パフェ

やっぱり、楽しかったなあと思う。

デニーズで4人家族の隣に座る。
おばあちゃんと息子さんは隣同士だ。

私たち家族は好きなものを頼む。
「ご飯少なめで」
「普通にしてパパにちょうだい」
「いいよ」
「私のもあげる」
「いっぱいになっちゃうなあ」

私たち家族はそれぞれ好き勝手に頼み、届いたものを食べ始めた。お父さんのところだけ、小皿がひとつ多い。

隣の家族のところに3つ、大きなパフェが運ばれてくる。
チョコが2つと、桃が1つ。

ファミレスのパフェって幸せの象徴だなあ、と、思い出す。

いつだって、幸せだった。
みんながにこにこしていた。

次にパフェを食べるのは、いつだろうか。
次にコンビニのスイーツに頭を悩ませ、
待たせる深夜はいつだろうか。

ここ最近、思い出したら、負けだと思っていた。もうあのときの私も相手もいない。
まだ、思い出の破壊力に勝てない。

だけど、少しだけ、思い出してもいいかなという気がした。
パフェを囲む彼らのいる店を去る車内で、
おばあちゃんのにこにこした顔が浮かぶ。

#エッセイ

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