いじめにどう対処するか

面接官「あなたはいじめにどのように対処しますか?」


 まずは、いじめを対処することの1番の目的を忘れないことが大切だと思います。その目的は、「全ての児童生徒が安心して学校生活を送り、様々な活動に取り組めることができるようにすること」です。親からのクレームを避けることでも、自分のプライドを守るためでもありません。この目的を意識して対応することで子供が安心して学校に通えるようになれば、結果として親も安心できるようになるのではないでしょうか。
   目的を念頭に置いた上で、いじめの対処には次の三つのことが大切だと思います。1つは大小をっ問わずに、いじめを「いじめ」と認知することです。そもそもいじめとは、現在の文部科学省の定義では、「一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことによる精神的な苦痛を感じているもの」となっており、かつての、「一方的」、「継続的」、「深刻」という文言のあったいじめの定義から拡大されたものになっています。この定義に則り、いじめを認知することで、いじめへの早期対応が可能になります。「いじめ」を認知したした場合は、大小問わず、しっかり事実確認を行い、対策組織への報告や親への連絡を怠らないことが重要です。その後で、いじめの深刻度合いによって、子供たち同士の解決を促すか、先生が介入をするか、警察へ連絡するか、柔軟に決めていくことになります。
       2つめは、いじめを許容しない雰囲気を作るということです。いじめは、被害者や加害者だけが原因で起こるのではなく、所属集団の構造上の問題、「観衆」としてもてはやす存在、暗黙の了解を与えている「傍観者」がいることなど、周りの環境要因も大きく関わっています。いじめを当事者だけの問題と捉えずに、周りの存在にも注意を向け、いじめが置きにくい環境を作り上げていくことが必要です。
      3つめは、大人自身が、いじめの対策をしっかりと固めていることです。大人社会でも、パワハラやセクハラといった社会問題がいじめと同じ地平で起こります。そして大人の振るまいが子供にも影響するので、大人自身がいじめに対抗する術を持っておくことが重要です。例を挙げると、周りに相談する、記録を取る、攻撃してきた相手の意図をしっかり理解する、いざとなったら賠償請求をする手立てを知っておくことなどです。
      まとめると、まずはいじめを防止する1番の目的を絶えず意識した上で、いじめの認知、いじめを許さない環境作り、大人自身がいじめに対抗する術を持つことの三つが重要だと考えます。


*この記事は、教師になるための面接で、いじめについて聞かれたときに答える場合を想定して書かれています。

参考:文部科学省 「いじめの定義」

「い じ め の 認 知 に つ い て
~ 先 生 方 一 人 一 人 が も う 一 度 確 認 し て く だ さ い 。 ~」

「いじめの防止等のための基本的な方針」




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