「ノリ」と「流れ」について

初投稿の文章を書きながら

あれ?

なんかこの感じ懐かしいな。

実は2012年に独立したタイミングでもブログを書いていたのを思い出した。新しいノートの1ページ目を書き出すような気持ちで2年くらいは続いたと記憶しているが、インスタグラムの登場で文章を書くことから足が遠のいてしまっていた。今回オフィスを構えているmass×massの堀篭さんから、駄菓子屋ぐりーんハウスのことをnoteに綴ったほうが良いと、再び文章と向き合うきっかけをもらったのでした。

さて独立した2012年。僕は『チハルガデザイン』という屋号で活動を始めました。誰にでも思い出したくない恥ずかしい過去が少なからず存在していると思うけど、『チハルガデザイン』という名前にしたことについては、

うん。まぁ微妙だった。。。

「千春がデザイン」

でもあるし

「チハル画デザイン」

でもあった。

除村千春デザイン事務所のような直球の名前にはしたくなかったので、自分的にはひねったつもりで始めは良かったけれど、時間が経ちスーツ姿の人と名刺交換をする時に「チハルガデザインの除村です」というのが次第に猛烈に恥ずかしくなってきてしまったのだ。最初はインパクトもあって覚えてもらいやすそうだし、デザイナーとしてユーモアも感じられて良い名前だと自負していたけれど、やはりそれだけではモチベーションが持続しないのである。黙っていても歳をとるしいつまでもチャレンジャーでは居られない現実を知ってしまったのだ。さらに会社が1人の時は良いけど所員を雇用しその所員に「チハルガデザイン」と言わせてしまって良いのだろうか?と考えると答は自ずとNOであった。彼らにも当然立派な自分の名前がある。
そうした瞬間に

僕はどうやらこの名前をノリでつけてしまったようだ

と気がついた。デザインは時に閃きや思いつきのような瞬発力が求められる側面もあるけど、名前に限ってはそうではないと今は強く思う。だからこれから独立して自分の屋号を考えるタイミングの若手のみなさんにはノリではなく、是非じっくり考察してもらいたいと願う。

一方で流れという言葉がある。「ノリ」と「流れ」似ているようで実は全く性格の異なる言葉で、僕は流れという行為行動については案外信じている。(10年後に流れには乗らないほうが良いと書いているかもしれませんがw)流れは言い換えると「縁」とも置き換えられる言葉だと思う。今回の駄菓子屋ぐりーんハウスを引き継ぐことになったのもそのような話からなのだ。僕は石橋を叩きまくってから渡る性格なので、自分の頭だけで考えてしまうとどうにも前に進まなかったり、諦めてしまったりでその可能性を閉じ込めてしまうことがあったけど、人や状況が作り出してくれた流れに勇気を出して乗ってみると意外と楽しかったり、出会えなかった自分に出会えて新鮮だったりもして、流れがある時は(もちろん見極めの嗅覚は必要ですが)逆らうことなくなるだけ前向きに乗ってみようと意識しています。なのでぐりーんハウスという名前については僕は一切加筆修正せず、これまで地域の方に愛された名前そのままの状態で受け継いでいこうと考えているのでした。


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