マガジンのカバー画像

ベンチのあるまち

3
感じのいいまちには、必ず素敵なベンチがあります。ヨーロッパ各国で見つけた「ベンチのあるまち」を写真たっぷりで紹介していきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

10代の青春には、語り合える場所が必要だ 「ベンチのあるまち」フランス編③

前回紹介したまちニームは歴史が古く、ローマ時代の円形闘技場や神殿がいまでも町中に残っています。 こちらは「メゾン・カレ」という神殿。世界遺産にも登録されています。 よく見ると、人々が腰かけています。 上に登ってもこの通り、いくつかのグループが座り込んで話し込んでいます。どうやらこの世界遺産は、たむろす場所になっているよう。 お菓子を食べながらおしゃべりに興じる10代と思われる女子たち。こういう時間、私も若い頃に過ごしてたなぁ、と思い出しました。 好きな子のこと、友達との

ニーム駅前の並木道にはベンチとテーブル 「ベンチのあるまち」フランス編②

フランス南部に位置する人口14万人ほどのまち、ニーム。 ここはデニムの発祥地で、デニムという名前はフランス語で「ニーム産」を意味する「de Nîmes(デ・ニーム)」が由来です。 「ニーム駅」は、TGVという日本でいう新幹線のような高速列車が停まるため、人の行き来が盛ん。このニーム駅からまっすぐに伸びる大きな並木道「Av. Feuchères(フュシェール通り)」のベンチがいいんです。 通りは320mほど。片側に水路がありベンチやテーブルが並びます。 両サイドが花壇になっ

誰もが解放されるニースの海岸線 「ベンチのあるまち」フランス編①

南仏の地中海沿いには「紺碧の海岸」という意味の「コートダジュール(Côte d'Azur)」と呼ばれる一帯があり、その海の美しさや温暖な気候、明るい雰囲気に惹かれ、世界中から観光客が訪れます。 コートダジュールを代表するまちが、ニースです。ピカソやマティスなど20世紀の芸術家たちが、創作の地にしたまちでもあります。 ニースの名所と言えば、「プロムナード・デ・ザングレ(イギリス人の遊歩道)」という海岸線。18世紀後半にイギリス人がニースで冬を過ごすようになり、この遊歩道の計