グローバル化は世界的な貧富の拡大を招く

グローバル化とは?

グローバル化とは「国・地域を超えて世界規模で結びつきが強まる事」です。
例えば、「経営のグローバル化」は国・地域を超えて世界規模での経営戦略を立てる事です。

グローバル化が世界を不幸にする

テレビに出てくる経済のコメンテータは、経営のグローバル化を当然の事のように発信し、視聴者は何の疑いも無くグローバル化を受け入れます。
「グローバル化は世界中の資源が最適に配分され、効率よく世界経済が発展する」という主張です。
確かに、自由に貿易を行う国々が、互いの過不足を補完する国際的な分業は、生産性の観点では高いと言えるでしょう。
しかし、人々の豊かになるかと言えば、そうではありません。
世界中で、グローバル化による深刻な貧富の拡大や環境問題が発生しています。

グローバル化で労働者の賃金が安くなる

コストパフォーマンスを上げる為に、先進国の工場が人件費の安い開発途上国に移転しました。
先進国の国内に残った工場は、開発途上国と価格競争をするために、労働者の給料を減らしたり、外国人労働者の雇用を増やしたりなどの対策をします。
外国人労働者の雇用が増加し、移民との間で対立が発生したり、元の地域の文化が失われたりしています。

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グローバル化が引き起こす深刻な環境破壊

グローバル化は深刻な環境破壊も引き起こしています。
先進国の工場の移転先の国々では、環境破壊が発生しています。
マスコミは「中国の経済成長」などと好意的に報道していますが、中国では、大規模な公害が発生しています。
タイなどの東南アジアでも大気汚染が深刻で、PM2.5により学校が休校の措置を取ることがあります。
皮肉な事に、インドの北部の都市部では、新型コロナの影響で工場がストップした結果、大気汚染が改善され、「数十年ぶりにヒマラヤ山脈が見えた」と話題になりましたね。

やばすぎる国際的な相互依存

グローバル化が進むと、国々は単体では生存出来なくなります。
例えば、中国は世界一のコメの産地ですが、世界がコメの生産を中国に依存してしまうと、中国で大規模な洪水が発生してコメの生産が出来なくなった時に、世界中でコメ不足が発生します。
また、グローバル化は国同士が友好的である事が前提で成立します。ところが世界は、自国の利益を拡大しようと争いが絶えません。
中国が政治的な理由で日本にコメの輸出を行わないとなれば、日本はコメを手に入れる事が難しくなりますし、不利な条件を押し付けられればそれを飲むしかなくなります。食料など人命に関わるものまで輸入に依存する事は、非常にリスクが高いのです。

利益を最大化しようとするグローバル企業の圧力などで、世界中がグローバル化の波に飲まれ、世界中の労働者が不幸になりました。

グローバル化は絶妙なバランスの上で成り立つもので、一度歯車が狂うと、たちまち崩壊します。もちろん、世界の限られた地域でしか生産できない資源も存在しますので、グローバルが必要な局面は存在します。
しかし、マスコミに出演するコメンテーターが「グローバル化!グローバル化!グローバル化!」と唱えるのは、地獄への近道へ呼び込みしているようなもので、必要に応じたグローバル化する視点が必要です。



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