ポリーニのベートーヴェン
皆さんこんにちは。
今日は大好きなピアニスト…マウリツィオ・ポリーニについてお話をしたいと思います。
・ポリーニについて
1942年生まれでイタリアはミラノ出身の現在82歳。
1960年、18歳でショパン国際ピアノコンクールで優勝、ルービンシュタインをして「審査員の中で彼より巧く弾けるものが果たしているだろうか」と言わしめたそうです。
そこから何と10年近くもの間、表舞台からは影を潜めた。事の真相はわかりませんが若くしてデビューし、リサイタルに連れ回されプレッシャーで押しつぶされてしまう数多くの才能ある演奏家がいます。そんなことを危惧して揺るぎない実力を付けるために鍛錬を積んでいたのでは?という見方が多いようです。
そして1971年、満を持してグラモフォンからレコードをリリースするやいなや一躍大人気に。1974年には初来日も果たしています。
・ベートーヴェン:ピアノソナタ
若い頃のイメージからショパン弾きの印象の強いポリーニですが、実はベートーヴェンのソナタも長年時間をかけて取り組んでいました。
ぼくはベートーヴェンのピアノソナタの中では特に後期の30番、31番、32番の3曲が好きなのですが、バッハ同様いろんな演奏家のものを聴いてきました。その中で最も好きなのがポリーニ盤です。その演奏は技巧に裏打ちされ、尽きることなく愛が溢れるように奏でられます。
以前にポリーニの演奏は高度なテクニックが表現の邪魔をしている…などという三流評論家の文を目にしたことがありますが、なんと底の浅い感受性だろうと呆れました。自分でできもしないことを傍から見て簡単に批判する。まるで昨今の無責任なSNSのようです。自分でやって見せてから言ってほしいものです。だから評論家の類は嫌いなのです。今となっては一般の音楽愛好家のレビューの方が100倍参考になります。
…脱線しました。言い出すとキリがありませんのでこの辺にしておきましょう。
1975年から録音を開始、なんと39年!という時間をかけて遂にベートーヴェン・ピアノソナタ全集として発売に至ったのです。
録音順は何故か後期の曲からはじめ、だんだん遡っていきました。
後期3曲のライブ盤と映像もあるのですが、年老いたポリーニが演奏する姿を見て何故か抱きしめたい気持ちになりました。そんな風に思ったことは唯の一度もなかったので自分でも驚きました。
全集まではちょっと…という方はバラのCDもありますし、今の世の中先ずはサブスクで曲と演奏の好みを確認してから…というか今はそもそもCDなど買わないんですかね?
ぼくはメディアで所有したい世代なので。
さて、如何だったでしょうか?
これからも折を見て好きな演奏家、アルバムを紹介していきたいと思います。
それではまたお会いしましょう。
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