見出し画像

【緩募】この本を古本屋で見かけたら私のために買っておいてください【プレミア古書の世界】

【WANTED!! さがしています】

ほしい!
ほしいほしいほしい!!
三月ちゃんこの本がほじい゛の〜〜〜!!!!!!!オギャァアアア〜〜〜!!!!!!

と、自分の中の赤ちゃんを爆発させてもどうしようもない。それが、プレミア古書です。とりあえず、最後まで読んでもらうのも申し訳ないので、私が探している本をさっさと書きます。

一冊目は「誰のための綾織」

こちら、だいたいネット古書店価格で相場が4万円です。いまAmazonで3万円台がいるのでちょっとポチりたいです。

二冊目は「黒と愛」

こちらはだいたい、相場で1万5千円くらいですね。そのうち買おうと思っているんですが、お金に余裕があるタイミングで丁度いい値段の出品がありません。

こちら、いずれも飛鳥部勝則のいう作家の本です。ここ数年ドハマりをしている作家なのですが、諸般の事情によりほとんどの本が絶版となっております。諸般の事情というのが、最初にあげた「誰のための綾織」と関係しているため、更に高価なんですねぇ〜。
ちなみに、ここに挙げた以外の飛鳥部勝則作品少しずつ集めようかにゃ〜思ってます(異形コレクション以外)。古本屋やブックオフで見かけた方は三月(@march36rabbit)までDMかLINE投げてください。まじで連絡ください。特に地方のブックオフ、うっかりあるんじゃないかと、睨んでます。

プレミア古書の世界

さようなら、ありがとう講談社ノベルス

さて、「プレミア古書」というと皆さん全然関係ない世界のような気がしますよね。私もそうです。しかし、私と同年代のみなさま、こちらを見ていただくと、ちょびっとびっくりされるかもしれません。

1996年に講談社ノベルスとして発売された稀代のえーっと、バカミステリ、いや、アンチミステリ、メタミステリ、クソミステリ、いやなんだ…(私はJDCシリーズのファンです)とにかく「コズミック」がAmazonで中古本を買おうとすると2,414円(当時)するんです!ちなみに定価は1,400円です。

当時、書店にもブックオフにも当たり前にたくさん在庫があったはずの天下の講談社ノベルスでもこれです。
ちなみに、講談社ノベルスやメフィスト賞関係でAmazon価格が上がっているのは他にもあります。

積木鏡介の「歪んだ創世記」。ちなみにこれは持ってます。
小泉迦十の「火蛾」、こちらは未読。

このあたりも高いです。積木鏡介は他のノベルスもかなり値上がってます。

このあたりの値上がりポイントは、当たり前の需要と供給のバランです。つまりポイントは「絶版」×「希少」×「話題性」
文庫化もされず、ひっそりと絶版になった講談社ノベルスの癖強(マニア向け)カオスミステリ、となると値段が上がるのもうなずけます。これは雑談ですが、最近紀伊國屋書店(リニューアルサイコー!)の文庫コーナーで「十角館の殺人に影響された本特集」みたいなのをやっていて、そこに本がないのに「ジョーカー(清涼院流水のコズミックの続編)!絶版だけど」ってポップだけあって、さすが紀伊國屋書店の文庫担当だ!信用がおけるぜぇ!と思いました。

メフィスト賞を始めとして、新本格ミステリといえば講談社ノベルス、小説の時代を気づいてきた講談社ノベルスもいまとなっては昔の話。直近のメフィスト賞受賞作品は普通に単行本になっています。時代を感じますね。
ノベルスの棚は書店でもどんどん狭くなり、いまとなってはライトノベルが占めるばかり。私達の青春だった講談社ノベルスは、見る影もありません。かなじい。

さて、絶版になったのが単に時代の流れならともかく、諸般の事情で回収されたなどあると、さらに世に出回らないので値段が上がります。はい、「誰のための綾織」がまさに回収本です。調べればわかるのですが、別のコミック作品とセリフがあまりに類似しており、盗作ではないかということで回収になった本です。最近もおんなじような理由で回収になったライトノベルがありましたね。

気をつけて!作家、創作メモをまんま使わないで!!!

文庫本だって見つからない!レア文庫を探し隊

ノベルスみたいな前世紀の遺物が絶版になるのはわかります。が、文庫本だってプレミア価格になることがあるんです。

稲生平太郎の「アクアリウムの夜」。こちらは単行本版が……あっ、いまねえ!

文庫本でほしいなあと思っているのが例えばこちら。これねえ〜〜〜〜……いいんですよ。ほんと、わけわからなくて。もう読書感ぐっちょぐちょ。本当に自分がどこにいるかわからなくなる気持ち悪さがある、すごい変な本。
角川スニーカー文庫の中古価格が1500円と、これもなかなか強気。単行本版にいたってはいま存在しないですね。なかなかレア。これも探してます。

ぶらじま太郎「東京忍者」

ライトノベル系文庫なら、他にこちらとかもどうでしょう。
東京忍者、聞くところによると「ライトノベル三大奇書」の1冊らしく、かなりすんごいらしいです。しかし、富士見ファンタジア文庫に1800円か……、しかもぜったいひどい内容なのがわかっている。うううっ……ほしい(???)。私はおすすめしないですよ。

意外と身近だったプレミア古書

こう見てきたように、プレミア古書って意外と身近なんです。
名前も知らないようなレア本や、茶色くなった初版本、だけじゃないのです。

ていうか、この本持ってたよ!読んだよ!!ブックオフで10円で売ったわ!!って本でさえも、今となっては定価以上の価格を出さないとなかなか手に入らないことだってあるのです。

※ちなみに、私は「定価以上の価格で中古市場を回っている(絶版)本」をプレミア古書と呼んでいます。

特に最近、SNSのおかげで過去のおもしろトンデモ小説やトンデモ本の存在を時空を超えて知ることも増えてきています。今年で言えば筒井康隆の「残像に口紅を」がTikTok発で大ブームになったのも特徴的です。そこまでブームになってくれたら出版社もガンガン刷ってくれるけど(筒井康隆だし)、基本的にはそうも行きません。
でも、今はいい時代です。多くのプレミア価格のついた小説がKindle他電子書籍として読めるようになっています!(ヤッタ-!)

また、読むだけで良ければ、地域の図書館の閉架の中にしれっと多くの本が眠っているので、そこから引っ張り出して読むこともできます。電子書籍化されてない本も多いので、こっちのほうが強いです。
東京であれば、いろんな区の図書館の蔵書がネットで調べられますので、そうしてネットで調べて本を借りに行くこともできます。ちなみに私は杉並区と中野区と千代田区の図書カードを持っています。だって、地元だけじゃないんだもん!!(国会図書館は借り出しをしてないので、小説を読むときはちょっとね)

持っているプレミアついてる古書

私が持っている本をちょっとだけ紹介。
ていうか、本当に欲しい物しか買わない&最近集めだしたのでそんなに持ってないんですが。

堕天使拷問刑、ラミア虐殺

飛鳥部勝則、ほんとにあつめてるんだってば!とこの2冊。著作の中で特に好きなのが堕天使拷問刑なので、とりあえず勢いで買いました。値段は、まあまあ…まあまあです!

歪んだ創世記、魔物どもの聖餐

上記で紹介した積木鏡介のノベルス2冊。やっぱ私、講談社ノベルスで育ったからノベルス大好きなんだよなあ。これはAmazon価格よりだいぶ安く手に入れたので、ちょっと値段にびっくりしてます。

バージェスの乙女たち

こちらはえっちまんが、だけどカルト的なやつ。えっち漫画もすぐプレ値になるのよね。このシリーズはSFみがあっておすすめです。
てか、調べてみたら他の手持ちのえっち漫画も絶版になって値段上がってた……。てのがこれ。

ミルククラウン

これは定価で普通に買ったので、趣旨と違うんですが、たまたま調べて今の値段見つけてびっくりしたので。電子書籍も配信止まってるかも?名作なのに〜!

これから欲しいプレミア古書

もう紹介しているもの(や作家)は置いておいて、他に欲しいなー!ってやつとか、気になってる!ってやつを紹介します。

奇書といえばこれ!というか、実験小説といえばこれ!な紙葉の家。図書館で借りて読んだんだけど、これは家においておきたい。呪われそう。

これマジでなにか知らないんですよね。なにこれもう気になってる。でも何も知らずにネタで買うには高いなってずっと日和ってる。

これは近所の古本屋の高い本ゾーンにあって、気になった作品。図書館で借りて読むだけ読んだんですが、ちょっと特殊な高値本。
というのも、これも絶版は絶版なんですが、著者が逮捕されてるんですねえ……。この北原綴という人も調べると面白いです。内容は、アングラでえっちです(絵本も書いてるのに)。

これはAmazonにすらないやつ! 片山健って名前は聞いたことなくても、みなさまこの画風で「ああ!澁澤龍彦訳シャルルペロー版長靴をはいた猫の挿絵の人!!!」と思われるでしょう(?)見て、この性癖に刺さる猫!!中もいいんですよ、他の挿絵も最高〜〜〜!!!!画集ほし〜〜〜!!!!たけ〜〜〜〜〜〜!!!!!しかも売ってね〜〜〜〜〜!!!!!!

さいごに

「高い本は面白い」ってことはぶっちゃけないです。
本の値段と面白さは全く関係がなくて、本の値段と関係があるのは希少性と需要です。でも、持っている本の値段が高騰していると、売らなくてもうふふと思いますし、欲しい本がプレミア価格だとなんでだよ!と思うものです。それが人間です。

本って毎日たくさん出版されていて、新しい作品を追うのでいっぱいいっぱいになりそうですが、でも昔の本も面白いんですわ。

今、一冊本が生まれるとき、その本が生まれるために作者が読んできた本があります。で、その作者が読んできた本が生まれるために、その作者が読んだ本を書いた作者が読んできた本があって。
そうやって、影響を受けた←影響を与えた←さらにそれに影響を与えた←さらにさらにそれに影響を与えた……というふうに本を辿っていく読書が、私はいいなあと思います。ちなみにだいたい辿っていくとエドガー・アラン・ポーにたどり着きます(ミステリと幻想文学しか読まねえじゃんこいつ)。

いまは電子書籍も豊かなので、そうした本の歴史をたどる旅も簡単に進めることができます。わたしは、清涼院流水のジョーカーを読んで、それに影響を受け日本四大奇書を読んだ……すいません黒死館殺人事件読めませんでした読むと寝ます!!!!!

しかし、ですが。

盗作で回収された本や、著者逮捕→出版社倒産になった本は電子書籍にはならないので、どうしても読みたかったら諭吉を叩くか図書館に行くのがいいと思います。私はとりあえず図書館に行きました。

作家の皆さん。
あんま悪いことしないでください、後世で本が読みづらいです。

おわり

三月ちゃんをいろんなイベントに出張させることが出来ます。ヤバそうなイベントに自分で行く気はないけど誰かに行ってきてほしいときに使ってください。