Tinderのこと③
さて、Tinder最初の出会いのチャンスをフイにした私は結婚相手でも彼氏でも友達でもなく、ただただ性欲解消の相手すら、見つけるのがこんなに難しいんだと落ち込んだ。そもそも一打入魂タイプなので、ダメージもそれだけでかい。会ってもいない男にモヤモヤさせられ、再びTinderに救いを求めた。
やっぱり、顔写真を載せている人には惹かれない。ハンサムだと、卑屈になってしまうし、そうでないと選り好みしてしまう。
そうやって、何十回も左スワイプ・時々顔写真のない人で趣味が合いそうな人を右スワイプしていく。
そうして、翌日、再びTinderを開くと、続々メッセージが届いている。自分がまだ、イケてると錯覚させられる。虚構とわかっていても誰かとコミュニケーション取れるって嬉しい。
その時は多分、7〜8通メッセージがきていたと思う。どれも、「はじめまして」「ライクありがとう」みたいな当たり障りのない一言メッセージの中で、映画ポスターをプロフィール写真にしている人からちゃんとした文面の自己紹介のメッセージが送られてきた。右スワイプした記憶はないけど、顔写真はなく、PR欄には映画と音楽が好きと。何気なく、「映画私も好きです」と返すと、サクサク話が弾み、特にプロフィールに紐付けしていたspotifyアンセムを映画音楽のニッチな曲にしていた所に興味を持ってくれたみたいで、映画や音楽の凝った話ができて好印象。
タトゥーのことも伝え、問題ないどころか好きらしい(真偽不明)。相手はどうやらバツイチで、東京から転勤で地方に来ているとのこと。テレビ局なのか制作会社の人らしい。ガツガツした感じなく、どうゆう目的でTinderやっているかと尋ねると、特に目的なく、楽しくやりとりする延長で友達や恋人ができたら良いとの事。数日のやり取りの後、LINEで写真を交換。写真の印象はアジカンのボーカルに似た真面目そうな方。
メールだけでも楽しいと思いながらもやっぱり直接、会ってみたくなる。相手からお誘いがないので、私の方から誘い、12月中旬(約10日後)に会うことに。当日までドキドキしながら久しぶりに乙女の気分で過ごす。この間、めっちゃ女性ホルモン出てたと思う。
というわけで当日。相手が予約してくれたお店の前で待ち合わせ。前日は緊張のあまり、寝れなかったけど、昼過ぎまでダラダラ横になって皮膚のコンディションを何とか整えて、寒さを感じないほど緊張しながら相手を待つ。
お店の入り口で待つこと3分。
相手が自転車でやってきました。
写真よりいい男!!!!!
自分の直感を信じて良かった〜。こんな事あるの?ってくらいタイプ。サブカル知的な見た目で、もう、トキメキ乙女モードがビンビン。
そして席について、慣れた感じでオーダー。相手がリードして私の話を聞いてくれる。リアルな人間で、マックス・リヒターやアリ・フォルマンの話出来る人がいるなんて。
・・・でも相手はあまり自分のことを話さない。ただ、いくつかのお仕事の話の中で、私が好きなアーティストのドキュメンタリーを製作したと話していて、ん?ってことはあのテレビ局・・?って気付いてしまった。そんな高スペック男子が独身なの?という疑問がフツフツ湧いてくるも何となく、相手に聞けない雰囲気があって自分の話ばかりしてた。でも気がついたら4時間以上話してた。相手のことは全然聞けなかったけど、久しぶりの乙女モードで男性と話しするの、すっごく楽しかった。
ただ、現実って優しくない。
自分は手応えを感じたけど、相手は違ったよう。
引き伸ばしたい訳ではないのですが、もう少し長くなりそうなので二部構成。たった一度、食事をしただけの男でここまで書ける私の執念、おわかりいただけますか。
続きます。
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