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買ってよかったオブ・ザ・イヤー【特別賞 女性の悩みが相当改善したで賞】

我が家では「これは買ってよかったオブ・ザ・イヤー受賞するね」という会話が、年に数回ある。
ちなみに、過去の受賞者は食洗機。贅沢品だと思っていたけれど、導入してみたら心の底から便利だし、洗い物に費やす分の時間が空いて夫婦の時間が増えた。親1人で子どもを見るときにも、食後に食器を放り込むだけなので「待っててね」をいう回数が減って、最高だった。
そんな我が家の、今年の「買ってよかったオブ・ザ・イヤー」をシリーズでご紹介します。
✳︎今回は月経の話なので、苦手な方はお避けください。

さて、他人様にはきっとまったくもってどうでもいい、我が家の「買ってよかったオブ・ザ・イヤー」をシリーズで紹介するという、自己満足な企画もこれで最後。
なんとか年内に完結できたので安心しています。

では今回は特別賞として、家族全員というよりもわたし自身が個人的に非常に満足したものをご紹介。

その前に、月経についておさらい


月経の機序などは保健体育で漠然と習ったかもしれない。
そう言った生物学的な知識だけではなくて、月経痛は人によっては壮絶に辛いということ。どのくらい知っていますか?

あまりに酷くて日常生活に支障をきたす場合、それは月経困難症と呼ばれる。
日本産婦人科医会によると、生殖年齢の女性の25%が月経困難症であると言われていて、しかも25歳以下では40%もの人が当てはまるのだとか。

25%といえばつまり4人に1人。
40名クラスの半分を女の子としてそのうちさらに4分の1、実に5人もの女の子は日常生活が送れないほどに月経の症状が重いということになるのだけど。
さて、クラスに月に一回くらい学校を休む女子が5人もいただろうか?
職場の女性の4分の1は、生理休暇を取っている?

否。
つまり、そんなに多くの女性が「日常生活を送るのが困難」なほどの痛みに耐えて、日常生活を送っているわけだ。

それに、PMSというのも最近は知られてきた。
月経前症候群という通り、月経の3〜10日前から始まり月経の開始とともに消失する不調をさす。例えば不安が強くなったり、イライラしたり、むくんだり肌が荒れたり。

さらには、排卵日にも不調が生じたりする。
内容としてはPMSにも似ていて、イライラやむくみ、肌荒れ、便秘などの一般的な症状の他に、排卵痛と言われる腹痛や軽い出血があることもある。

未だにこういう不調に対して、「わがまま」だとか「みんなは我慢しているのに」という人がいるけれど、顔がみんな違うようにホルモンバランスもみんな違う。
それに、不調を軽くするための対策はあるけれど、誰でも完全に問題が解決するわけではない。不調のある人がみんな怠慢で対策を練っていないわけではないのだ。

それにね、出産をすると別人のようにホルモンバランスの不調が変わったりもする。

わたしの恩師が好んで使った言葉だけれど、「人事を尽くして天命を待つ」という表現な適切なほど、自分ではどうにもできない。できる対策をして、あとはその日が来たら粛々と生活するしかないわけだ。

買ってよかったオブ・ザ・イヤー特別賞は【月経カップ】

かくいうわたしは、もともと月経は重かった。らしい。
「らしい」というのは、そもそも人と比較する機会がないから知らなかったわけで、第一子の産後の月経で出血が少なくて驚いた。まだ子宮が回復していないからかな?と思っていたら、ずっとそのままだったので「本来月経ってこんなに少なくていいんだ!」と目から鱗だったのだ。

月経の血液も多かったし、月経痛も酷かった。
鎮痛剤は必須だったし、とにかく仕事さえないなら寝て過ごしたいと思っていた。(痛みは産後波があるようになり、めちゃくちゃ楽な時と寝込む時がある)

とは言っても、悩みは尽きない。
例えば服装。
リハビリの仕事をしていると白衣を着るのだけれど、なんと制服の白衣はズボンも白。もう、絶対に失敗できない。

担当者会議なんて言って、近隣の病院や利用者さんのおうちへ伺って会議をすることもあるけれど、そうなると長くて3時間程度トイレに行けなかったりする。1、2日目の多い日はドキドキが止まらない。

家庭ではとにかくお風呂が辛い。
平日は仕事の都合でわたしが子どもたちの入浴担当なのだけど、それは月経だと言っても回避できない。自分自身も仕事から帰ったら真っ先に綺麗にしたいので、自分は入浴せず洗うだけで済ませたりする。
夏はいいけれど、冬は寒すぎる。

そんな中ずっと気になっていた、月経カップに手を出してみた。
その結果が、この「買ってよかったオブ・ザ・イヤー受賞」なのだ。

受賞理由

これは簡潔に、「月経期間中、月経を最小限しか気にせずに生活できるようになったから」だ。

上に書いた通り、月経中は痛み意外にも衣類に気を使ったり、子どもとの入浴に気を使ったり、なにかとストレスが多い。

月経開始から3日くらいの間は、月経血量が少なくなったとはいえ日中も夜用ナプキンが手放せず、トイレにも頻繁には行けないので不快感がある。
匂いも気になるし、ドバッと出た時にはトイレダッシュしたいほど不安になる。

月経の重い開始から数日の間は、生活しながら本当に頭の中に月経の影がちらついてしまう。痛み、不快感、漏れなど、とにかく気になってしまう。

それが、月経カップを使うと、本当に本当に気にならなくなった。
もちろん始めて使った時には勝手がわからずに戸惑ったのだけれど、月経が3クールもする頃には漏れることもなく、夜も日中も安心して過ごせるようになったのだ。

あの不快な、ドバッという感覚がなくなった。
そのおかげでドキッとすることもなく、これならスポーツも全然平気だな、という感じ。もちろん、子ども達をお風呂に入れるのも普段通りにできるし、自分のケアが通常通りな分やっぱり落ち着いて子どものケアもできるようになった。

もちろん月経カップを使ってもPMSはある。
産後PMSはものすごく酷くなってしまったので、これには頭を悩ませている。卒乳したら薬の内服を検討している。
このPMSがあるので、「相当改善した」という表現にした。
ホルモンとの戦いは、まだまだ続く。


月経カップとはどういうものか

そもそも月経カップというのを知らない人もいるかもしれない。
月経カップは主にシリコンなどでできたカップで、直接膣に挿入して使う生理用品だ。カップに血液が溜まるので、1日に何度か取り出して捨てる。

興味を持ってから、早2年。
なぜ購入に踏み切れなかったかというと、使いこなせるかわからなかったから。

①まず、どこでどうやって捨てるのか。
②洗浄や消毒はどのくらい必要で、自分の生活スケジュールに組み込めるのか。
③いくつ必要なのか。
④もしめちゃくちゃ不快だった場合に初期費用がイタイ

こんなことにつまづいて、ためらっていた。
けれども実際に購入に踏み切ったのは、やはり入浴の問題があったから。

どうしても平日にわたしが子ども達とお風呂にはいる生活は変わりそうにないし、子ども達の安全を確認しながら自分の月経ケアまでするのはかなりせわしなく、うんざりしていた。
結果としては、

①割とどこのトイレでもなんとかなる。わたしはトイレに捨てられるウェットティッシュを持っておいて、その場で手の清潔も気をつけています。

②これが意外に、色々調べた結果毎日取り替える必要はないらしい。
月経期間を通じて一つのカップを使えるので、使用開始前と月経後に消毒すればOK。煮沸消毒でもいいらしいけれど、わたしはキッチンに月経用品を持ち込むのに抵抗があるのでミルトン。
洗浄は上記したような流せるウェットティッシュを使ったり、一人で入浴できる日はそのときササッと洗ったりする。

③そんなわけで、1個で大丈夫。

④最初はものすごく不安だったけれど、2,3回試すうちにまあまあうまく入るようになった。これは慣れかもしれない。
一方で、わたしの場合は月経血がすくなるなる4日目以降は不快感が出てきて、落ち着かなくなることがわかった。どちらにしろ不快感も少ない時期なので、そこからはナプキンに切り替えるのが定番。
とはいえ、1番おちつかない1〜3日目を超快適に過ごせるようになったので、初期費用(だいたい5000円くらい)の元は取ったとおもう。

まとめ

わたしが今回の受賞発表で言いたいのは、別に「女性ってたいへんでしょう?だから甘えさせてね」ということではない。

途中にも書いたけれど、顔がみんな違うようにホルモンバランスもみんな違う。月経に関わるトラブルの内容もボリュームも、人それぞれ全然違う。

同級生に本当に月経困難症がひどすぎて、学校に通えない友人がいた。
同僚に、月経血が多すぎてショーツタイプの生理用品でないと仕事ができない人がいた。

大きな声では言わない、けれど紛れ間もない事実。

そこまで月経に悩みを持っていなかったわたしは、「大変だなあ」と傍観しているだけだったけれど、自分も加齢や出産、生活の変化で心身のバランスが変わりホルモンバランスが変わり。
そして思った。

わたしくらいの月経痛でも、月経血でも、生活に不便がある。
もっともっと大変な人が、沢山いる。
全く気にならないほど軽い人も沢山いる。
知らなければ、知らずにすぎていける。けれど、少し声を大きくし話題にすることで、ちょっと解決することもあるんじゃない?

自分の知らない対処法。
自分は敬遠していた婦人科受診。
自分では普通だと思っていた、普通じゃない状態。
わたしが「実は月経が重かった」と産後まで知らなかったように、世の中には「仕方がない」と思っている困難症の人も沢山いるはず。

知ったり、足を踏み出したりする時に、コミュニケーションのパワーって大きいんじゃないかな。情報の力って強いんじゃないかな。

本当は、月経の話を書くことに躊躇がなかったわけではない。
でも、わたしの声は小さいけれど、何か少しでも、だれか1人でも、伝わってくれればいいなとおもっている。

実際、月経カップはめちゃめちゃ偉大。
不快感や漏れが気になる人は、試してみる価値アリですよ。

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