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音楽の世界にも学歴ロンダリングはある?その費用対効果は?

 あえてクソまとめ記事みたいなタイトルにしましたw 学歴ロンダリングの概要は以下の記事にまとまっています。

学歴の話

 大学の二部や通信制というのは本来、併願の受け皿であったり働きながら勉強したい社会人のため、事情があって通えない人のためという社会的意義があります。
 しかし、「活動家」など「人前に出る」職業の人に悪用されてしまう面がある。それが、いわゆる学歴ロンダリング。選考が不透明で実現しやすい大学→大学院で東大などランクアップを狙うことが典型的ですが、大学(学部)の入り直しにも見られます。

 今回は音大での通信制の話。まずはアメリカのボストンにあるバークリー音大(Wikipedia)。元々ポピュラー音楽(クラシック以外)で有名であり、その志望なら肩書きとしては最高峰になるでしょう。

 ツイの通信「家庭」は「課程」に訂正。学費などはリンク先参照、言語の壁はあるがコスパはいい。
 余談ですが、ボイトレマニアの誤解のないよう書きます。バークリー卒(学位、リアル)でそこそこ有名な所属のトレーナーがいますが私はその人の経歴を(1年の通信課程だけだと)疑ってはいません。理由はいくつかありますが、本題ではないのでここでは触れません。

 続いて大阪芸術大学。「国立(くにたち)」、「東京」といい音大は国立っぽい私立の名前が多くて紛らわしい…。

 ツイのリンクは音楽の先生になるためにここを選んだ人の例ですが、アリだと思います。これも学費が安い。

 一般的に大学入試というのは18歳時点での学力、音大の場合は実演力が問われます。だからそのオーディションに受かったような「才能」がステータスになるわけです(ただそれを、いい歳していつまでも自慢するのはみっともないと思ってます)。
 通信課程というのは入試がない分、課題や試験など単位の認定は厳しいようです。ただ、真面目にやってればついてはいけるだろうし、リアルタイムの試験ではないため「ブレーン」がいれば楽勝なんですよね。だからロンダリングと言われてしまうし、学位であっても通信とわかれば「学歴」としては1段も2段も下に見られる。先ほどの「才能」に対していわば「養殖」で、これは仕方がないことです。
 一番悪いのは、学位のない通信課程や講習会程度でショーンKにも見られたようにプロフ上で偽装する人。これは論外で絶対にやってはいけません。

本題:音楽家にとっての学歴の意味

 前置きが長くなりましたが、ミュージシャンや指導者にこれらの学歴は効果があるのでしょうか(本末転倒なようですが、学ぶ内容の話はここではしません)。プロフに「音大卒」と書いてあるボイストレーナーは多いし、ミュージシャンでもウリになる肩書きのようです。やはり専門学校その他養成所よりは権威がある。ミュージシャンも昔より「ちゃんとしている」ことが要求されている。
 指導者、特にボイストレーナーは「ボイストレーナー」以外の名称・肩書きにこだわったりする人がいたり、やはり何かキラキラした肩書き・実績がほしい。開業してから不安になるのかもしれない。ボイストレーナーの実績は教えた人数や著書を出すくらいしか、形に見えやすいものがない。なので、投資としては悪くないのかもしれない。下手なトレーナー資格・認定を取るよりはずっと。ボイトレ団体については以下を参照。

 最初「タイトルからボロクソ叩くんだろう」と思った読者の方が多いと思いますが、向き合ってみたら違ってきました。
 この国はまだまだ学歴社会です。音楽に限らず芸術方面であっても、それは同じです。ボイストレーナーというか発声指導の場合、私は(日本の)音大をボロクソ言っていますがそれでも世間一般ではまだまだ強い。
 このへん、美容整形に近いものがあって、本当にそれで自信が得られたり不安がなくなるならやってもいいんじゃないの、というのが私の意見。人によるとはいえ、実質的に一人でフリーでやっていく不安は無視できない。

 ミュージシャンもトレーナーも実力主義です。プロフで一度食いついても、リピーターにならなければ話になりません。一般社会での履歴書、就職ほど効果はないし、ロンダリングとわかったらアンチに叩かれます(もっともそれは通常ある程度有名になってからの話)。
 しかしながら、集客効果よりも不安対策で人によっては十分な効果があると言える。そういう世界はメンタル強くないとやってられないし、そもそもどうなんだという話は置いといて。私などは肩書きゼロでやってますがネットだけの人だし稼ぐ必要性はないので、気楽なもんです。
 逆に30歳も過ぎると学歴よりも職歴・経歴が重要になる一般人よりも、「人前に出る」仕事の方が一生役に立つ・使える面がある。ミュージシャンなら多くは所属事務所があるが実質「会社名」がないし、職歴がわかりづらい。
 さらには本業以外での効果というか社会的地位。たとえば結婚相手のご両親に挨拶する時など、やはり世間一般ウケする肩書きって武器になるし信用してもらえる。元々そこそこ以上の一般大学出だったり、メジャーな音楽活動実績があれば必要ないのだが。

 まとめ。タイトルの問いの答えは、「人によっては費用対効果はいいというか、それなりにある」。
 学歴社会は人間心理が生み出したもの。社会の各所に入り組んでおり、アウトローを気取ってそう簡単に一刀両断できるものではない。…相当根深いっすよこれ。
 なんだかんだ言っても、自分の子供には手に職が付く専門学校やいい大学に行ってほしいという想いが親にはあるわけです。別にBAD ENDではないが、今回の記事はもやもやしたままで終わる。