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高校生の頃

後期高齢者近くになっても学生時代のことを思い出すことはあります。
高校時代、関東の女子体育大学を卒業したばかりの体育の先生が着任。我々男子生徒は色めき立ちましたが、教えるのは女子の体育と保健のみ。

運動会で踊るフォークダンスを指導することになった新任の先生は、定番曲以外に何やらバタ臭いハイカラな曲も使ったので、生徒は照れ臭いような、ちょっと大人になったような、発露を見出せない妙な気分で、順に巡ってくる女子生徒の手をとって踊ったものでした。その中には中三で東京から転校してきた初恋の人もいたわけですけど・・・高校卒業後もしばらくお付き合いは続きましたが、結ばれることはありませんでした。

その曲は長く不明でしたが、還暦を過ぎた頃からはまったカラオケで下手な洋楽を歌っていたら、ポール・アンカのマイホームタウンではなかったかと思うようになりました。あの軽妙なリズムと明るい曲調は記憶と合致しました。

新卒の先生の醸し出す都会の雰囲気が “マイホームタウン” のそれとぴったり重なって、田舎の青い男子高校生の脳幹は刺激されたものでした。

因みに、団塊の世代は1学年12クラスで、1クラス55名ほどでした。3年生になると進路によって男子だけのクラスや混合クラスが編成されました。
先生もご存命なら傘寿の頃でしょうか?
お会いしたいようでもあり、やっぱり止めといた方が無難かも?

記憶は都合よく編集されるものらしいので、60年くらい前の記憶は多少美化されているかもしれません。
この脳の機能は人間が生きていく上で有利なるが故に進化の過程で獲得されたのでしょう。記憶と、こうなりたいという願望が脳の中で相互作用し、美しい方向に編集され、いい思い出として残る。

この歳になると、本当にあったことなのか妄想の産物なのか、よくわからない甘~い記憶もあります。いよいよ恍惚の域に入ってきたのかもしれません。
嫌~な記憶ばかりが蓄積するより、その逆の方が生きていく上でプラスになることは自明です。

PS:茜町さんの画像をお借りしました。美味しそうです。