インドで突如帰国便がなくなった話(2005年)

2005年現在、日本からインドへの直行便が出ているのは、JALとエア・インディアの2社のみ。
私はJALのマイルを貯めているので、多少高くてもJALを利用したかった。
しかし9月下旬の航空運賃は、JAL=約22万円、AI=約8万円。
背に腹は代えられない。
トラブルが多いことでは噂に名高いエアインディア。
どんなトラブルが待っているのかしら、と多少の期待も抱きつつ、
迷うことなくエアインディアに決めた。

さて初エアインディア。
成田空港ではじめてその姿を見てみれば、機体の窓の縁取りがかわいい。
離陸が30分遅れはしたけど、そんなことはほかの会社でもよくあること。
乗り込んでみれば、マスコットキャラのターバン巻いてるおじさんもかわいい。
さっそくエアインディアが好きになる。
他社に比べると機内設備はしょぼいけど、
機内食メニューとイヤホンが入ってたジップバッグがかわいかったのでいただいてきた
(このジップバッグは、旅行中折り畳み傘を収納するのに非常に役に立った)。
乗り込むと緊急時の避難方法のビデオが始まるが、
日本語、英語、ヒンディ語でまったく同じ映像を3回も見せられ効率悪いことこの上ない。
座席ごとにテレビなんて勿論あるわけもなく、
前方に引き出し式のスクリーンがひとつ。はっきり言って見にくい。
ミュージックチャンネルは12くらいあったのに、うち10がインド音楽だった。
きっとそれぞれ違いはあったのだろうけど、全部同じに聞こえる。
上映した映画も、ハリウッドものかと思うと
途中でインド映画のミュージカルシーンになったりして、謎のまま。
そして日本発着便なのに、日本語を話せるフライトアテンダントがいない。
さらに、着陸が近づいてもアライバルカードを配ってくれない
(それどころかムンバイ空港でも品切れてて30分ほど待たされる)
……などとあれこれマイナスポイントを挙げてはみたけど、
どれも予想よりは全然ましで、むしろインドっぽくておもしろいなと思った。


機内食は成田~デリー、デリー~ムンバイの2回。
初回は和食orベジorノンベジだったけど、インドに着いたら
ベジorノンベジに変わった。
せっかくなのでベジ、ノンベジ両方食べてみる。
どちらもすごくおいしいわけではないけど、すごくまずくもない。
ただ、JALとかで出る微妙な和食よりはずっと好き。
今回は選ばせてもらえたけど、スチュワーデスさんによっては、
有無を言わさず適当な方を置いてくことも多いようだ。
*私にしてみたら、
 今日はたまたま野菜の入ってないカレーを食べてみた、
 という感覚しかないけど、インド人にとっては
 ベジタリアンかそうでないかはけっこう大きな違いみたい。
 宗教上の問題でなく、女性に対して
 「ぼくはベジじゃないから強いんだ」というアピールになるらしく、
 何度か自信満々に主張された。そんなこと言われてもねえ。
 やっぱり、肉食べないと力出ないものなのかな。
デザートに絶対にヨーグルトがつくのもインドらしい。
日本を発ったときはふつうに加糖のヨーグルトだったのが、
インド国内線に入ると無糖になるのもおもしろい。
インド人にとって、ヨーグルトはおやつではないんだな。

第二の難関、リコンファーム。
電話はいつ番号が変わるか分からないし、
つながらないことの方が多いので
到着時空港で済ませることを薦められたけど、
まんまと忘れたのでムンバイ本社まで出向いた。
入り口はセキュリティチェックが厳しい。
そこを抜けてだだっ広いグランドフロアを突っ切り、
オフィスは1stフロア。あのビル、かなり土地余ってる。
Token(整理券)をもらってカウンターへ。待つことおよそ30分。
私の番が来た時、BGMで「ゴッドファーザー」のテーマが流れ出す。
職員のおばちゃんは鼻歌交じりでリコンファーム作業。
隣の人に「この映画見たことある?」とか話しかけててあまり捗らない。
途中おばちゃんの携帯が鳴ったら、着メロが「ゴッドファーザー」だった。
あー、好きなのね。
手続き自体はスムーズに済んだけど、何かあったときのために
緊急連絡先を聞かれ、3時間前には空港に行けと言われる。
チェックインは通常2時間前だし旅行中の連絡先なんて不定なのが当たり前。
でもトラブルの多い航空会社だとは知ってたので、
そんなこともあるのかもとこの時は思った。
ところが、連絡先としてレンタルしてる海外用携帯を出したら却下された。
あの電話はイギリスの会社のものなので、
私にコールする時はインド国内でも国際電話としてかけなければならない。
だから番号はインドのものと違うけど、ちゃんと国内でも使えるんですよ
……ということを説明しきれなかったので、負け負けな気もちで
既にチェックアウトしたシャトー・ウィンザー・ホテルの電話番号を書いてきた。
最終的に何かは大アリだったのだが、
果たしてホテルに連絡があったのかが気になるところだ。

そして迎えた帰国当日。
私を襲った最後のビッグプロブレムについては、
9月24&25日の日記をコピペしときます。

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●9月24日「インドは最後までやってくれた 」
ほんとならこの時間もう飛行機に乗ってるはずでした。
エアインディア、最後までやってくれたよ。
ムンバイ発デリー経由成田行きの、ムンバイ~デリー間が突如欠航になりました。
少し早めに空港着いたから、チェックインは何時から出来るのか聞いてみたら、
何度聞いても同じ日の関空行きの時間のことしか教えてくれない。
最初は私の語学力のせいでわからないだけかと思ったら、
成田行きなど無くなっていたらしく、職員の間でも大騒ぎに。
あの、面倒で面倒で面倒だったリコンファーム(ムンバイ本社まで直接行った。
リコンファームだけで1時間はかかった)はいったいなんだったんだ。
3時間前に空港来いとか、なんかあったときのために
インド滞在中の連絡先まで聞かれたんだよ。
連絡なんて来てねーよ。
しかも今日の朝トラブルがあって飛ばなくなったらしいのですが、
聞いても原因教えてくれないし。
結局、3時間後に出発する関空行きに混ぜてもらえることになりました。
ムンバイ~デリー~香港~関空~羽田という、
ちょっと気の遠くなるようなロングトリップです。
何回機内食、食わされるんだっつー話だ。
最初は香港でユナイテッドに乗り換えてくれって言われたので、
空港だけとはいえ香港で降りられることになってちょっとわくわくしてたんですが、
エアインディアで関空まで行っちゃうことになりました。
そっから羽田まではJAL。
まあ羽田なのは助かるかな。
2時に空港着いたのに、出発は8時半。
知り合いになった大学生の子達にご飯おごったりしても
まだ時間あるのでネットしてます。
幸い空港のネットカフェは日本語打てた。
出発まであと1時間半。今度こそ順調に飛びますように!

●9月25日「無事帰国」
昨日あれからムンバイ空港をほぼ定刻どおりに出発し、
各空港で何分かずつ遅れながらも、なんとか本日13時過ぎに関空までたどり着けました。
さて、ここからが戦いです。
エア・インディア職員の言うことには、
関空~羽田はどの便が取れるか分からないので自分で手配してくれとのこと。
それもひどい話だけど、もっとひどかったのは
JALに何の連絡もいってなかったことでした。。。
私の差し出した手書きのエアチケット(フライトNo.がブランクになってる
超うさんくさいやつ)を見たJALカウンターのお姉さんも困惑。
「申し訳ないんですが、本日羽田行きはすべて満席なんです」
なんですとー!?
でも、そこはさすがJAL。
「でもそれじゃあんまりひどすぎますよね。空席待ちの優先順位を出すので、
番号呼ばれるまでお待ちください」
と、本来ならJALワールドプレミア会員にしか出さない
カテゴリーAの空席待ち整理券を発行してくれました。
そうよね、これがサービスってもんよね。
私たちもなんだかはずかしくなっちゃって、
「すみません、エア・インディアがご迷惑おかけして…」
と、なぜかあいつらの代わりに謝罪。
おかげさまで無事、一番早い便に乗せてもらえることになりました。
搭乗案内板に「台風の影響で関西空港か名古屋空港に引き返す可能性があります」と
書かれてたので、もうほんとお願いそれだけは勘弁してって祈りつつ乗り込み、
50分後何のトラブルもなく羽田に着陸した時には、
JALのフライトのあまりのスムーズさに、一緒にいた大学生と二人で感動したりして。
私ここ3年くらいJALしか乗ってなかったので、ちょっと贅沢になってたみたい。

エア・インディア、すごいすごいとは聞いていたけど、あんなにすごいとは・・・
でもね、その大学生とも話してたんだけど、
私たち、次インド行く時もきっとエア・インディア使うだろうなー
やっぱり安さには代えられないし、なんだかんだ言って
ああいういい加減な国に惹かれてしまったのは自分なんだよね。
トラブルあったって、実はあんまり腹は立ってない。
だってやっぱりインド大好きだ!
そんな思いを新たにした旅の終わりでございました。

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おさらいしてみよう。
JAL=約22万円、AI=約8万円……うん、仕方ない。
いろいろあったけど、やっぱりインドに行くならエアインディアだよね!

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