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人と違うことを知っていく

小学校に入学してから少しして、一日学校を休んだ日がありました。よそ行きの服を着て電車に乗って、ついたところは大きな病院でした。
先天性白内障の手術を受けたのは東京の大学病院でしたが、赤ん坊だったので全く記憶にありませんでした。それ以来大きな病気をすることがなかったので大病院には縁がなく、眼に対しても特に治療が必要なわけではなかったのではじめての経験と言ってもいいぐらいでした。
眼科に行くと視力検査と眼の診察、お医者さんと母が何か話し、その後に学校の先生らしい人がパンフレットを見ながら母と何か話していました。私には「学校は楽しい?」と言うようなことを質問してきたように思います。
特に楽しいわけでもなかったけれど、「はい」と答えたように思います。
これは後で知ったことですが、昭和40年代の初めまで、盲学校に通っていたのは全盲かそれに近い弱視の生徒がほとんどだったようです。それが地域の弱視の児童、生徒も入学してもらおうと教育相談を行っていたようでした。
私は学校の身体測定で低視力だったので「相談に行ってみては?」と母が担任の先生から勧められたようです。
そしてこの後、今でも忘れられない出来事が起こります。
それは、自分は他の人と違うことを身をもって知り、大人になり職業を選択していく上で絶対に譲れない価値観を持つことになる出来事でした。

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