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魚のショルバ(チュニジア料理)

きのうはラマダン最初の金曜日、ムスリムでもないのにラマダン中によく食べるメニューを作ってみました。
チュニジア料理から二品。

ショルバ (Chorba / شوربة) というかなり辛いトマト味のスープとサラダ・チュニジエンヌ。
スターターとサラダだけで、本来はその後にメインが来るんですが、一人ではそんなに食べきれないのでメインは作りません。

La Tunisienne.fr というチュニジア人女性のやっている素敵なレシピサイトがあるんですが、今夜のショルバはそのサイトから「魚のショルバ」を作りました。

白身ならなんでもいいそうですが、たまたま養殖の鯛の切り身が安かったのでそれにしました。

鍋にオリーブオイルを熱し、みじん切りにした玉ねぎ1個分のみじん切りと、セロリ一本分のみじん切りをよく炒めます。そこにトマトペースト大さじ2ほどと水1カップを入れ、さらに大さじ1のレッドペパーと小さじ1のクミン、パセリ1枝分のみじん切り、ニンニク3かけ分をすりおろしたものを加えて 10分ほど中弱火でかき混ぜながら煮込みます。

そこに1リットルの熱湯を注ぎ、沸騰してきたら魚を放り込みまた10分煮込みます。

ラマダン中、長い断食時間の後に食べる最初の食事フトゥールで出されるショルバには、消化よく且つ飢えを早く癒やせるように引き割り青麦か Lsen el osfour(لسان العصفور「鳥の舌」という意味)という小さなコメ型のパスタを入れます。どちらも入手できないので、イタリアの riso というコメ型パスタで代用します。

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鯛は出汁を取ったあと、スープから上げて、置いておきます。そしてコメ型パスタをスープに放り込んで十数分ゆがいた後に、鯛を食べやすいように骨や小骨を取って手で一口大にしてから最後にスープに戻します。

サラダ・チュニジエンヌ (Salade tunisienne/ سلطة تونسية) は、ニース風サラダに似てます。
好きな野菜を使えばいいのですが、特徴としてはどれも一口大に切ることが多いです。味付けはオリーブオイルとレモン、ミントと塩こしょうですが、青い唐辛子を入れるのでけっこうピリ辛です。

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19歳から20歳になる年の夏に初めてチュニジアに行ったときも、ちょうどラマダン(チュニジアではラマザーンといいます)が始まるときでした。友だちのお姉さんのフィアンサーユ (fiançailles : 婚約式) のホームパーティーに招かれた際に出されたのがやはりショルバでした。

家庭の味なので体の裏表が反対になるぐらい辛かったんですが滋味深いものでした。鶏肉?って訊いたら、うさぎだよ、と向こう側を指さされました。パーティーはジャスミンが香り立つ庭で行われたのですが、庭の端っこで うさぎたちがちょろちょろしていました。食用に飼ってたんですね。それをスタートにいろんな料理が出されたのですが、最後はやはり庭に生えているミントをどさっと入れた甘ったるい紅茶でした。
 
ところで、マンボウ下のラマダンは大変だと察せられます。きょうも神戸モスクには多くのムスリムが集まっていました。モスクではラマダン中は、ムスリムに限らず、訪れた人すべてに無料で日没後の食事フトゥールを提供します。フトゥールは家族その他大勢が集まって食べるのが普通ですがクラスターになり兼ねない。(今年はモスクではもう出してないかも知れません。)

昔はたとえばパキスタン料理店が夜9時ぐらいから朝4時まで開いていましたが、それももはや望めません。周りが全部イスラームのアラブ諸国やインドネシアなら、ラマダンの間だけでも時短をずらすなど可能でしょうが、そうではない国のこの状況下で迎えるラマダンはたいへんだと思います。

最後に、いつも私が参考にしてるのは、La Tusienne.fr というチュニジア料理レシピサイト :
https://www.latunisienne.fr

このサイトは、チュニジア料理の膨大なレシピを季節ごとにまとめており画像も美しく、素晴らしく出来のいいサイトです。フランス語を読む方にはぜひお勧めします。入手困難なスパイスとかありますが、そういうのはなしで済ますこともできるので、結構普通に作ることができます。

アラブにあっては珍しく辛いチュニジア料理。バライエティ豊かで滋味深い一皿が多いです。Stay at home のこの時期、Google Translate を使ってでもぜひ挑戦してみてください。

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