ホレシュテ・バデムジャーン(ペルシャ料理)
今回はちょっと手順が面倒くさいかも知れないレシピーを挙げます。
ホレシュテ・バデムジャーン (Khoresht-e Bademjan) という、イランでは肉じゃが的にポピュラーな料理で主役は肉というよりナスです。各家庭でそれぞれのレシピーがあり、ネットや YouTubeでもたくさんヒットするのですが) これが正解というものはないのです。
ここに挙げるのは僕が東京のイラン大使館で働いていたときに大使公邸のスーシェフから教えてもらった作り方なので家庭料理というよりは おもてなしの料理になるかも知れません。
ペルシア料理ではけっこうザクロを使います。100%ザクロジュースは最近割りと手に入りやすくなりましたが、この料理のためだけに無理して買わずにレモン汁と砂糖の代用でいいと思います。ま、でも100%のザクロジュースはかなりうまいのでゴクゴク飲めます。
この料理にはシヴィド・ポロ (Shivid Polo) というディルライスがよく合います。本当はこのライスにサフランも使うのですが、そこまですると手順も材料代も目まぐるしくなるので省きます。バスマティ米もどこでも売っているわけではなく、乾燥ディルもスパイスコーナーにあったりなかったりです。こういう時代ですからそのためにあまりうろうろするのもよくないので、シヴィド・ポロはまああくまでも参考で。(シヴィド・ポロの材料は白い▷なのでこれを省いてください。)
材料 (3〜4人前):
▶ ラム肉 (手に入らない場合は牛肉) 塊かシチュー用にカットされた肉 500g
▶ ナス 6〜8本
▶ たまねぎ 1個
▶ にんにく 2かけ
▶ ホールトマト 1缶
▶ ザクロジュース 100cc (手に入らない場合はレモン汁1個分に砂糖大さじ1で代用)
▶ オリーブオイル 大さじ 2+1 (炒め用)
▶ オリーブオイル 150~200 cc (揚げ用)
▶ ターメリック 小さじ 2
▶ シナモンパウダー 小さじ 2
▶ クローブ 2粒
▶ ロリエの葉 2枚
▶ 塩・こしょう
▷ バスマティ米 2合 (サッと水で洗ってザルに上げておく)
▷ たまねぎ 1/4個 みじん切り
▷ ディル (乾燥ディル) 大さじ 山盛り 3
▷ チキンブイヨン 1個
準備作業:
A. ラム肉を使う場合は、1リットルのお湯を沸かして一口大にカットしたラム肉を放り込み、軽く塩を加え、さらにシナモンとクローブとロリエの葉1枚も入れてアクを掬いながら40分ほど煮込んで、ラムの臭みを取る。(ネギの青い部分とショウガで煮込んでもいい。) 牛肉の場合は10分も煮込めばよい。煮込み終わったら肉を取り上げて取っておいてお湯は捨てる。
(この A.の過程はラムの臭いが苦手な場合に使う。平気な人は A. は省略)
B. ナスのヘタは落とさず、はみ出している部分 (ガクの部分) をハサミか包丁で切り取る。ナスの皮はピーラーなどで画像のようにまだらに剥く。
C. ナスのお尻に十文字に軽く包丁を入れ、ボールなどに水を満たしてここにナスを浸す。
D. 水に浸したナスの上に皿などで重しをして約15分そのまま放置してナスのアクを取る。
E. 15分経ったらナスを水から上げて軽く絞りキッチンペーパーなどで水分を取っておく。特にヘタの部分の水分はよく取っておく。(揚げるときに油がはねるので)
作り方:
1. フライパンに揚げ用のオリーブオイル (150~200cc) を温め、ナスを揚げ炒めする。しんなりしてきたらひっくり返してナスが全体的に薄く色づく程度まで炒める (約5分)。ナスが揚がったら、キッチンペーパーを敷いた皿に取っておく。
2. 厚底の鍋 (ルクルーゼやストウブなど) に炒め用のオリーブオイルを温め、たまねぎとにんにくを中~強火で炒める。たまねぎがしんなりしてきたら弱火にしてターメリックを加え、全体が黄色になるまで1分ほど炒めて、鍋底全体にたまねぎとにんにくを万遍なく広げて火を止める。
3. 2.の上に準備作業 A.で煮込んだ肉を並べる。(煮込まなかった場合には生肉をそのまま並べる)
4. 3.の上に 1. で揚げたナスをなるだけ重ならないように並べる。
5. ナスが浸かるか浸からないかほどの水を入れてロリエ1枚を加え、中火で鍋の中身を温める。
6. 鍋の中身がふつふつと煮立ってきたら、ホールトマト 1 缶を手でつぶして加える。
7. そのまま30~40分ほど煮込む。液体が少なくなってきたら軽く鍋の蓋をして煮込む。
8. 最後にザクロジュース 100cc (ない場合はレモン汁+砂糖) を入れて塩・こしょうで味を調え、数分したら火を止める。
鍋を煮込んでいる間 (7.) にディルライスを仕込む。
9. フライパンにオリーブオイル大さじ1 を温め、たまねぎ 1/4 個分のみじん切りを炒める。
10. たまねぎが透き通ってきたら、バスマティ米を加え、米が軽く透き通るほどさらに炒める。
11. 火を止めて、乾燥ディルをこの上にまぶし、万遍なく全体にいきわたらせる。
12. これを炊飯器に移し、2合の目盛りまで水を満たしたらチキンブイヨンを割って入れてあとは普通に炊く。
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。書く方もいい暇つぶしになりました。レシピを書くのってけっこう頭を使います。ボケ防止によいかも。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?