フォトショップの加工が全て正しいわけでない話

以前ブライダル関係の仕事をしていた時、某式場のカメラマンさんから聞いたお話。
そこの会社では受け継がれているエピソードらしい。


とある新郎新婦の写真撮影をしていた時。その新婦の顔には、かなり目立つようなところに傷があった。
女性なら顔に傷がついているのを隠したいはず。
そう思った担当カメラマンは、良かれと思って新婦に
「お顔の傷、後で修正で消せますからご安心下さい。」と伝えたところ
新婦に「やめて！修正しないでください。」と真剣な顔で言われてしまった。

カメラマンが理由を尋ねたところ、
「…この傷は昔、兄と遊んでいるときにできた傷なんです。
今はもう兄はこの世にはいないけれど、この傷痕を見るたびに兄を思い出すことができる。
私にとって大切な傷なんです。だから絶対に消さないで下さい。」

それからそのカメラマンは、お客様からの要望がない限りは顔の修正や加工をするのをやめ、ありのままの美しさを出せる写真を撮るように今も意識しているそう。



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