見出し画像

商品企画の最初の第一歩ですること

何か新しい商品を企画しようと思ったときは、何からはじめたらいいのか
今日はその第一歩目のやるべきことをお話したいと思います。

商品企画の最初の一歩でやるべきことは、次の4点を知ることです。
①    世の中の流れを知る
②    お客さんを知る
③    競合を知る
④    自社を知る

では、どう知るか、順番にみていきましょう。

世の中の流れを知る

まずは全体像を抑えます。
例えば日本ならば、今後人口が減少していきます。
子どもが減っていくので、子どもに幅広くうける安価な商品を、
継続して売り続けることは難しいです。

なので、例えば最近の手法でいえば、
今の親世代が子供のころに夢中になった作品をベースに商品をつくり、
親+子と、お客さんの数を増やして対応していたりします。

産業分野でいえば、今は、
「カーボンニュートラル」「脱炭素」
です。

温室効果ガスの排出量と吸収・除去量をイコールにする。
それがカーボンニュートラルです。

そのため、各企業が取り組んでいるのが温室効果ガスの削減
特に、消費電力の削減と、排熱等の廃棄エネルギーの再利用です。

このような世の中の流れを知り、その流れに沿った商品を企画する。
それが大切です。
この、世の中の流れを知るための便利なフレームワークがPEST分析です。

Political environment 政治・法律
Economic environment 経済
Social environment 社会
Technological environment 技術

このフレームワークを使うことで、世の中の流れを
抜け漏れなく(MECEに)検討することができます。

カーボンニュートラルの例で考えると、
P…日本は2050年カーボンニュートラルを宣言しています。
カーボンニュートラルに向けた国際イニシアチブが拡大しています。
E…ESG投資が注目を集めています。
環境面(E)への取り組んだほうがお金を集めやすいです。
S…SDGsの教育が普及してきています。
  それに伴い、エシカル消費を注視する層が増えてきています。
T…熱回収やロスを減らすための技術が増えてきています。

このように、PEST分析により、狙いたい市場のマクロ環境を分析します。

お客さんを知る

今回あげている4つの項目の中で最も重要なのがお客さんを知ることです。
このお客さんを知るためのポイントは、”泥臭く”です。

最近の技術の進歩で、お客さんの情報は、インターネットや、
SFA(お客様とのコンタクト情報が集約されているサービス)で簡単に取れます。

もちろん、SFAの情報は貴重です。
ただ、それは、ある商品をどう売るかと、
商品作りでいえば、後半の工程で使用する情報です。

この商品企画の段階では使えません。
ここでは、泥臭く、お客さんのもとに足を運び、話をきき、現場を観察する
それが重要です。

例えば、USJをV字回復させた森岡氏は、USJにモンハンを導入する際に、
400時間以上もプライベートで時間を費やしたそうです。

また、エンタメをつくっている人たちのトップ層は、
プライベートで世界中のエンタメを肌で感じに行くそうです。

ぼくのような産業メーカーだとしたら、とにかく、お客さんの現場に行く。
工場に行き、現場の人に話をきく。
その現場の人の話から、その現場の人が困っている真の理由を探り、
それを解決することで価値を感じていただける商品を企画する。

とにかく現場に行く。
いきなり一人でお客さんのところに行くのが難しいかもしれません。
そのときは、営業なりお客さんと接点がある人と同行する、横で仕事をする
それをきっかけにお客さんとつながりをもって、さらに深くヒアリングをする

こうすることで、お客さんのインサイトを探り当てる。
これが商品を企画するうえでも最も重要なことです。

競合を知る

世の中の流れを知り、それに沿って関係がありそうなお客さんの話をきく。
そうすると、ぼんやりと商品像ができてきます。

ここで、思いついた商品は、たいてい同じようなものが世の中にはあります。
同じような切り口のものもあれば、全然別の用途で同じことができるものもあります。

その商品をつくっている会社のことを、次は知ります。

競合を見る場合の見るべき3つのポイントは
・戦略(どう差別化しているか、価格はどうか)
・実績(売上高、シェア、利益、顧客数など)
・資源(営業担当人数、生産能力など)

戦略は、カタログやその他広告資料ももちろんそうですが、
その競合会社の営業担当を呼んで、商品PRを受けるのが効果的です。

実績も、営業担当がある程度教えてくれますし、
IR資料や、過去のその会社が受けたインタビュー記事などでも調べることができます。

資源も、営業担当に聞いたり、IR資料を見たりして調べます。

ここで注意すべき点は、目的がぶれないことです。
あくまで、目的は、企画した商品を自社で販売した場合の、
売り方や販売予測などを立てるための情報収集であり、
正確に競合情報を知ることが目的ではありません。

ここで競合を選ぶ際の注意として、
同じ商品を取り扱っている会社だけでないという点です。

例えば、USJの競合はTDLだけでなく、キャンプ場や場合によってはスマホも競合になるかもしれません。

このように、市場をどうとらえるかによって、
分析対象とする競合会社がかわってきます。

ここで役に立つフレームワークはファイブフォース分析です。

ファイブフォース分析では次の5つの視点で競合分析を行います。
・その業界内での競争相手
・その業界への新規参入者
・その商品の代替品がないか
・その商品のお客さんの交渉力はどうか
・その商品をつくるための部品サプライヤーの交渉力はどうか

自社を知る

ここまでで、世の中の流れがわかり、お客さんの求めているものもわかり
その市場・業界のこともわかってきました。

最後に、商品を企画するにあたり、
自社でコントロール可能な経営資源の分析を行います。

自社の経営戦略や、企業文化、トップのリーダーシップや、
既存商品の特性、シェア、販促手法、人的資源などです。

ここで役に立つフレームワークがSWOT分析です。

SWOT分析は、自社の強みと弱み、あと外部環境の機会と脅威を
四象限にわけて分類するフレームワークです。

このSWOT分析を行う際は、
保身や、自分を良く見せたい気持ちを抑えて、
ありのままの現状を捉えることが重要です。

また、自社の弱みや、外部環境の脅威はネガティブに捉えるのではなく、
逆に、それらをポジティブに捉えられないかを考えることが重要です。

さらに、機会については、それがすでにある機会だけでなく、
創り出すことができる機会がないかを考えることが重要です。

以上4ステップが、商品を企画する際に、最初に行うことです。
ここを見誤ると、その後の戦略・戦術策定で躓きかねないです。
非常に重要な項目ですが、商品企画の上で、最も楽しめるステップでないかと思います。

一緒に、頑張りましょう!

さあ、出航だ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?