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インパクトのある訪日遊学
コロナ禍が明けてから、もともと盛んだった中国からの「遊学ツアー」が今、再び活発になっている。ぼくがこれまで講師として何回も招かれていたから、みなさんの情熱と期待を感じることができる。日本のメディアから見ると、遊学ツアーの意義は「爆買い」と比較すれば、それほど面白くないかもしれないが、実際のところ、その実情がわかりづらいというのも事実のようだ。
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遊学ツアーのメンバーたちは、ほとんどが企業経営者で、その多くは日本を複数回訪れた経験がある。一般的な人気観光地もすでに訪問済み、美しい風景のほかに、記憶に残るものが何か欠けているかのように思われる。無論、人によって異なる問題だ。
NHKの関連番組から、中国の遊学ツアーを撮影することができるかどうか尋ねられたこともあった。そのことでみなさんから丁重な断りを受けた。今考えてみると、これは関連する有名企業や文化人を探し求めるときに、番組からの確立されたアプローチがなければ、いくつかの質問を事前に準備したと言われても、相手の応答範囲と完全に一致することは、まずない。とりわけイデオロギーに関する「共同知」について議論する際には、しばしば思想の火花が飛び交うから、ぼく個人としては、最も興味を持っている部分だが。
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共同知を獲得するための経路に従って進むと、準備の作業も事前の読書や予習などを含め、いわばみなさんを既知の塀の中に閉じ込めてしまうことになるから、いい方法ではない。その代わりに、遊学ツアーの前提が白紙であれば、人や出来事に出会ったときに多彩な姿が現れ、予期せぬ内容がある場合にこそ、それは間違いなく飛躍する起点に変わる。
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仏教の教えだけではなく座禅も、だいたい同じパターン。春くれば、草おのずから生ず。すべてを語ることはできないが、語ることができないわけではない。人の心を直接指す悟りというものは、日常の出来事から生まれることが多く、速い人も遅い人もいる。それは程度の差にすぎない。
遊学ツアーには過度な知識の準備は必要ない。高速で情報を伝達する必要もない。共同知に関する内容は、現代のテクノロジーの世界ではますます簡単になっている。ましてやインターネット検索に加え、AIの進歩もあり、スマートフォン一つあれば、何でもできるようになっている。
日本を理解することは、どちらかというとわれわれ自身の知恵を豊かにするためだ。地域を原点とし、相手の文化に直接触れ、相手の人と向き合い、さまざまなお考えを吸収し、真の異文化の交差点に入り込まなければならない。
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