あなたが嗤ったその容姿は、あなたが形作ったものなのだけれど

あなたにとって、「普通」の容姿はどんなものですか?
あなたは、容姿をもとに他人を嘲笑したことがありますか?

匿名なのでこんなことを書きます。
リアルの私に心当たりがある方は、そっとしておいてください。
あくまで私の経験をもとにしたエントリーで、主観も大いに含まれています。
しかし、確実にこのような人間も存在しているのです。それは心に留めて下さい。

私は過食症で抜毛症で異食症(私の場合は氷、爪、毛髪が対象)です。
ストレスが原因だろうと言われました。
中学1年生の秋に初めてこれらが発症してから、10年を超えてこの症状と付き合っています。
過食のせいで体重がかなり増え、抜毛のせいで頭髪量は減り、異食(爪)のせいで年中深爪です。

容姿で人を判断する人は決して少なくありません。
過体重の人に「デブ」、頭髪量が少ない人に「ハゲ」、このような言葉を吐き、嘲笑する人がいます。「ハゲ」を隠そうと鬘を着用すると、鬘をつけているという事実を笑う人がいます。年齢や性別は関係なく、同級生/同僚、親戚、家族など、近い関係であっても、寧ろ近しい関係だからこそ、このような言葉を投げる人もいます。

私自身、「デブ」「ハゲ」と言われ、加えて私の場合は異食という「奇行」をするせいで「気持ち悪い」と言われ、笑われていました。
このことが、自分にとってストレスになり、更に過食・抜毛・異食の症状が悪化していきました。
過食も抜毛も異食も、自分では良くないことだと分かっていて、普通ではないこと、ある意味で異常であることだとわかっていて、辞めたいと思っていました。
それでも行為を辞められず、場合によっては無意識的にこれをして、ふと我に返った瞬間、自己嫌悪に陥り、更にストレスが溜まる。
ストレス→行為・容姿の変化→嘲笑される→ストレス→行為→自己嫌悪→ストレス……
このような悪循環がひたすらに続きます。
他人の言葉が原因で、過食や抜毛、異食の症状が悪化するのです。

あなたにとって、その容姿が「普通」ではなくても、それを馬鹿にして、笑ってもいい理由にはなりえません。
軽率に、容姿を嘲笑しうる言葉を吐かないでください。

あなたが「デブ」「ハゲ」「気持ち悪い」と思うその容姿が、あなたが嘲笑したその容姿が、全て当人の不摂生や自己管理不足が原因だと思い込まないでください。
過食症や抜毛症、その他疾患や、病気治療の副作用など、自己管理の範疇を超えた原因だということもあります。

何の気無しに、容姿を嘲笑する言葉を投げつけないでください。
そのせいで病気になる人、病気の症状が悪化する人がいます。

誰一人として他人の容姿を嘲笑することがなければ、ここまで気に病むことも無いのでしょうか。

最後に、抜毛や異食は一見すると「奇行」かしれませんが、一種の疾患です。「奇行」と一口で片付けないで下さい。原因が、きっかけが、どこかにあります。悪化もしやすい、辞めたくても、癖付いてしまって辞めにくい、そんな疾患です。
少しでも知識を持つ人が増えて、嘲笑う人が減れば良いな。

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