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南仏プロヴァンスの旅

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2020年6月から2021年11月まで、南仏プロヴァンスに住んでいたときの旅ブログ。 オンラインサロン「Like! Provence」にて連載。
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2022年4月の記事一覧

岩山の小さな村「ムスティエ・サント・マリー」の陶器

ムスティエ焼きで知られる小さな村ムスティエ・サント・マリーは、プロヴァンスの山岳地帯にある人口700人程度の村です。 この辺りは、切り立った岩山とその間を流れる清流の、迫力ある景勝が広がっています。ムスティエ・サント・マリーも遠くから見ると、断崖絶壁を背負っているのがわかります。 ムスティエ・サント・マリーは車かバスでしかアクセスできませんが、人気の高い観光地で「フランスの最も美しい村」にも登録されています。 人気が高い理由のひとつは「ムスティエ焼き」という高級陶器の生

画家セザンヌのアトリエと「サント・ヴィクトワール山」

セザンヌってどんな画家? 私が住んでいた街エクス・アン・プロヴァンス通称エクスは、画家ポール・セザンヌ(1839〜1906 年)の故郷であり、創作の地でした。 セザンヌは「近代絵画の父」と呼ばれるほど、美術史にとってなくてはならない存在。 今回は、エクスにあるセザンヌのアトリエを訪れます。 セザンヌはエクスの裕福な家庭で生まれ育ち、20代前半に画家を志してパリに出ます。 最初は、モネやルノワールなど、自然の光を美しく描く「印象派」 の一員として活動していました が、やがて独

モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエの「ユニテ・ダビタシオン」

コルビュジエ理想の集合住宅 マルセイユで、ル・コルビュジエが設計した「ユニテ・ダビタシオン」に泊まりました! コルビジェはモダニズム建築の巨匠。 近代建築の5原則(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、自由な立面、水平連続窓)を提唱しました。 「ユニテ・ダビタシオン」は、コルビュジエが設計した理想の集合住宅です。ヨーロッパにいくつかあり、マルセイユにあるものが最も有名です。 1945~1952年に建てられた8階建て全337戸。今も人が暮らしていますが、一部ホテルになっています

ローマ教皇のおひざ元だった「アヴィニョン」

あの歌の橋は途中で終わっていた! アヴィニョンのまちことは知らなくても、「アヴィニョンの橋の上で」という童謡は聞いたことがあるという人、多いのではないでしょうか。私もそうでした。 歌に出てくる「アヴィニョンの橋」です。 スイスを源流に地中海まで続いているローヌ川にかかっています。 あれ? なんかおかしい・・・と思いますよね。そうなんです、橋が途切れているんです。 橋の正式名は「サン・ベネゼ橋」。 橋の名前になっているベネゼという羊飼いが、天使から「橋をかけなさい」とお

赤い色をした村「ルシヨン」のオークル

プロヴァンスの西側、広大なぶどう畑を見下ろす丘の上に「ルシヨン」はあります。 村全体が赤いのが、ルシヨンの大きな特徴です。南仏の濃い青空によく映える! ルシヨンは面積28㎢程度の小さな村ですが、その色彩の美しさに多くの観光客が訪れます。 人口2000人未満で保護遺産があるなどの基準で選ばれる「フランスの最も美しい村」にも認定されています。 ルシヨンにある建物はすべて赤い色をしています。 しかしよーく見ると、一軒一軒色味が微妙に違います。 ピンク色に近かかったり、黄色っぽか

ミモザ!ミモザ! ミモザ! 南仏の春の訪れ

冬のマルシェに並ぶミモザ プロヴァンスというと温暖なイメージがありますが、冬は東京と同じくらい寒いです。街を歩くマダムたちも、ブーツにジーンズ、ダウンジャケットを着込んでバッチリ防寒します。 そんな真冬から春先にかけて、プロヴァンスの花屋にはミモザがたくさん並びます。とくにマルシェでは新鮮なミモザの花束が3〜5ユーロ(1ユーロ約130円)と、安く売っています。 ミモザの正式名はアカシアといいます。ギンヨウアカシアやフサアカシアなど、黄色いフサフサの花が咲くマメ科アカシア属

ゴッホが描いた「アルル」では、ローマ遺跡が現役だった

アルルは小さいまちなので歩くだけなら一日あれば十分ですが、見所が多く何度も訪れたいこところです。 古代ローマ時代を物語る「円形闘技場」アルルは紀元前6世紀頃にギリシア人が開拓した後、紀元前1世紀にローマの植民地となりました。アルルは地中海へ続くローヌ川沿いに位置しているため、ローマ人は運河を建設し、アルルを地中海交易の要所としました。 そうしてアルルは「小ローマ」と言われるほど繁栄します。 現在、その形跡であるローマ時代の遺跡がいくつもあり、それらは世界遺産に登録されてい

幻想的な湿地帯「カマルグ」を白馬に乗って歩く

独特な地形の湿地帯カマルグは、ヨーロッパ最大規模の湿地帯です。 グラン・ローヌ川とプティ・ローヌ川、地中海に囲まれた3角のエリアで、カマルグ地域自然公園にあります。ローヌ川が何千年にもわたって運んだ土砂が土壌となり、独特の景色が広がっています。 地図で見ると、湖や池が点々としていて、いまにも地中海に沈みそう(沈みません)。海の側の塩田は、ほんのりピンク色。フランスで唯一の水田もあります。 フラミンゴをはじめ数百種類の野鳥、黒牛、白い馬など、カマルグならではの生き物が生息して

マルセイユ港編:魚市場とブイヤベース

活気に溢れる魚市場19世紀まで貿易の中心地として栄えていたというマルセイユの旧港。 そこにある「ベルジュ河岸(quai des Berges)」では、毎日午前中に魚市場がたちます。 カモメが空中を旋回する下で威勢のいい掛け声が飛び交い、活気に溢れています。 魚市場の後ろは海! 漁師たちが船と陸をまたいで行き来しています。 見慣れない深海魚からマグロまで、その場で魚を捌いています。ワイルド! 親子でしょうか、くわえタバコがサマになってますね。 かなり高齢の方も、買い物に

おしゃれな港町「カシ」の広大な景色

プロヴァンスに住んでいる友人知人におすすめの観光地を聞くと、よく「カシ」という答えが返ってきます。カシはマルセイユから南東へ約30kmのところにある、小さな港町です。 「カランク(入り江)」巡りの出発点マルセイユとカシの間には「カランク」という約20kmの入江があります。このカランクを巡るハイキングやクルージングが人気だというので、立ち寄っても。カシはカランク巡りの出発地点です。 景勝ポイント「カランク・ド・ポール・ミュウ(Calanque de Port-MiouCal