ミライノオトモニターNo.16「同じ場所を見るだけで」
きらきらと輝く光の海を眼下に見下ろしていると、ここがどこだか一瞬わからなくなってしまうような感覚になる。
爆音が話す言葉を掻き消してしまうけど、ちょうどいいのかもしれない。
何か話をするよりも、この状況を感じてみることが、今は大事だと思うから。
と言っても、普段聴いたことのないようなこの音は、聴覚に否が応でもフォーカスが当たりすぎてしまうんだけど。
ぐるっと光の海の上を回って、元の場所に戻ってきた。
彼が私の手を取って、エスコートしてくれる。
振動の中にいたせいか、降りる足