俊足巧打のリードオフマン!総合優勝、ドラフト指名掴むぞ!
VOL9 内野手 塚本浩平(つかもと・こうへい)背番号7・新入団
オープン戦から公式戦と、一貫して1番打者を務めている。広角に打てるアベレージヒッターであり、俊足も武器だ。2016年以来のリーグ総合優勝を目指すパイレーツにとり、うってつけの〝切り込み隊長〟として期待が高まっている。
静岡県島田市出身。中学まで軟式野球をやり、島田商業高で硬式野球を始めた。同校は静岡県の野球強豪校の1つであり、彼は1年の秋、レギュラーになり、以来ショートに入る。打順は1番から3番が多く、チームの大黒柱だった。ただ、当時は「プロの世界なんて考えてもいなくて、目標は甲子園出場でした」。その目標に向けて2年秋の県大会で決勝に進んだが、「自分のエラーで常葉菊川にサヨナラ負けしました」と苦笑い。3年時はベスト4だった。
茶野選手から大きな刺激受ける
彼は名古屋商科大に進学し野球を続けた。ポジションはショートを中心にサードやセカンドを守り、打順は1~4番をカバーした。その同じチームの2つ上にいたのが茶野篤政選手だった。茶野選手は同大卒業後、徳島インディゴソックスを経て2022年オリックスから育成4位の指名を受けて入団。昨年は開幕1軍を勝ち取り91試合に出場した。そんな先輩を目の当たりにし、「茶野さんは技術的にすごいところがあり、徳島ISでも努力をされたと思いますが、率直に言って自分が叶わないことはないです。自分もNPBに行きたいし、行けるんじゃないかと思いました」。
茶野選手とは仲が良くて、今もラインのやり取りがあるという。常に刺激を受け、助言ももらっているという。守備は内野の塚本選手と外野の茶野選手という違いはあるが、俊足巧打のリードオフマンという大きな共通点がある。茶野選手の活躍を見て塚本選手はNPB志向を急速に高め、「自分も独立リーグからNPBに行こうと思ったんです」。パイレーツ入団に迷いなどなかった。
ストライク呼び込み広角に打つ
「自分は打率が残せるバッターです」と断言する。ホームランを狙ってバットをブンブン振り回すのでなく、中距離ヒッターであり、左右広角に打つ技術を持つ。「バットを外回りさせず、内側から出す感覚です。投球のコースに逆らわず、我慢して我慢してボールを見極め、ボールを見る時間を長くしてストライクだけ打つ、これが自分のバッティングです」。走っては50m6.0秒の俊足、遠投力は100m超でもある。パイレーツでは打順1番でショートストップを担っている。守備面は「弓岡監督から毎日ノックを打ってもらい、打球に対する入り方をマスターしつつあります。以前よりも大分上手くなっていますよ(笑)。練習を継続しもっとレベルアップさせたいです」と入れ込む。目標とする今季打率は3割5分、盗塁も積極的に狙う構えで、口にこそ出さないが〝茶野越え〟を虎視眈々と睨んでいる。
口調はにこやかにして終始明瞭であり、会話の機転も利く。独立リーグを指し、「『NPB入りを実現する夢叶えるところであり、夢を諦めるところ』と言われますが、自分に諦めるという言葉はありません」と、颯爽と言い放つ。それを決して嫌味に感じさせないのが彼らしい所以だろう。「今シーズン、不安はありません。ワクワクしています。あとは今まで通りケガなく頑張るだけです」。その働きがチーム優勝に直結するのは言うまでもない。