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「明日の神話」をみた時代

渋谷駅の井の頭線へ向かうコンコースに、
岡本太郎作「明日の神話」という大作がかかっている。

渋谷でずっと仕事をする時期があって、ふと気が向くと、この大作を観に寄り道をした。そういう寄り道ができる東京という街で働くことが、私はとても好きだった。
私はその作品が芸術的に優れているかとか、そういうことは分からないけれども、岡本太郎という人の著作は好きで、よく読んでいる。

彼は感じたことを正直に表すこと、それこそが本当に生きていることだと信じていて、自分の作品にごまかしがないか、自分の生き方にそれがないかをひたすら気にする。

でも、そんな生き方をしてたら、人とぶつかるばかりで苦労するであろうことは間違いない。ある意味、男性だから太郎は許されたのかもしれないが、それでも突き抜けるのはとても大変なことだ。

岡本太郎が本当の自由を、本当の生き方を模索したように、私は太郎の「明日の神話」を見ながら、自由に東京で暮らす自分を嬉しく思った。また反対に、適当なOLを演じている自分を恥じた。それでも、つかの間の一人きりの時間で、寂しさや孤独を内包していた自分は、もしかしたら一番自由だった時間なのかもしれないと振り返る。

私は自由でないと、
息苦しくて窒息して、死んでしまうタイプの人間だ。
あのころに戻りたい。

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