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QUARTO 6年目の決断 [シェア店舗RoCAでの営業に幕を閉じ、QUARTOは次のステージへ進みます]

生業にしようと始めたQUARTO。シェア店舗の一角だけれども、これが自分の店だと誇れるように大切に育てていくという決意で開業しました。店構えも、サービスや商品も、少しずつブラッシュアップして、常に自分自身が誇れる店にしようとしてきました。
こうして次のステージへ行くと決断した今も、店を開ける朝についつい見惚れてしまうほど想い入れがあります。

現在のQUARTO (2022年)

生業として全力でやってきた5年間

  • イタリアンバールというスタイルを自分色で作り上げたいという夢と、熱海のまちで過ごす人たちにとってのホットスポットの一つになりたいという気持ちから熱海銀座というエリアで開業したいと決意したのが7年ほど前。その後、熱海銀座商店街で【Renovation of Central Atami】という意味を込めたカフェ「CAFE RoCA」が『シェア店舗RoCA』としてリノベーションをするタイミングでそのテナントとして入居できるチャンスに恵まれ、caffè bar QUARTO(カフェバールクアルト)をオープンすることができました。(2017年8月)

  • 喫茶店文化のある熱海では「コーヒーはゆっくりと喫茶店で飲むもの」というイメージが強く、カウンターや立ち飲みでコーヒーを飲むというスタイルには疑問の声も当初はありました。それでもQUARTOは地元の方にも受け入れやすいサービスに落とし込みながらもバールというスタイルにこだわりました。コーヒーやお酒という共通のニーズで訪れた人たちが一服するひと時を共有し、雑談をしながらもそれぞれのペースで行き交い、旅行客の非日常と地元の方の日常の接点が生まれる、そんな交差点のようなコーヒー店を作りたかったのです。素晴らしい喫茶店文化がある熱海だからこそ、自分の想い描くバールが新しいコーヒータイムのスタイルとして受け入れてもらえるはずだと信じてました。また、【Renovation of Central Atami】というテーマを掲げたシェア店舗に入居するテナントとして、この空間に足を運んでくださった人たちに、訪れる前と後で心に響く変化を生みたいと意識して店づくりと営業を展開してきました。

  • この5年間、それらの理念を軸に、やるべきこととやりたいことを判断し、時に少しチャレンジングに背伸びもしながらQUARTOの進化・改革を重ねてきました。店構えもオープン当初からこうして見比べるとかなり進化を遂げたと思います。そのようなチャレンジや進化・改革を選択してこれたのは、理念に迷いがなかったことはもちろんですが、何よりも、本当に多くの人たちに共感していただき、通っていただき、愛していただき、QUARTOを一緒に育ててもらえたからこそです。これを読んでくださっている皆さまがまさにその方々だと思っています。本当に、これまでありがとうございました。

テスト営業時のQUARTO
開業当初のQUARTO

シェアする上での価値観やスタイルの違い

  • シェア店舗RoCAの最初のテナントとして同時にスタートしたそれぞれの店舗。年月を重ねるにつれて、サービスや営業体制、メイン顧客や接客スタイルなどの違いが現場において大きくなっていきました。異なる店舗のため、それぞれの方針や考え方があって当然なのですが、“共に場をつくる”という視点で割り切れないところも多くなってきました。また、このままシェアの形を継続することで双方やどちらかの成長の停滞が起こりうると感じ始めたため、QUARTOは次のステージに移ろうと決意しました。QUARTOの理念を軸に、大切にしたいシーンをより大切にできる理想の形を新たに追求していく、これが6年目の決断です。

“共存”から“共創”へ

  • 次のステージを模索する中で、新たな場で自分が全体をしっかりと守れる空間を一から創り、そこにQUARTOを移転&リニューアルさせることも検討しました。しかし、熱海、熱海銀座というエリアで馴染みになってくださったお客様のこと、QUARTOを信頼して窓口を任せてくれているCLUB HUBlicさん、そして複業でマネジメントサポートをしている株式会社machimori(以下、machimori)のguest house MARUYAやMARUYA Terraceから離れた拠点に行くことは考え難く、イメージができませんでした。また、QUARTOは当初から店主の生業として続けたいと思ってきたことなので、飲食ビジネスとして規模を大きくしたり、多店舗展開をするような事業計画も現時点では考えられませんでした。

  • そこで別のアプローチで理想を模索することにしました。価値観の合う者同士で場を共創していくという形です。場のシェア=共存ではなく、共創というスタイルが次のステージなのではと思ったからです。そのスタイルでの理想をイメージしたときに浮かんできた出来事、それは2021年9月にMARUYA Terraceさんでやらせてもらった「MARUYA Terraceのコーヒー日和」です。緊急事態宣言によりQUARTOは営業自粛を余儀なくされ、どうにかして常連のお客様にコーヒーを提供したいという気持ちと、MARUYA Terraceさんと一緒に営業をしてみたいという興味が重なったタイミングでコラボ営業企画が実現しました。二日間のコラボ営業を通じて、大切にしたい理念や想い、サービスやホスピタリティに通ずるところがある人たちと一緒に場を創ることの喜びとやり甲斐を実感したこと、それこそ理想の体験だったなと思いました。

“大切にしたい”を大切にするために

  • そしてもう一つ、[生業としてのQUARTO]をどう考えていくかも店主 加藤麻衣にとって重要なことでした。始めた当初は「その仕事で食べていく」という意味で生業という表現を使っていましたが、こうして5年続けてきて、自分がこだわる生業の意味とは『人生の一部として続ける業』ということなのだということにも気づけました。

  • guest house MARUYA、MARUYA Terraceという場の理念と、それを守っているmachimoriメンバーの想いが、QUARTOと加藤麻衣の理念と想いに共通していると改めて実感し、マネジメントサポートという複業という形からより踏み込んで、machimoriにフルコミットして共に場を育てていきながら、その中で個人の生業としてのQUARTOも共創していく道を描いてみようと思っています。尊敬するある方の名言、“あなたでなければ、ここでなければ、今でなければ”をこれからもモットーにしながら。

  • QUARTOとして、加藤麻衣として、“大切にしたい”を大切にし続けるための理想のスタイルが見えてきて、そのステージへと向かっていく準備を進めながら、シェア店舗RoCAでのQUARTOを最後まで大切にしていきたいと思います。ちなみにスタンプカードはこの先の展開でも引き継いでご利用いただけるように考えております。シェア店舗RoCAでの営業終了時期としては2023年2月〜3月頃で予定しておりますが、最終営業日は今のところ決めずに、いつものQUARTOを楽しんで頂きながら幕を閉じることができたらと思っています。QUARTOが終わるのではなく、次のステージでもまた再会ができるのですから!!

  • シェア店舗RoCAの建物オーナーである釜鶴の二見さん、サブリースでシェア店舗という形を生み出してくれたmachimoriさん、5年を共にしたLa DOPPIETTAさん、ありがとうございました。色々とありましたが、シェア店舗RoCAでQUARTOをスタートできたことは間違いなく加藤麻衣の人生にとって大きな転機でした。過ごしてきた日々は財産です。
    そしてCLUB HUBlicさん、テナントに加わってくださり、RoCAに新しい風を吹かせてくれて、本当にありがとうございました。QUARTOがあることを一つのメリットと捉え、 信頼して窓口を任せてくださったことは私の誇りです。次のステージに行けるのはCLUB HUBlicさんがいてくれるからこそです。
    皆さまへの感謝も込めて、最後まで頑張りますので、よろしくお願いします!

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。きっといろいろなご意見やご指摘もあるかと思いますが、どうか今のQUARTOもその先のQUARTOも、末永くお付き合い頂けたらと思っておりますので、ご期待も頂きながら引き続きよろしくお願いいたします!

2022年12月22日 
caffè bar QUARTO
店主 加藤麻衣

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