劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』感想② 既存キャラクター編

この記事は劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のネタバレを含みます。

アスラン
迷わない悩まないアスランは強い。いや本当にマジで強い。そして面白い。本人は至って真面目なんだろうけど、やることなすこと全部がなんか面白い。令和のアスランがこんなにおもしれー男になるとは思ってなかった。超高速ズゴックで登場したかと思えば、格闘戦が得意らしいブラックナイトスコードと互角にやり合い、キラに鉄拳制裁で説教をし、ついでにシンも殴り、元彼マウントで変な空気にし、宇宙に上がってからもズゴックで出るんかいと思ってたら中からジャスティスが出てくるし、読心術にはエッチな妄想で対抗。あれは妄想なの?記憶なの?ちょっとそこだけはっきりしてくれアスラン。記憶ならプライベートな話なので詮索しないけど、妄想だとしたら今後お前を見る目が変わってしまう。もちろん面白いだけじゃなくてちゃんとかっこよかったよ、アスラン。

カガリ
泣かなくなったアスハ代表。貫禄が出てた。私も戦う!とか初っぱなから言い出さなくなった。ちゃんと為政者してた。プラントやファウンデーションの偉い人とのリモート会議中に大きく身振り手振りしたり、部下の前で机に頭叩きつけてうなだれたり、変に肩肘張らなくていいくらいには余裕が出てきたのかなぁと思いました。あとはラクスとの通信中、意図があるのかないのか分かりませんが「総裁」呼びと「ラクス」呼びの両方を使ってました。この二人がキラやアスランを挟まずに仲良くしてるの結構嬉しい。天使湯のとことか。

アスランとカガリは、キラとラクス、シンとルナほど作中で関係が進むような何かがあったわけではないけど何もなくてもふつうにラブラブでしたね。「Desteny」終了時点では一番破局に近そうだったのに。というか、カガリには国のことがあるので、自分の恋心より国を選んでもそれはそれでありだし、アスランも納得してくれるような関係なのだと思ってたんですけど、アスラン思った以上にカガリのこと好きだったというか、あいつやっぱりムッツリだったんだな。エンディングでハウメアの守り石と指輪を見せ合うシーン。画面越しじゃなくてお互いが相手の機体に向けてたけど、側面にも通信画面あるのかな。お互い見えてない状態でそうとは知らず、同じ動作をしていたならそれはそれでエモいわ。
あとはトーヤ君。その見た目からフラガ家の関係者じゃないかと言われてたカガリの後継者候補。なんの含みもないただのいい子だった。

シン
可愛い。もうすっごい可愛い。たぶんこれが本来のシン・アスカという子で、「Desteny」の頃はストレスすごかったんだろうと。キラの役に立ちたいのに信頼されてないのかと思い悩んでたり、キラの代わりに剣術勝負受けたり、それで負けて煽られて絡みにいったらキラに一括されて一瞬で背筋伸びたり、キラに「頼むよ」って言われて嬉しそうだったり。どう考えてもアスランが正しい二人の喧嘩でアスランの方を殴りにいくのは忠犬が過ぎるよ。で、流れ弾みたいに二人から殴られるし。あそこで劇場内の空気が明らかに弛んだからね。パーティでお料理モリモリ食べてるとこも、ルナとアグネスの険悪な会話に無邪気に入っていくとこも、ファウンデーションが実は裏で戦争を煽ってるからシンは反発してお辞儀をしないんだと言われてたシーンが実は単純にタイミングが分からなかっただけなとこも、ラッキースケベなとこも、ルナにいたずら仕掛けて逆に投げられるとこも、ジャスティスだから負けたとこも、もう本当全部可愛かった。こんなに可愛い子だったんだな、シン。
そして最終決戦。デスティニーという大好きな愛機と再会し、これなら負けないとニヤリするとこまでは可愛かったんだけど、そこから強いのなんの。マジでジャスティスと相性悪かったんだなって。心を読もうとしても何も考えてないから読めないし、闇堕ちさせようとしても既に闇が深すぎるから闇墜ちしない。敵が数人でシンクロ攻撃してくるなら一人で分身して戦う。いやシンつっよ。しかしあのステラはなんなの?「ステラがシンを守る…!」って出てきたとこは、シンの中でステラは生きてるんだ!ってなったのに、なんでがおーってしてるの。なんなの純愛なの?シンはもともとSEEDのオカルト要素を一人で背負ってる子ではあったけど、こうはならんやろ。あれはステラの幽霊でもシンの中のイメージでもなくて、シンが抱えてる闇を覗いた結果、ああいう風に出力されたってくらいのことだと思ってるんですけど、どうでしょう?しかしあんなものを抱えて、その死因そのもののキラの元であんな風に笑えるシン。ムウさん=ネオとも関係は良好っぽいし、一体どういう風に折り合いをつけてるのか。元々、それはそれこれはこれとちゃんと分けて人間関係構築できる子なんだろうか。だとしたらアスランは本当に嫌いというか本当に合わない相手だったんだな。「Desteny」の不遇を全て取り返す八面六臂(物理)の大活躍、個人的には今回のMVPだと思ってます。

ルナマリア
戦闘から帰ってこないシンを想ってシンの部屋で一人で泣いてたり、帰ってきたと思ったら子供みたいないたずら仕掛けてきたので往復ビンタ後強めハグと、ちゃんとシンのこと好きだった。大好きだった。あそこの「死ぬ、死ぬ」が照れ隠しにしてはどっちもマジだったのでかなりきつく絞めてたと思われる。パーティでも戦場でもシンをちんくしゃだの山猿だの妥協だの言われてだいぶ怒ってたね。あのパーティの後、一人膝を抱えてるシンを後目にシンのものと思われるベッドで愚痴ってたけど、喧嘩でもしたんですか?それとも本当に大人の深読みが必要なやつだったんですか?
戦闘面では核ミサイルを撃ち落とす活躍。狙撃苦手設定を知ってるとあのシーンちょっとフフってなる。よく当てた。偉い。二発目はまあ仕方ないとはいえ、あれで本当に罪の無いファウンデーションの国民の多くが命を落としたんだから、今は戦時でそんな余裕無いかもしれないけど、後で落ち着いたら罪悪感に苛まれて…なんてことにならないといいけど。シン、ちゃんとフォローしてやるんだぞ。そういえば核ミサイル爆発したとき水中に逃げてたけど、あれで防げるものなの?いや、宇宙空間で運用することを前提にした機体なら放射線とか大丈夫になってるのかな。

散々、傷の舐め合いだのなんだの言われたシンルナですが、ルナもシンのことちゃんと好きだったし、シンもルナのことかなり好きだった。デュートリオンビームで充電してくれるところ良かった。とはいえ、ルナの言う通りシンはその辺まだまだガキなので、ルナが憧れるような大人の恋愛はまだ難しいのかもしれないけど、でもなんやかんやでルナはそういうシンのこと可愛くて仕方ないんだろうと思います。

マリュー
かっけえ、かっけぇよ、ラミアス艦長。「ぶつけてでも落とす!」がかっこよすぎる。一生ついてく。海賊戦法得意でしょ?って言われてるけどそれも当然の実績と経歴。「荒っぽいやり方になるけど」って言われた時、「オーケーいつも通りですね」って思いました。SEED世界でも戦艦内でノーマルスーツ着るようになったんだと思ったらマリューさんとノイマンだけ着てて、何故か二人だけ透明のドームの中で指揮&操舵してた。目視の方がやりやすいとかあるのかな。危ないよな普通に。最後勝った後にブリッジに帰ってきたムウさんに飛びついて思い切りしがみついてるの可愛かった。はやく結婚して。みんなで祝わせてほしい。カズイとか含めて歴代のアークエンジェル&ミレニアムクルーで派手に祝いたい。
アークエンジェルが沈んで唯一良かったのは、元ミネルバクルーも多くいる中でタンホイザーとかのザフト艦の武装を指示するマリューさんが見れたこと。タリアさんの意志もミネルバクルーとマリューさんの中で生きてるはずだ。
アカツキ島に逃げてきたあとマリューさんが着てた服、偽名使ってオーブで暮らしてた頃に着てた服だと思うんだよね。キラも例の黒と赤のベルト服着てたし、その辺も一緒に隠しておいてくれたんだろうか。
あとはやっぱりあのお声で「コズミック・イラ…」って始まるとSEEDだなぁってなる。うん最高だよガンダムSEED。

ムウ
アークエンジェル撃沈でマリューさんを助けに来たとき、コクピット内でマリューさん横抱きにして自分のヘルメット被せてあげてるの良かった。沈むアークエンジェルを前にしての「お前らぁぁぁぁ!」がもう本当こっちの心情そのもの。その後、キラとアスランの喧嘩のシーンとかに居なかったけど、あれはなんだアカツキ取りに行ってたのかな。というかアカツキあれ反則だろう。反則っていうかインチキだよ。レクイエムってあんな風に反射させられるものだったの?不可能を可能にする男が本格的に不可能を可能にしてきた。
アウラとの謁見の時にはちゃんと着てた軍服を、その後の練兵場のシーンでは既にそで捲って着てるの笑った。シンも襟元開けてたし。アスランなんかよりよっぽどシンと仲良くしてるっぽい。
あとは「おっさん!」「おっさんじゃない!」も聞けて良かった。あれディアッカは元々別組織の所属で、むしろ当時はどこの所属でもなかったからいいけど、シンは今がっつり上官なんだからおっさん呼ばわりはダメなのでは?ザフト流かな?

ノイマン
相変わらずの大活躍。むしろお前が居てどうして沈んだ。初めて乗るであろう、しかもザフト系統で慣れていないだろうミレニアムでレクイエムを回避できるお前が居て。レクイエムってあんな感じで回避できるんだっけ?なんか範囲攻撃みたいなイメージだった。なんかドリフトもしてたな?キラがオルフェたちを煽り始めた時(だったと思う)、艦長となんか目配せしてたね。「あ、これこっち攻撃してくるな。避けたろ」ってことか?そんな不沈艦の理由の8割くらいを担ってるノイマンさん、ラミアス艦長と一緒に特等席で操舵してた。戦闘終わって通常艦橋に帰ってきたとき、みんな艦長の方ばっかり見てたけど、ノイマンさんをもっと褒めてあげるべきだと思う。本人ちょっと息吐くくらいで済ましてたけど。キラとアスランの喧嘩でキラが殴り飛ばされた時、助けにいこうとしたのか止めようとしたのか、身構えてくれてたの格好良かった。ずっと居てくれて本当に良かった。ありがとう、ノイマン。

チャンドラ
ノイマン同様アークエンジェルの古株。が、ミレニアムには乗せてもらえなかった。代わりにカガリのストライクルージュのオプション機みたいなのに乗ってた。両サイドにサイとミリアリアを引き連れて。実はノイマンとはずっと二階級差があったのに、今回一階級差まで詰めてる。何か、一人で功績上げるようなことがあったんだろうか。

マードック
思ったより登場が少なかった。アークエンジェル撃沈の時に、部下を先に逃がして最後に自分で防護扉閉める、上官の鑑。

エリカ
テスト機(という名目)で、こっそりフリーダムとインパルスとデスティニーを回収&改修してくれてた有能。一応物理法則に収まってたはずのデスティニーの分身機能を、異能力の域まで格上げした張本人。アスハ家の後ろ楯とか資金とかあるんだろうけど、恐ろしい女だよ。

アーサー
ミレニアム副長。その後、ラミアス艦長コノエ副長体制になったせいで降格。相変わらず貧乏くじを引いてる癒し枠。公式パンフで「いささか頼りない」とか言われちゃう男。なんでも驚いてくれるし、皆が思ってても余りの事実に口に出せないでいることをそのまま口に出しちゃう。見てるこっちとしては事実確認の意味もあるので大変ありがたい。

メイリン
有能オブ有能。アルテミス基地をまるごとハッキングしてたな?一人で。メイリンがいなかったらラクスを助け出せてなかった。ミレニアム奪取の時もメイリンのハッキングが大活躍。こちらはコノエ艦長たちミレニアム側も予想してた部分があったとはいえ、あの技術は野放しにしたらダメなやつ。

ディーノ
ミレニアムの格納庫の隅っこに偶にいた。アグネスの取り巻きみたいになってたけど、お前はそれでいいのか。

イザーク
20年来の推し。変わらず美人。思った以上に活躍して嬉しい限り。デュエルとバスターが出てくるとこまではちょっとだけ期待してたけど、まさかミーティアを背負ってくれるとは。見覚えある構図でミーティアドッキングしてた。しかもブリッツの武装?名前がデュエルブリッツ?反応からいってイザークが望んだ改修ではないみたいだけど、デュエルにブリッツの武器付けたらいい感じじゃね?って最初に提案した人にボーナスあげて欲しい。たしかにバランスというか相性はいいと思う。ストライクルージュも出たし、初期GATシリーズはイージス以外全機出演か。いや、イージスも頭だけ出たか。あれ回収しなくていいんだろうか。

ディアッカ
こちらも予想以上の大活躍。そんなにバスター好きだったんだな。まあ思い出の機体、愛着はあるか。私の耳と目と記憶が正しければ、ミーティアをルナに渡してたけど、ルナとディアッカは面識あるんだっけ?ホーク姉妹は二人ともディアッカに憧れてたとかって話は聞いてたけど。他カプが軒並みいい感じに決着を付けたなか、こいつとミリアリアは一体どうなったんだ。割と私は復縁して末永く仲良くして欲しいんだけどな。

死んだ仲間の恨みを忘れたか、と復讐のためのクーデターを起こした国防委員長に、忘れてないからこそこんなことはもうやめなければいけない、とその企みを潰す二人。これはコンパスではなくザフトに残っている二人だからより重みのある言葉ですね。出番こそ遅かったものの、おいしいとこもらったものだ。ミーティアパージして、昔の姿に近くなったデュエルとバスターがミレニアム助けてくれる絵最高だったな。あそこの相手、ナスカ級だった?多分。モビルスーツに比べて戦艦の世代交代はゆっくりなんですね。アガメムノン級も出てましたね。好きなんだよね、「目標、アガメムノンッ級」って言い方。

ヒルダ
コズミック・イラの黒い三連星を率いる姐さん。今回遂に二人の仲間を失う。が、しっかり仇をとってくれた姐さん。助けたシンに胸を触られても怒らない姐さん。触るっていうか、もう揉んでたよね、あれ。にも関わらず、そのあとアカツキ島で最初マリューさんの隣に座ってたのに、シンが来たあとはシンに席を譲ってあげてた姐さん。かっけえわ。SEEDの女性はかっけえのよ。ちなみにパンフ他では少佐になってるけど、作中ではルナマリアに大尉って呼ばれてるのはなんなんだ。胸章も少佐っぽいんだけど。

マーズとヘルベルト
黒い三連星の二人。撤退支援中にブラックナイツに敗北。戦死。余りにもあっさり。お祭り映画だからあんまり主要キャラは死なせたくない。でもネームドキャラが全然死なないというのもちょっと…みたいなのの犠牲になった気がしないでもない。でもあの二人が頑張ってくれたからアークエンジェルクルーが皆逃げられたのも確か。ここまでありがとう。仇は姐さんがとってくれた。

ミリアリアとサイ、そしてカズイ
ミリアリアは台詞有りで登場。軍服だったので軍属なのかな。カガリが乗るストライクルージュの支援機みたいなのに、サイとチャンドラと一緒に搭乗。胸章しか見なかったんですが、尉官だったと思います。
サイは台詞無し。でもまさか出るとは思ってなかったので嬉しい誤算。最初はスーツ姿でカガリの執務室にいたので文官なのかと思いましたが、その後軍服姿で戦場へ。あれは軍属ということなのか、あるいは現実の政治家が非常時に作業着羽織るみたいなものなのか。胸章が緑一本だったので、士長から曹長までのいずれかと思われます。
一カットだけ出たカズイ。オルフェの演説を聞くオーブ市民に混じってました。結構大きく出てたのでこれは気づいた人多そう。周りの反応が気になって退艦の時もかなり迷っていたカズイがちゃんと一般人してるの、ちょっとホッとしました。うしろめたさみたいなものは、もう無くなったのかな。

バルトフェルド
今作、20年来のSEEDファンなら皆見て!と言いたいところだけど、アンディのファンにだけはそんな無邪気に勧められない。台詞無しの上にサイより出演時間が短く、カズイより出演面積が小さい。バクゥ出てきたから注意して見てたけど、あれが無かったら気付けなかったかもしれない。何故だ、エターナルに居るべきはエザリアさんより貴方でしょう。次の活躍お待ちしてます!ダコスタ君も多分居た。居た、という話を聞いたので気を付けて見てたけど、多分あれがそうだと思う。

感想その③新キャラクター編に続く

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?