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GIS芸人のいりやまです。

今回は、実際にGISシステムを導入した後によくあるトラブルを紹介します。導入を検討の際にはぜひご参照ください。

|重要な部分が表示されにくい?

・オンライン型( Googleマップやオープンストリートマップなど)

オンライン型では、背景地図データの内容は提供者次第なので、エリアによって地図の品質がバラつくことがあります。オンライン型では、「地図の質(解像度・情報量)を高めろ、と言われているが、手の打ちようがないというトラブルが起きる可能性があります。

業務への利用で網羅的かつ解像度の高い地図が必要な場合はオンライン型は避けておいた方がいいかもしれません。

②オフライン型(ゼンリン社住宅地図データベースなど)

オフライン型では、購入時点では最新ですが、時間が経つとともに当然ですが古くなっていきます。

更新するには買い替える必要がありますが、予算の都合上、すぐには難しいこともあるでしょう。オフライン型では、「◯◯さん宅がないんだけど、更新して」と言われても、すぐには更新できないというトラブルが起きる可能性があります。

|表示が遅い

描画時間が長くなることもGISのよくあるトラブルです。

ここでデータ量が地図描画にどれぐらい影響があるのかテストしてみます。

<地図描画の簡単なテスト>
使用したGIS:QGIS(version 3.22.14)
使用したPC:intel(R) Core(TM) i7-7660U CPU @ 2.50GHz、メモリ:8GByte、OS:Windows10 Pro 64bit
取得データ先:国土数値情報ダウンロードサービス
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/】
取得データ:国土数値情報 500mメッシュ別将来推計人口(H29国政局推計・shape形式版)【https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-mesh500.html#prefecture00】
※ダウンロードサイズ 108M、解凍後のサイズ 756M、今回のデータ件数は約47万件

QGISによる500mメッシュ別将来推計人口(日本全国)

おおよそ日本全図が一枚の地図となるように表示してみると、表示を終えるまでに 約5秒かかりました。

ここから、東京付近を縮尺1:2500000となるように拡大すると、約1秒かかりました。

|GIS開発の学習コストが思ったよりかかる

GIS開発に習熟したエンジニアを確保するのはなかなか難しいので、自社のエンジニアさんに学習していただくことになります。そうすると、思ったより学習にコストがかかると思うかもしれません。

・GISエンジンごとにわりと仕組みが違う

「◯◯でGIS開発経験あります」といっても、各メーカーごとに仕組みがわりと違うため、導入するソフトによっては、イチから覚え直し、ということもあります。

OSアップデートなどでGISエンジンのリプレースをしなければならない時などはまた覚え直しが必要です。

・GIS開発には地図技術も必要になる

GIS開発では、GISエンジンを使いこなすことに加え、“地図に関する技術”を要しますので、その習得に時間がかかることが多いです。

|まとめ

今回は、GIS開発で起こりがちなトラブルについてお伝えしました。よくある例を知って、トラブル回避にお役立てください。


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