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コミュニケーションの専門職 【ST】

言語聴覚士(以下ST)というのが、わたしのもっている資格の名前です。

言語聴覚士、ご存知ですか?おそらくほとんどの方はご存知ないと思います。卑屈なのではなくて、あまり知名度のある仕事ではないのです。

では、理学療法士(PT)、これは聞いたことがありませんか?あるいは、作業療法士(OT)。これも耳にしたことがあるかもしれません。なんとなく、「リハビリの人かな?」というイメージは持ってもらえるかと思います。

言語聴覚士は、PTやOTなどと並んでリハビリをする専門職です。大雑把ですがPTは基本動作能力(立ち座り、歩行など)を主に対象としています。OTは日常生活活動(着替え、食事などの生活動作)を主に対象とします。それに対してSTが対象とするのは『コミュニケーション』です。

もう少しきちんと言及しますと、STは「コミュニケーションと食べること」を主に対象とします。

「コミュニケーション」というと、「会話」と考えておおよそ問題ありませんが、その中には多くの機能・能力が必要です。例えば、舌や口唇などが十分に動く機能、話し相手の声が聞こえる機能・能力、それを理解できる認知能力…。そのような機能・能力に対して総合的にリハビリをしていくのが、言語聴覚士です。

また、コミュニケーションに重要な口周りと器官を共有していることから、「食べること」も重要な対象としています。さまざまな理由で、咀嚼や嚥下(飲み込み)などが困難である人に対して、リハビリを行います。

STの働いている場所の多くは、病院です。総合病院のリハビリテーション科や、耳鼻科などが多くのSTの職場です。そのほかに、療育センターなどで子どもの訓練をすることもありますし、少ないですが小児科にいることもあります。最近では、デイサービスなど介護の現場でも徐々に増えてきています。

STは1997年に国家資格となった、まだ新しい専門職です。知名度も低ければ、PTやOTに比べると扱いもまだ低いと感じることもあります。身の回りにSTがいるよ、という方は少ないでしょう。しかし、コミュニケーション・食事という生活になくてはならない側面に対してリハビリをするという、ある意味ではとても身近な立場でもあります。

このマガジンではそんな専門的な知識を含めつつ、何かこれからの生活や一大事にも役に立てる内容をお伝えできればと思います。

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