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南仏プロヴァンスの旅

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2020年6月から2021年11月まで、南仏プロヴァンスに住んでいたときの旅ブログ。 オンラインサロン「Like! Provence」にて連載。
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2022年8月の記事一覧

コルビュジエとアイリーンの作品群「キャップ・モデルヌ」見学

ル・コルビュジエの休暇小屋 モナコよりも少しイタリア寄りにある岬「カップ・マルタン」には、近代建築の貴重な作品群があります。 「キャップ・モデルヌ(Cap Moderne)」と名付けられたその一帯は保護されていて、ガイドつきツアーでのみ見学できます。 ル・コルビュジエはス言わずと知れた近代建築の巨匠です。 近代建築の5原則(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、自由な立面、水平連続窓)を提唱したり「ドミノシステム」という建築方法を発案したりしました。 コルビジェよって、建築はこれ

「マルセイユ」旧市街編:聖母マリア信仰

2600年の歴史がある港街マルセイユはフランスでパリに次いで2番目に大きい都市。 港があり、活気に溢れ、日本でいうと大阪に近いかもしれません。 さらにマルセイユはフランス最古の都市でもあります。紀元前600年にギリシアのフォカイア人が港を開いて建設した「マッサリア」が始まりといわれています。古くから交易が盛んで、移民の多い国際都市です。 ちなみに、フランスの国歌は『マルセイユの歌(ラ・マルセイエーズ La Marseillaise)』という題名なんですよ。 丘の上のやさ

夏を彩る、街中の演奏会

街中に音楽ありエクス・アン・プロヴァンスに住んでいると、生演奏を聴く機会がたくさんあります。 例えばある夏の夕方、街の目抜き通りであるミラボー通りを歩いていたら、中世の王族ルネ・ダンジュー像の前に設営されていたステージで、ピアノの演奏が始まりました。 ほかにも、毎週マーケットが開催される通りや、バカンスシーズンで賑わっている広場などで、どこからともなく流しの奏者が現れ、人々の時間にBGMをつけてくれます。 それからエクスでは、毎年7月にヨーロッパ有数の音楽祭「エクス・アン

「サン・トロペ」前編:ブリジット・バルドーが愛した港町

小悪魔なブリジット・バルドー60年代に一世を風靡したブリジット・バルドーをご存じですか? パリ出身の女優でありモデル、歌手でもある彼女は、そのセクシーかつ野生的な魅力で人々を虜にしました。 「ヨーロッパのマリリンモンロー」と称されるセックスシンボルです。 ブリジット・バルドーを一躍有名にした映画が、1956年に制作された「素直な悪女」、原題「Et Dieu… créa la femme(そして神は…女を創造された)」です。 漁村のサン・トロペを舞台に、ブリジット・バルドー

「サン・トロペ」後編:セレブの街をそぞろ歩き

ここはセレブの街サン・トロペ。 エルメス、シャネル、グッチ、ヴィトン・・・歩いているとハイブランドのブティックが次々と目に飛び込んできます。 ふいに目の前にオープンカーが止まり、モデルのようにきれいな女性が男性にエスコートされ、颯爽とブティックへと入っていきました。 ディオールのレストランでランチレストランが併設されたディオールを発見しました。 メニューを見ると、3つ星レストランほど高くないし、カジュアルな雰囲気だったので、話題づくりに入ってみることに。 アジアンテイスト

歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日

イエール(Hyères)は、地中海に飛び出ている半島があるまちで、「黄金の島々」と呼ばれる3つの島を有しています。 まちに7000本のヤシの木が植わっていることから、イエール=レ=パルミエ(Hyères-les-Palmiers、ヤシの木のイエール)とも呼ばれています。 中世に形成された、要人たちの保養地イエールの歴史は古く、紀元前からギリシャ人たちが定住していたといいます。 中世には商業や貿易、貴族の影響によってまちが形成され、11世紀には城が築かれています。イエールの

ヨーロッパで最も美しいビーチがある「ポルクロル島」

日本人がいない穴場の島 ポルクロル島(Il de Porquerolles)は、<歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日>で紹介したイエールから、船で約20分のところにある島です。 イエールにはポルクロル島、ポール・クロ島、ルヴァン島の3つの島があり、ポルクロル島はイエールから最も近くて、大きくて、人気のある島。春から秋にかけてのシーズン中はたくさんの観光客が訪れます。 私は8月に日帰りで行きましたが、日本人はおろか東洋人を一人も見かけませんでした。ヨーロッパ