されるかというと、いくつか条件があり、

  • 難分解性

  • 高蓄積性

  • 長距離移動性

  • 有害性(人の健康・生態系)

を有する物質を指すそうです。
具体的な物質名はPOPs条約で指定されているのですが、大まかには上でも触れた「農薬」「難燃剤」「PCB」のほか、「工業化学品」やダイオキシンを代表する「意図せずに生成されてしまう物質」も含まれます。
詳しくは環境省のこちらのリンクをご確認ください。
POPs(残留性有機汚染物質)について

上記の環境省の資料はとても分かりやすくPOPsについてまとめられており、POPsがどんなもので、どんな影響があり、日本ではどんな対応をしているのかなどがとても丁寧に書かれています。
今回はこの中から「農薬」に絞って見ていこうと思います。

先に簡単に言ってしまうと、POPsに指定されている農薬は日本ではおよそ50年ほど前からすでに使用が禁じられているものが多いです。
最も新しいものは”エンドスルファン”という物質で、殺虫剤及び殺ダニ剤として用いられていた物質でしたが、平成22年(2010年)に農薬としての認可が失効するに伴い、農薬メーカーが自主的に回収を始めています。
その後、平成23年にPOPs条約にこのエンドスルファンが追加され、日本国内での使用を禁止する省令にも追加されています。
今から10年以上前には国内での使用は禁止されているわけです。

POPsに該当する農薬は日本国内では一番新しいものでも10年以上前にはすでに使われていないのですが、
「残留性有機汚染物質には農薬も含まれる」
という言葉だけでは農薬に対するミスリードが起こりかねないような気もしますね。言葉自体は間違っていないのですが、なかなか表現というのは難しい。。

というわけで、次回はPOPsに指定されている農薬の成分を詳しく見ていきたいと思います。

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