金曜日のひたち21号
上野駅17時ちょうど発、仙台行きひたち21号は混んでいる。この特急は毎日と言っていいほど混んでいるけれど、金曜日の今日は特に混んでいてほぼ満席で上野駅を出発した。
仙台までの所用時間は4時間半。長い旅になる。
ちなみにこれだけの時間があると、東北新幹線はやぶさで東京から新函館北斗駅まで行ける。
東京から仙台までだいたい2時間。
はやぶさなら1時間30分で行ける。
一両に乗っている人も日立までは結構いるけれど、いわきまで来るとどこに人がいるのか探さないとわからないぐらいに減ってしまう。
そんなローカル特急だけれど、福島県浜通りの人たちはこの特急で東京や仙台に移動する。
東北新幹線が事故で全面運休になった時は、みんな常磐線周りで移動していた。
効率が良いとは言えないけれど、これはなくてはならない特急電車だ。
ひたち号は品川始発。東京、上野、水戸に止まり、そこから止まる駅が多くなる。日立まで1時間半、いわきまで2時間。新幹線ならとっくに仙台まで行っている。
いわきまでは1時間に1本特急があるが、その先の人たちにとって仙台行きの特急は1日に3本しかない。
双葉や浪江は東日本大震災の原発事故で大きな被害を受けた地域だ。その先の相馬、亘も津波の被害にあった。
電車に乗っている人たちは家族連れだったり、大きな荷物を抱えている人もいる。出張の帰りのような人もいる。みんなそれぞれ事情があって乗り合わせている。若い人よりは高齢の人が多いように見える。書いている私も高齢だ。
お弁当を広げたり缶ビールをあけたり、旅の帰りなのか楽しそうに話し込むおばちゃんがいる。
外はもう真っ暗。金曜日のひたち21号は北を目指してスピードを上げる。