音楽の遍歴④-クラシック(ピアノ)編
皆さんこんにちは。
今日はクラシック編-ピアノについて記事を書いていきたいと思います。
どうか最後までお付き合いいただければ幸いです。
・アルフレッド・コルトー(1877-1962)
先の記事でも登場する20世紀を代表するピアニストのひとり。現代の演奏スタイルと照らし合わせるとミスも多いし幾分、ロマンティック過ぎると感じる方もいらっしゃることでしょう。でも音楽も写真も”上手い”ことが全てで事が片付くほど単純ではありません。
聴いた人の心に何を残せるか…それが全てではないでしょうか?
コルトーのショパンを聴いているとまるで音符がホロホロと零れ落ちていく様が見えるようです。
1枚挙げるとするならばあえてソロではなくジャック・ティボーとのコンビによるフランク/ヴァイオリンソナタです。これはもう名盤中の名盤です。これを基準に比較される今のミュージシャンは大変だと思います。
もちろんショパンもいいです。今でも尚、SP復刻CDなどが聴き続けられる理由がよくわかります。
・ディヌ・リパッティ(1917-1950)
33歳の若さで難病のためこの世を去った天才ピアニスト。
彼の弾くショパンは今の感覚で聴いても全く古びることのない純粋で無垢な音楽です。神はどうしてこうも天才たちを短命に導いたのだろうか?
有名な「ブザンソン告別リサイタル」…タイトルに”告別”と付いているのです。死の間際にコーチゾンという注射を打ちながらも待っている聴衆のため舞台へ上がったそうです。
昭和の晩年は丁度、レコードショップが急速にCDへと置き換わっていく時期でした。ぼくは生活を切り詰め後々後悔しないように必死でレコードを買い求めました。
フランス・パテ盤の「ブザンソン告別リサイタル」を買うことができたときは本当に嬉しかったです。
内容は演目もあってか悲壮感の溢れる…などということは全くありません。あくまでも典雅で華麗な最後でした。
Hi-Fi時代の録音が残っていないことが悔やまれます。
・クララ・ハスキル(1895-1960)
最も好きな女流ピアニストです。
モーツァルトのピアノ協奏曲20番やアルテュール・グリュミオーとのヴァイオリンソナタは間違いなく彼女のものがベストだと思っています。
ピアノの音で言うと、オランダPHILIPSの盤が絶品。その音はまさしく天の音楽。
一体どんなピアノを弾いたらあんな音が出るのだろう?…と不思議に思い何度か調べましたが未だに不明のままです。
若い頃の写真を見ると美人だったんだな…ということが分かります。虚弱体質とあがり症が災いし、戦前は経済的にもかなり苦労をしたようです。
やっとその実力が認められるようになったのは戦後1949年以降だそうです。とても手が大きくそのことを弟弟子のリパッティに言われてからは恥ずかしくて片手で届くパッセージをわざと両手で弾いたという女性らしくかわいらしいエピソードもあります。
ブリュッセルの駅で転落し65歳で急死、死に際に「少なくとも手だけは守ったわ」と言ったそうだ。…芸術家らしいこのエピソードを読んだときは涙が出そうになった。
今回は3人のピアニストを取り上げました。
どれもクラシックファンなら知っていると思う人ばかりです。もちろん、この3人以外にも好きで愛聴しているピアニストはいますが、それはまた別の機会で。
それではまたお会いしましょう。
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