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#12 可視的天文学、フレデフォート・ドーム。/コトノハーバリウム

 私たちが普段見上げる月には、模様がある。これは各国で解釈がそれぞれで、餅をつくウサギだとか、左脚が大きなカニだとか、本を読む老女だとか実に多様である。

 それが出来上がる要因として隕石の衝突が原因のクレーターが一役買ったのではないかというものが定説であることは広く認識されている。

 隕石の衝突というのは、決して他星事ではない。地球上の数多くのクレーターや隕石がそれを物語っている。

 そして、その中で今回は世界最大のクレーターのフレデフォート・ドームを紹介したい。

 フレデフォート・ドームは南アフリカ共和国のフリーステイト州に位置し、直径は190kmもある。
 このクレーターが形成されたのは推定20.23億年前。直径10〜12kmの隕石が秒速約20kmで衝突したことによって生じたと言われる。また、その時の衝撃は、原爆(広島に落とされたもの)の58億倍とも考えられている。

 衝突時には地殻をえぐり、深さ25kmまで進んだとされているが、エネルギーがそれでも有り余るエネルギーを持っていた。
 隕石が衝突した熱で、マントルが融解したのちに多量のマグマを表出させて、岩石を蒸発させた。それに関しては痕跡も残っているようである。

 実は、この巨大隕石は人類に恩恵を与えた。隕石孔は、南アフリカ、ヨハネスブルグから120km(近いと判断するかは微妙だが)というヒントがあればわかった人も中には居るかもしれない。
 そう、金である。衝突熱が地殻を融解・攪拌(かくはん)したことで金の鉱床を生み出したのだ。1930年ごろには世界最大のシェアを誇り、ピークの1970年には年間採掘量1000tにものぼったという。

 ということで、今回は「フレデフォート・ドーム」について紹介した。クレーターというのは肉眼で宇宙を感じられる地形として非常に興味深い。今は海外はおろか国内の旅行も憚られてしまうが、収束後に是非いってみたいものである。

 ではまた。

 

 

 

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