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韓国コスメからみえる「韓国ブランド」 ~最近韓国コスメブランドの日本参入が多い訳~

はじめまして。とうみや まお と申します。

自己紹介noteでもお話ししましたが、
トライバルメディアハウスというマーケティング支援の会社に入社して、
まだ一か月も経っていない新卒社会人です。


▼自己紹介note


第1投稿目となる今回は
「韓国コスメからみえる「韓国ブランド」戦略
~最近韓国コスメブランドの日本参入が多い訳~」
をテーマとしてお話させていただきます!

簡潔に経緯をお話しすると、私つい最近まで典型的な文系大学生をしておりました。流行り物には敏感で、美容系やファッション系のインフルエンサーを見て外見にお金を費やしてきました。

私が最近、美容業界で感じる変化は
「韓国コスメの日本参入が明らかに増えている!」ということです。

では、どうしてこんなにも韓国コスメが流行るんだろうか、、

ちなみに、私自身韓国には3度旅行したことがあります。
(旅行というより買い物をしに行ったという感覚)
3回とも、自分はバイヤーなのか?と勘違いしそうなほど大量の化粧品や洋服を購入し、毎回10万円以上散財していました、、、
ヘッダー画像は前回韓国に行った際の購入品の一部です。

そんな韓国大好きな私がなぜ韓国コスメが流行るのかを考え、たどり着いた仮説はこちらです。

韓国アイドルブーム
×
インフルエンサーの登場
×
一般人内でのクチコミの広がり

日本の若者のなかで「韓国ブランド」が出来上がっている!

↑ 上の方程式にある「韓国ブランド」とは、、、

「韓国ブランド」

韓国のものであることが一種のブランドであり、
日本に参入した韓国の化粧品は
とりあえず一定のラインまでは売れること。

というわけで、韓国コスメが日本で流行る原因が
日本の若者内で「韓国ブランド」が確立されていること
という仮説を立てて、
1.「韓国ブランド」ができた背景
2.「韓国ブランド」を持つコスメの戦略(仮説)
の順に大きく二つに分けてお話していきたいと思います。

1.「韓国ブランド」ができた背景

ここでは、「韓国ブランド」ができた背景
   ①美容大国「韓国」
   ②「韓国」アイドルブーム
   ③インフルエンサーの登場
   ④一般人が作り出した参入障壁の低さ
の4項目に分けてお話します。

①美容大国「韓国」

そもそも韓国は美容大国と言われていますよね。韓国は他国と比べて容姿が重視される社会です。
そのため、高度な整形技術や質のいい化粧品が生まれ美容大国と言われるようになりました。

韓国は美容大国だという認識は多くの人が持っているのではないかと考えます。


②韓国アイドルブーム

日本では何度か韓国ブームが巻き起こっていますね。
今も韓国ブームが到来していますが、今回は今までとは違うという点を説明していきます。

韓国

第1次は置いておくこととして、第2次と第3次の違いは
アイドルのグループ内に日本人メンバーがいるかどうかです。
(TWICEのメンバー9人の内、3人が日本人)

第2次の時期に韓国アイドルに憧れた少女たちが韓国に渡り、練習の年月を重ねデビューしたことで第3次の韓国ブームが巻き起こったのです。
日本人メンバーがいることで親近感が沸き、異国の地で頑張る日本人を応援したい気持ちがブームにつながったと考えます。
2018年には日×韓のアイドルオーディション番組があり、
「IZ*ONE」という日韓アイドルグループが誕生しました。

第2次ブームの時は韓国人は手に届かない存在と感じていた人も、今回はアイドルグループのメンバーに日本人がいます。「自分もこうなりたい!」と憧れを抱く人が多いのではないでしょうか。
韓国アイドルに憧れる若者は、顔を近づけるために韓国風の化粧方法を学び、アイドルが使っている韓国コスメを購入します。

つまり、韓国アイドルブームは「韓国ブランド」が形成された一つの要因と考えられます。


③インフルエンサーの登場

Instagramでインフルエンサーと呼ばれる存在が誕生し始めたのは
2016年頃です。簡単に歴史を振り返ってみます。
(グローバルの数値になります。)

インスタ歴史

インフルエンサーが登場したことで「インスタ映え」という概念が生まれました。「インスタ映え」が流行語大賞になったのは2017年です。

インフルエンサーはインスタ映えする写真を投稿します。
そのインフルエンサー内の競争の中で韓国のものが徐々に増えていった感覚があります。

また、インフルエンサーは製品紹介することも多いので、
「韓国の○○、韓国の△△で買った○○」といった響きが定着したとも考えられます。インフルエンサーでなくとも、友達にそのような響きで紹介していることもありますね。
 
インフルエンサーの登場も「韓国ブランド」ができた要因
として考えられるのではないでしょうか。

④一般人が作り出した参入障壁の低さ

突然ですが飛行機のお話をします。日本のLCC3社が就航した2012年は「LCC元年」と呼ばれています。
つまり、流行を作る若者が、格安で韓国に渡航できるようになった年です。
「少女時代」が全盛期を少し抜けたくらいの時期にLCCが誕生しています。

下記リンクを見ていただくと、今もなお韓国へと渡る若者が増加していると分かります。
日韓関係が冷え込んでも…増える訪韓日本人、若い女性に勢い

年齢別にみると、最も多かったのが21~30歳で、43.5%増の7万5150人。41~50歳(3万3255人、9.5%増)、51~60歳(2万9288人、14.2%増)、31~40歳(2万9004人、14.5%増)と続いた。最も伸び率が高かったのが0~20歳(2万6804人、55.4%増)で、30歳までの比較若い層で韓国に行く人が増えていることが分かる。

韓国旅行に行く一般人(若者)が増加したことで、韓国コスメブランドは
日本に参入する前に一般人によってクチコミが広げられます。

「未上陸のもの」と自慢していたらいつの間にか日本に参入してきているという現象が起こっているのです。

クチコミのおかげで日本コスメ市場に「韓国ブランド」が確立していると考えられます。



2.「韓国ブランド」を持つコスメの戦略(仮説)

ここからは、韓国アイドルブーム × インフルエンサーの登場 × 一般人内でのクチコミの広がり という背景から導き出された
「韓国ブランド」の戦略について
   ①韓国化粧品の3段階のゴール設定
   ②マーケティングの5P
   ③心理的な計画的陳腐化
   ④本当に品質が良い製品たち
の4項目に分けて説明していきます。

①韓国化粧品の3段階のゴール設定
 (買ってもらうことだけがゴールではない)

スライド1

韓国には、体験をメインにした化粧品店が存在します。
インスタ映えする背景で写真を取ってInstagramに上げてもらうだけで、
製品を使ってないのに認知が拡大するという仕組みです。


最近問題になっている「Instagramに載せるために試着室で写真を撮り、
結局商品を購入しない」という若者。

このような若者を迷惑ととらえるか、もはやフォトスポットを作って認知拡大に貢献してもらうか。韓国と日本の大きな違いなのではないでしょうか。

韓国は1,2,3 のどの段階であっても、消費者が行き着けば大成功という世界が広がっているような気がします。

②マーケティングの5P

まずマーケティングの4Pとは、マーケティング戦略に必要な構成要素のことを言います。
製品政策(product)、価格政策(price)、広告・販促政策(promo-tion)、チャネル政策(place)の4つをあわせて4Pと呼びます。
 
それではマーケティングの5Pとは何なのか。
マーケティングの4P+パッケージ(package)のことです。

↓ 詳しくはこちらをご覧ください


韓国コスメの企業は構成要素として、5つ目のPであるパッケージを取り入れていると考えます。

若者に人気が出そうなインスタ映えするパッケージやデザイン。
最近では、流行りのファッションのカラーにも合わせて作られているのではと思わせるようなおしゃれかつシンプルなデザインです。


③心理的な計画的陳腐化

②でお話ししましたが、P(パッケージ)を戦略に取り入れることで
消費者がコスメを購入するタイミングが変わったのではないでしょうか。

「使い切る→購入」ではなく
「旬の化粧品をインスタに載せたい→購入」という変化です。

新しい商品が出るたびにインスタに載せたくて購入するという流れを、5つ目のPで作り出しています。

これはつまり計画的陳腐化の一種で、その中でも心理的なものだと考えます。

「心理的な計画的陳腐化」を簡単に説明すると、すでに持っている製品に飽きを生じさせるような、もう魅力がないと感じさせるような戦略です。
新商品を次々と出すことで、新しいものに敏感な若者たちに購入を促していると言えます。

④本当に品質が良い製品

ここまでを読むと、日本の若者に「韓国ブランド」が浸透していることで
韓国のものは良い製品に見えてしまう
というように伝わってしまうかもしれません。

しかし、
韓国の化粧品は実際に品質が良いという面で人気があるのも事実です。

@cosmeクチコミランキングを参考にさせていただきます。

https://www.cosme.net/ranking

ファンデーション(その他ファンデーション)の項目を見ると、
3位、7位、8位、9位に韓国のブランドがランクインしています。

3位 JUNG SAEMMOOL 「エッセンシャルスキンヌーダークッション」
7位 MISSHA(ミシャ) 「M クッション ファンデーション(プロカバー)」
8位 CLIO 「キル カバー ファンウェア クッション エックスピー」
9位 MISSHA(ミシャ) 「M クッション ファンデーション(モイスチャー)」
(更新日:2020/4/17 集計期間:2020/1/16~2020/4/15)

この項目では、クッションファンデーションという画期的なもの自体が
韓国で開発されたことも影響としてありそうです。


アイシャドウ項目では7位に韓国のブランドがランクイン。

7位 CLIO 「プロ アイ パレット」
(更新日:2020/4/17 集計期間:2020/1/16~2020/4/15)

リップ項目では6位に。

6位 rom&nd 「ジューシーラスティングティント」
(更新日:2020/4/17 集計期間:2020/1/16~2020/4/15)

このように、日本のコスメ市場に参入してきているだけではなく、ランキングに載るほどに人気が出る、品質が良い製品を開発していることが分かります。


3.まとめ

今回は私が感じていた、日本の若者に浸透する「韓国ブランド」について背景とその戦略をまとめさせていただきました。

「韓国ブランド」の戦略、私は完全にはまっています。笑 フォトスポットで写真を撮ったことも、パケ買いしたことも、それをインスタに載せたこともあります。

でもなんだか「戦略にまんまとはまった」と言うよりは「満足」な気分になるのは、コスメを買うときの目的が消費だけではないからなのでしょうか。
消費にとどまらない使い方を見せてくれる韓国コスメの戦略は、日本にはまだ浸透していない戦略なのかなと感じます。

これから、「韓国ブランド」も通用しなくなるくらい韓国コスメが日本に参入してくるのかもしれません。その時は、また違った視点で変化をnoteにまとめたいと思います。
 
最後まで読んでくださりありがとうございました。



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