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【産後うつ記録】子育てサロン、その良し悪し

子育てサロンへ通うようになって、すぐにお友達ができました。

自動車を止めることができないサロンだったため、利用しているのは徒歩圏内の親子ばかり。
中でも月齢の近いお母さんたち4〜5人とは、すぐによく話すようになりました。

乳児期は同じ生まれ年でも月齢で全く発達レベルが違うので、数ヶ月の差で悩みも全く別物です。
通い始めた頃娘が3ヶ月を迎えたばかりのわたしは、5ヶ月の寝返りをする子や8ヶ月のお座りをする子は、遠い遠い未来にしか見えませんでした。

いつかあんな風にニコニコして、はっきり遊ぶようになるのだな。
そんな風に安心する気持ちにもなりました。


首も座らない、寝返りもしない。
まだ表情も少なくて、ほとんど泣いているか授乳しているか寝ているか。
そんな月齢の頃、自宅に二人きりで過ごしていたわたしにとって、他のお母さんとの交流はとてもいい息抜きでした。

とにかく、一人じゃない。

もちろん親である自分が娘の責任を負っていることに変わりはないけれど、誰か他の人がいてくれる。

それは、二つの意味で大きな効果がありました。

ひとつめは、娘の全てをわたしが見落としなく拾わなくてはいけないと言う重圧からの解放。

大袈裟は承知ですが、本当に「この子の一挙手一投足を見落とさず、トラブルは全て未然ないし直ちに発見し、100点の対応をしなければならない」と思っていました。

そんなことできるはずないし、しなくていいのに。

それが、自分以外にも大人がいる、と思うと全てを抱えなくても助けてくれる人がいる、と心が少し軽くなりました。
「わたしがしっかりしなくちゃ」と自分を追い込み過ぎていたのだと思います。

ふたつめは、ここにいる間は自分が娘を傷つけることはないだろうと言う安心。

これまでにも書いてきましたが、わたしはこの頃すでに「可愛い」と思って育児をする時間は少なくなっていて、自分の中での期限まで「生かしておかなくちゃ」と思っていました。

例えば、夫が3日出張するなら「3日後まで娘を5体満足にしておかなきゃ」とか、そう言う状況です。

はい。
おかしいです。尋常じゃないです。

つまり、わたしは「この子をいつか死なせるか、自分原因で怪我を負わせるかも知れない」と思っていたのです。
これはmayではなくて、mustと言ってもいいほど確信をもって「いずれその日が来てしまう」と思い込んでいました。

だから、近い未来に期限を設けてそこまでは抑えよう、そこまではがんばろうと言い聞かせていたのです。

限界だったと思います。

ただ、他の大人がいれば娘の泣き声を聞いても、二人きりの時ほど追い詰められません。
取り繕いやええカッコしいであっても、笑顔で娘を抱き上げることができます。

それでもどうしても笑顔になれないときには、抱き上げるのが遅いのを見てスタッフさんが抱っこしてくれたりしました。
言葉には出さなかったけれど、わたしが疲れているのに気づいてくれていたのだと思います。

それに、他のお母さんの発言も大きく影響を受けました。
とっても優しいお母さんで、お子さんは二人目。一人目の子とはかなり歳も離れていて、落ち着いて育児をされているように見えていました。

そのお母さんがある日、「昨日の○○ちゃんは悪魔みたいだった」と言い出したのです。
「全然泣き止まなくて、何してもダメで、もうベビーベッドに寝かせて、自分はヘッドフォンつけて隣の部屋で泣いてたの」

それは完全なる「眼から鱗」でした。
このお母さんでも、そんな風になるんだ。
いつも笑顔の彼も、そんな風になるんだ。
泣いて泣いて手に負えないのは、うちの子だけじゃないんだ。
どうにもできない時は隣の部屋に行ってもいいんだ。
がんばって泣き止むまで抱っこし続けなくてもいいんだ。

いくつの鱗が落ちたか分からないくらい、他のお母さんとの会話の効果は大きかったのです。


その一方で、子育てサロンに行ったことで帰って苦しんだこともあります。
それは、「育児雑誌みたいなお母さんもいる」と言うこと。

赤ちゃんもいつもおしゃれをして、自分もいつも小綺麗で、ロングヘアを下ろしたママさん。
それこそ、赤ちゃんが泣いてもニコニコして、全然慌てずにケアをできるママさん。
お子さんを連れてお出かけしてきた報告をされるママさん(当時のわたしには絶対無理)。
お弁当の時間に、きちんと手作り離乳食を携帯して、「1日3回も洗濯機回すの!」と言うママさん。
(詰め込んだら綺麗にならないから、と言っていたけれど1回だって体力・気力がもたないわたしには絶対無理)

そんな彼女達を見るほど、自分の家事育児スキルの低さにうんざり。


結局、育休から復帰する直前まで、週に1回か2回は通い続けました。
他の人と比較してしまってしんどい思いをすることもありましたが、やっぱり他の大人と過ごす時間はかけがえのない物でした。

子どもの月齢が近いと、何かと比べてしまいがちです。
子どものこと、自分のこと、夫のこと、生活のこと、仕事のこと・・・
でも、子育てサロンはもともと全く違う環境で生きてきた人たちが、まずは育児だけを共通項に交わる場所です。
親のスキルも、考え方も、社会的背景も全く違うのだから、そもそも比較対象にはなりません。
それを理解して「子どもを育てる親としての仲間」として関われると、とても居心地の良い場所でした。

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