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読書ノート『暗殺』

2022年7月8日11時31分、奈良県奈良市の近畿日本鉄道大和西大寺駅北口付近にて、元総理が凶弾に倒れた。
その場にいた、ひとりの男が捕まる。

2年前に起きた実際の事件をモチーフに、膨大な取材で描く作品となっている。本当にフィクションですか? と思わせるほどのリアリティがあり、重めの内容ながらリズミカルに物語が進むので読みやすい。

仕立てられた“表向き”の暗殺者、過去の事件とつながる“影の男”と呼ばれる暗殺者、ふたりの男が狙うのは日本の未来。
元総理はどうして殺されたのか。
陰謀論のひと言で片付けてはいけない。政治の、国の暗部が浮き彫りになってくる。

テロリストという存在は、どこの国も自作自演なのではないかと思わせる。現実に起こった事件はどうなのだろうと疑問に思わせる。

小説のような陰謀はないのかもしれない。それでも、すこしは考えてしまう。
本当は“誰”が、元総理を撃ったのか?
 

幻冬社:2024.6.19
単行本:384ページ

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