「ファイナルファンタジーXI」の「アドゥリンミッション」について私が書いてきたこと

気持ちが薄れないうちに、書いてきたことをまとめておきたい。


2024/02/24

「ファイナルファンタジー11」のストーリーに関しては(その全てを私はまだ体験したわけではないが)、「アドゥリンミッション」と「過去バストゥーク連続クエスト」を私は本当に勧めたい。また、「魔晶石ミッション」にも本物の感動がある。

「アドゥリンミッション」では、2回「地震」が起こるのが強く印象に残った。その揺れは「本物」のように控えめで妙にリアリティーを感じさせるものだった。それはやはり東日本大震災の記憶からだろうと察せられた。そしてすぐに調べたら、「アドゥリンの魔境」が出たのは2013年3月のことだった。

そしてその「アドゥリンミッション」で起きた2回の「地震」は、「なんで起きたのかわからない」のだった。思い返しても、ストーリーにおける必然性がわからない。しかし、それはそのようなものとして意図して描かれたのだろうとも察せられた。

2024/02/26

「ドラえもんのび太の宇宙開拓史」(1981年)の「ギラーミン」と同様のことが、「ファイナルファンタジー11」の「アドゥリンミッション」の終盤であった。「あの撃つ奴」が最終的に殺されないことになった。それでやはりギラーミンも殺されなかったんだな、という確信もいつの間にか生じていた。

「アドゥリンミッション」を私がクリアしたのが、ついこないだの2月13日のことであった。(それは奇しくもタチアナ・タラソワの誕生日であったことに、さっき気づいた。)その翌日の2月14日から、私はこれらのことを一気に書き進めることになった。

「アドゥリンミッション」の物語の主人公であるアシェラがもっている剣(「オーダーサイン」)は、その「大きくないこと」が印象的であった。姫の体格でも無理なく扱うことができる。それは「ファイナルファンタジー7」のクラウドなどの、あの剣の馬鹿でかさのナンセンスからはきっぱりと離れている。

そのサイズの合っていることが、彼女が王家の者であることに正しく対応している。

「くねくね」のことを思い出している。20年ほど前に私は「2ちゃんねる」のオカルト板を好んで見ていた「住人」だったから、そこで流行するようになっていた「くねくね」についての怖い話を知っていた。その話の要点は、「くねくね」を見ると気が狂う(原文では「知的障害」)、というものであった。

「くねくね」という名は「骨がない」ことを指し示していると思われる。それがこの日本語のオノマトペから常識的に類推される。そしてそれは「法」がなくて「慣例」のみによって動くことを言っている気がする。それによって「狂う」ことへの恐怖が20年前のあの頃に日本でリアルに感じられていたから。

「アドゥリンミッション」にも、全く良くない部分はあった。終盤あたりの「龍」が出てくる場面では一貫して、キャラクターたちの言葉や動きに生き生きした感じがなくて、「駒」として配置されているだけの感じ。そこの部分だけ別の無能な奴が作っていると感じた(「プロマシアミッション」のように)。

2024/03/04

「卒業式」というキーワードが思い浮かんだのが、2月13日に「アドゥリンミッション」のエンディングを目前にしていた時だった。あの魅力的なキャラクターたちと別れるのが名残惜しくなり、「卒業式に臨む」という気分になっていた。今までこのゲームで感じたことがなかった特別な感情が生じていた。

13分半ほども続いた一連のエンディングのシーンが終わって、「元の場所」に戻り、「通常のBGM」が流れ始めた瞬間に、「ドラマが終わってしまった」ことを感じ、ものすごく寂しい気分になった。このような感情を覚えたことは、「ファイナルファンタジー」シリーズ全体を通して、今までになかった。

「アドゥリンミッション」の魅力的なキャラクターたちとは、主人公である「アシェラ」だけでなく、「テオドール」や「オーグスト」などである。テオドールはストーリーのわりと序盤から登場する。その言葉や表情、動きに、私はすぐに特別な魅力を感じた。「天野喜孝的なもの」がそこに感じられたから。

オーグストはストーリーの終盤にようやく、ごく短い間だけ登場する。彼は「王」である。その姿を目にした時、やはり作り手たちはこういうのを作りたかったんだな、それがようやくできたんだな、と私は確信し、感激した。それをわれわれ伝統的な「ファイナルファンタジー」ファンたちも待ち望んでいた。

「ファイナルファンタジー11」が出た2002年には、まだそういうのを作ることができなかった。しかし、それから11年も経ってようやく、「アドゥリンの魔境」で、待ち望まれていた何かが一つの完成形として現れることができた。それを端的に示すのが「テオドール」と「オーグスト」の姿であった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?