マガジンのカバー画像

南仏プロヴァンスの旅

28
2020年6月から2021年11月まで、南仏プロヴァンスに住んでいたときの旅ブログ。 オンラインサロン「Like! Provence」にて連載。
運営しているクリエイター

2024年7月の記事一覧

プロヴァンスワインを買いに、シャトーへ行こう!

フランスワインといえば、ほとんどの人はボルドーやブルゴーニュを思い浮かべますが、プロヴァンスも有名なワインの生産地です。車を走らせていると、至るところにぶどう畑やシャトーを見かけます。 実は、プロヴァンスはフランス国内で最も早くブドウ栽培が始まった場所です。紀元前 600 年頃に古代ギリシャ人がブドウを持ち込んで、紀元前200年頃には、定住していたローマ人がブドウを栽培していたと言われています。 プロヴァンスワインといえば、フレッシュなロゼ 現在プロヴァンス地方で生産さ

ワインだけじゃない、シャトーの楽しさ

前回は、ワインを買いにシャトーへ行きましたが、シャトーはワインづくりだけでなく、レストランやホテルを運営しているところも多く、広大な庭や古い建築を楽しめるので、ただ食事したり泊まったりする以上の体験ができます。 また、野外コンサートなどのイベントを開催することもあります。 シャトーは観光客にとっても地元の人にとっても特別な場所。今回は、ブロヴァンス在住のマダムたちに連れていってもらったシャトーをご紹介します。 18世紀から続くシャトーで、木陰ランチ 18世紀からあるとい

デニムの発祥地「ニーム」のまちなかはローマ遺跡だらけ

まちなかにローマ遺跡が点在 ニームは「フランスのローマ」といわれるほど、たくさんのローマ遺跡があります。 古代ローマ時代、前回紹介したポン・デュ・ガ-ルを通り、ユゼスから水を引いていたまちです。 また、ニームは「デニム」生地の発祥地でもあります。 今回は写真を多めに使ってニーム散策の様子を紹介します! TGVも停まるニーム駅を降りると、まっすぐな並木道「Avenue Feuchères」がのびています。道の脇には用水路があり、市民が憩うベンチやテーブルが並んでいます。

旧石器時代から続く山村「セーニョン」で、特別な岩に登る

プロヴァンスの山間には、可愛らしい村がいくつもあります。人口1000人程度のセーニョンもそのひとつ。 セーニョンに人が住み始めたのは遥か昔、中期旧石器時代(20万年〜3万5千年前)だとか。ネアンデルタール人とかクロマニヨン人の時代です。外敵から隠れやすい地形だったようです。 天文台になったり、城になったり 村の北側にある高さ約30メートルの岩「Le Rocher de Bellevue」は、「美しい眺めの岩」という意味。天文台として使われたほか、信号を送る場所だっただろ

2000年前にローマ人が建設した水道橋「ポン・デュ・ガール」

ニーム近郊オクシタニー地方にあるポン・デュ・ガール(Pont du Gard)は、ガール川にかかる巨大な水道橋です。 この水道橋は、古代ローマ時代の紀元前19年から5年かけて建設されたそうです ※年代については諸説あり。 当時、人口が増えて水不足になったローマの都市ネマウスス(現ニーム)へ、50km離れた水源地ユゼスから水を引くためにつくられた導水路の一部です。 ポン・デュ・ガールは約600年間、飲料水を運ぶために使われていました。 水道橋の上はどうなっているの? ポン

ラベンダー畑へ:③ソーエリア編

真正ラベンダーとラバンジンひとくちにラベンダーといっても、いくつも種類があるのをご存知ですか? スパイクラベンダーとかイングリッシュラベンダーとか、調べるといろいろあるのですが、プロヴァンスのラベンダーを見に行くにあたって、代表的な2種類「真正ラベンダー」と「ラバンジン」を押さえておくと良いと思います。 一言でいうと真正ラベンダーはラベンダーの原種、ラバンジンが亜種です。 【真正ラベンダー(Lavande fine)】 ラベンダーのなかで最も高品質とされています。標高60