この動画に記録されているタチアナ・タラソワの言葉。Googleドキュメントを利用したロシア語からの文字起こし。そして私による日本語訳。

このYouTube動画の0:59あたりからタチアナ・タラソワが話しているロシア語の音声を、私は今まで部分的にしか聞き取ることができなかった。しかし、Googleドキュメントを利用してパソコン上で動画の音声を文字に起こすことができることを知った。そのおかげで、非常に正確なものと思われる文字起こしが得られた。

それで自動的に生成されたのが、以下のロシア語のテキストである。

Найди в себе силы наше лечение только здесь только здесь где мы что-то из себя представляем Где мы можем дарить людям Это счастье и тепло об этом мечтала твоя мать она обожала как ты катаешься когда ты катаешь

最後の動詞の語尾に付いているべき「ся」が欠けていること以外は、完全に正確な文字起こしであると思われる。これに私が手を加え、形を整えて、次のようになった。

Найди в себе силы. Наше лечение только здесь, только здесь, где мы что-то из себя представляем, где мы можем дарить людям, это счастье и тепло. Об этом мечтала твоя мать. Она обожала как ты катаешься, когда ты катаешься.

(私による日本語訳)
自らのうちに強さを見つけなさい。私たちの癒しは、ここでだけです。ここでだけ。そこで私たちは自らのうちから何かをあらわす。そこで私たちは人々に贈ることができる。それは幸せと暖かさです。それをあなたの母は夢見ていた。彼女は、あなたがスケートするときにあなたがスケートするさまを熱愛していた。

ここで私が特別に注目するのは、обожалаという動詞をタチアナ・タラソワが用いていることである。ここでは「熱愛していた」と訳したが、このобожатьという動詞は、「神」を意味するбог(ボーフ)から来ている。

研究社露和辞典を見ると、第一の意味は「〘旧〙神格化する、神としてあがめる」である。ただし、「〘旧〙」だから廃語、すなわち、今ではあまり用いられない、廃れた用法である。

そして第二の意味が「熱愛する、崇拝する、あこがれる」で、第三の意味が俗語で「大好きである」となっている。つまり、これらの意味が現代の一般的な用法である。

ただし、この動詞が「神」を意味するбогの「響き」をもっているということの「ニュアンス」を感じる必要があると思う。その「本来の意味」が現代的な意味にもひそかに反映されているだろうこと、その「残光」がその背後におぼろげに残っていることを感じ取るべきだと思う。

ロシア語で「愛している」を意味する一般的な動詞であるлюбилаではなく、обожалаとタチアナ・タラソワが言っていることが特別だと思う。

また、この言葉から、タチアナ・タラソワがものを二重に見ている人であることは明らかである。

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