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エジプト考古学博物館 #05 フロアマップ

<3月にエジプト旅行する友人のためのメモ>

美術館や博物館に行ったら、当然フロアマップがもらえると思っていたが、それは日本人の勝手な常識で、カイロの国際空港でもエジプト考古学博物館でも、観光地のパンフレットとかガイドマップ、フロアマップといった資料をもらうことは一切なかった。考えてみればここはアフリカだ。日本とは違う。

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このガイドブックは帰国後に購入した。エジプトはUAEの帰り、トランジットでちょっと町に出る程度だったので、ガイドブックなど持たずに来てしまったのだ。わかっていたのはツタンカーメン黄金のマスクと、ミイラが見れるらしいという情報だけ。地図もなければ、博物館の情報もなく、やってきたはいいものの膨大な展示品に解説もほとんどないので、途方に暮れてしまった。

・ミイラ室は2つある
・2階の奥にツタンカーメンの副葬品の展示

博物館でこのフロアマップがあれば、より楽しめたと思う。ミイラ室で人生で最もミイラにまみれて呆然としたあとで、まさかもうひとつのミイラ室があるとは思わなかったし、なにより2階の奥の空間がすべてツタンカーメンの王墓から発掘された副葬品の数々だとは気づかなかった!この空間は、他に比べて人が多く感じた。それもそのはず、みんなこの20世紀最大の発見と言われる秘宝を楽しみにここを訪れていたのだ。時価総額300兆円と言われる副葬品の中に、ツタンカーメン黄金のマスクも展示されている。貴重な品々をよく見もせずに通り過ぎて帰ってきてしまった!私のバカ!

次回、エジプトを訪れる頃には、ギザのピラミッド近くに大エジプト博物館が開館して、ツタンカーメン黄金のマスクも、黄金の玉座もこちらに移される。開館が楽しみだ。

ツタンカーメン黄金のマスク、見どころ

(1)古代エジプト時代に男がピアスをする習慣はない。しかし、マスクにはピアスの穴が空いている。発見された当時は、耳の穴に金箔が貼られていた。つまり、これは女性のために作られたマスクでは?顔以外は他人のもの。

(2)2014年頃、博物館職員がツタンカーメンに触れた際、あごヒゲを落としてしまった!やっちまった!と思ったこの職員、こっそり接着剤であごヒゲをくっつけてしまった。その接着剤がはみ出ている。

(3)1922年にエジプト考古学者、ハワード・カーターが発見した際、ツタンカーメンのミイラは八重構造だった。厨子の中に厨子、さらに厨子、また厨子、そして厨子、その中に石棺。この石棺を開けると人形棺、その中にまた人形棺、最後に黄金の人形棺、それを開けたらようやくミイラが出てきて、その顔にあの黄金のマスクが被せられていた。額には妻のアンケセネーメンが飾ったと思われる「ヤグルマギク」の花輪があり、3000年以上経過してというのに色を留めていたという。このヤグルマギクも博物館に展示されている。

(4)マスクの左肩に王名「ツタンカーメン」が刻印されている。これをよく見ると削ったあとがあり、削る前の「ネフェルティティ」(ツタンカーメンの義理の母)の名が。

(5)ツタンカーメンのマスクの裏面をのぞき見ると、鋲が打ってあり、はんだ付けした接合部分が見える。つまり、頭巾と顔が別々に、異なる時期に異なる材質で作られている。頭巾のシマシマの青は色ガラス、目のアイラインはラピスラズリ。

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NHK Eテレ「地球ドラマチック」より
頭巾と耳の部分は、顔よりも前に作られたもの。しかも、女性のために作られている。


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博物館はとにかく広いので、2時間ではとても全部は見れないと思うけど、2階の奥にあるツタンカーメンの副葬品はぜひじっくり見てきてください!

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