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2023年10月22日(日)

10月21日の夢。

遺跡色の夢。
白っぽいクリーム色から茶色のコントラスト。
肌の黒い子供がひとり、
ワシの羽根の装飾と、白と赤と黒の顔料を顔に塗って
果てしなく青い湖の前で遠くを見ている。

その横で茶色い風に靡く服を着た
小さい人がくるくる回っている。
何かの種みたい。
種が風邪に煽られる様子に似ている。
彼らは風の踊りを踊っているのだそうだ。

インディアンを彷彿とさせる
酋長のようなさっきの子供が言った。
ここには子供しかいない。
 
真っ青すぎるこの湖には
風が吹くたび波が立つ。
風が吹くたびくるくる回る小さい人は、
今でも飛んでいきそうに踊っている。
 
《まだ根がふかいのさ》
 
インディアンの長は言った。
 
見回すと、種の踊りの子供が無数にいる。
ふとひとつの種が茶色の服を脱ぎすて、
白い水鳥の羽をもっそり首元に巻きつけた。
 
次の風で種は飛んだ。
空で足をしまった。
 
向こう側から白い鳥の群れが
何かを啄んでこちらへやってくる。
 
それが何かと見ていたら、
周りが白い綿毛だらけになった。
 
酋長の子供は歌いながら、
お腹を抱えてわらうような踊りを始めた。
 
《この土地は眠るんだ》
 
真っ青な湖はごうんごうん大きな渦になり
遺跡色を沈めた。
 
酋長は巨大な七色の尾鰭を見せながら笑った。
 
《石は何にでもなれる》
《夢はどこにでも続く》
《火がつけば世界が終わる》
 
《世界が終われば、新しい世界が生まれる》
 
《生まれたとたんに死ぬものも多い》
《生死は我々には細かすぎてわからない》
 
《火種は飛んでいった》
《風が運ぶんだ》
 
底なしの水の中のような
青い真空の秘密の部屋のような
声だけがする
 
私は誰だ
 

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