2度目の離乳食はわりと楽しい

茹でる、つぶす、裏ごしする
専用の容器に小分けにして冷凍保存
1回分ずつ解凍
器に入れて息子の前に置く
息子の笑顔
パクリ
ちょっとタイミングが合わない
パクリ
顎の肉を持ち上げてみる
嚥下反射はすぐに起きている
パクリパクリパクリ
くちびるの端からこぼれた
スプーンですくうと口を開けて待っている
パクリパクリパクリ
「これで最後だよ」
パクリ
・・・
エプロンを外す
泣き出す息子を椅子から下ろしてあやす
食後の母乳を勧めるがほとんど飲まない
(そりゃあこれだけ食べればね)
頭を撫でて片付けに行く


離乳食を始めた。
娘の時は完全母乳だったのもあり、食べさせることに抵抗があった。

息子は違う。
だって、他の家族がご飯を食べるとヨダレがたらり。口をもぐもぐ。
テーブルが見えるところに座らせないと、金切り声をあげて怒り出す。ほとんど怒らない彼が。
離乳食を遅らせたら、ミルク&母乳のボイコットでもしそうなほどの食べたいアピール。

とはいえ、親の思い込みかもよ。
なんて、自分の気持ちを抑えながら離乳食を開始した。

娘は離乳食を食べなかった。全然食べなかった。
何度も泣きながら捨てたし、娘に投げ飛ばされたことも数知れない。
初めての食べ物には強い警戒心で、舌先で舐めてブーっと吐き、その後口をギュッとつぐむ。
大きさ、かたさ、見た目、味付け。
考えて考えて、心が折れた。
今でも彼女は好き嫌いが激しいし、わたしもそれでいいと思っている。
いつか大人になればそれなりに食べられる日がくるはず。
今は大人の食べたいものを作って、彼女の食べられるものを添えることで落ち着いた。

だから、期待しない。
食べなかったとしても、離乳食ってそんなもんじゃん。
とくにゴックン期と呼ばれる初期なんて、取り込み・送り込み・嚥下の練習だもの。
口に入れば胃に入らなくてもいいんだもの。

食べたそうな息子にどうしても期待してしまうから、自分に何度も言い聞かせる。
ダメでもともとダメでもともと。

だけど。

食べた。
しかも、もりもり食べた。
ものすごく喜んで、パクパク食べた。
食べるのは初めてのはずなのに、ほとんどこぼさない。驚くばかり。

いつか、この子も「これはたべたくない」「まずい」「きらい」という日がくる。
それはもう、通過儀礼みたいなもので、親も子もそこを通って成長するのかも知れない。

でもいまは、この笑顔があれば面倒な「茹でる、つぶす、裏ごしする」もがんばれる。
わたしにとって、離乳食とはつらくてつらくて、長くて暗いトンネルのようなイメージだった。

あらあら、それも個性じゃないか。
食べない娘が「おいしい」というと、めちゃくちゃうれしい。とってもかわいい。
食べるの好きな息子が器を見ただけでニッコリすると、「いただきま〜す」と声が弾んでしまう。
子どもの食べる姿は、本当にいとしい。

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