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スーパーボウル2021話題になったCM集 キーワードはノスタルジー?

全米一のTVイベントと言われるスーパーボウル(Super Bowl)。コロナ禍を乗り越え先週日曜日に開催されました。試合の勝敗と同様、毎年話題になるのがそこでオンエアされるCMたち。30秒のCMスポット1回の放映料は世界最高の560万ドル(約6億!)とも言われ、各社気合いの入った新作を投入してきます。その中から話題になったものをご紹介。

スーパーボウルCMの定番と言えば、ビール。バドワイザーなどのブランドを持つアンハイザー・ブッシュの"Let's Grab a Beer"。日本語で言えば、「飲み行こう」とでも言えるような、この気軽な言葉が使えなくなったコロナ禍の今だからこそ、より心に響きます。
昭和の大作詞家、阿久悠は「流行っているものは描かない。それによって消えていくものを描く」とその作家哲学を語りましたが、そんな言葉を思い出させる、たった1年のことなのになぜか郷愁を感じてしまうCMです。

もう一本アンハイザー・ブッシュから、バドライトの"Bud Light Lengends"。これまでオンエアしてきたスーパーボウルCMに登場した懐かしの主人公たちが結集、ピンチを救います。
ここ最近登場したポスト・マローンやバドナイト(必ず最後に死ぬのがオチ)、傑作と言われたReal Man of Geniusを歌ったサバイバーのボーカルDave Bickler、エンターテイナー・セドリック(彼が登場したのは2001年)など、スーパーボウルCMファンには感涙モノのまさにバドライト版アベンジャーズといった感じ。

古き良き時代のザ・スーパーボウルCMといった体のスナック菓子ドリトス3Dの"Flat Matthew"。最近あまり見かけなくなった俳優マシュー・マコノヒーが自らを"little flat"(存在感がなくなっていると薄っぺらくなったのダブルミーニング)と登場。タレントの自虐もスーパーボウルCMの定番。そして、商品特性でストーリーにオチをつけるところも。
とてもよく出来てますが、何だか懐かしい感じがしてこちらにもノスタルジーを感じてしまいました。ディレクターのクレジットは、なんと映画『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルになってますが、ホントかな?

こちらもとてもスーパーボウルらしいCM、キャデラックの "ScissorHandsFree"。大ヒット映画『シザーハンズ』のその後が舞台。ジョニーデップ演じたエドワードの息子エドガー(演じるのは、若手実力派のティモシー・シャラメ)は、やはり両手がハサミの悩みを抱え生きている。そして、その母親を当時の役柄のままウィノナ・ライダーが演じているものスゴい。こちらも商品訴求とオチが.. まずはご覧を。
ヒット映画をフリに使ったスーパーボウルCMの傑作と言えば、VWの"The Force"を思い出しますね。

総じて、ここ数年多かったダイバーシティやインクルージョンをテーマにしたCMは控えめで、一時代前のエンタメ精神旺盛なものが目立った印象を受けました。現実であまりに深刻なことが起こり過ぎていて、スーパーボウル位はあの良かった時代に戻りたいみたいな雰囲気があったのでしょうか?
さて、あなたのベストはどれでしたか?

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