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#38 再び装飾音・嘉瀬の奴踊り/新しい三味線大会/アドリブ・トラブル「ましろのおと」9・10話 【津軽三味線・練習記録】

嘉瀬の奴踊りを弾きました!

楽譜も作ってみました。

文化譜/TAB


この曲は上役にいじめられていた主人を思い、

奴(家来)・徳助が主人を慰めるために踊り歌ったとか。

歌詞が「誠実な者は恵まれず、狡猾なものがはびこるのは残念なことだ。

この世の中は逆さまだ」みたいな内容らしい。

300年経っても人は変わらん!


参考にしたのは佐藤壽治さんの演奏。

前に聞いたことがあって興味があった曲。

それにしても、音が気持ちいい。

0:14のタッタタッターと後バチ・前バチを繰り返す

リズムの感じとか前バチのパチッっとした音とか聞いてて気持ちいい。


0:09とかジャジャジャーンと捨てバチのあとに毎回、

2の糸でさりげなく装飾音でハジキを入れてますね。

前に鯵ヶ沢甚句の時にも書いたけど、

ほんと目で動き見てないと気付きにくい音。

あと、0:19の9のツボを押さえっぱなしにせず、

ハジキまではいかないけど、軽く指を離して微かに音を出してる。

音を切るためにやってるのかもしれないけど。

楽譜には佐藤さんが装飾音のハジキを入れてる箇所に

「↓」の目印をつけてます。


どういう意図で入れるのか考えてみたけど、

独特なリズムのノリを出すとか、

表情豊かにするとか、そういう事なのかな。

装飾音を入れずにも弾いてみたけど、

やっぱり装飾音を入れてた方が勢いがでるというか、

間も埋まるし弾きやすかった。


佐藤さんの演奏はテンポはゆっくりだけど重厚で、

しっかりと一発一発、皮を叩く音が鳴っていてカッコいい!

息子さんの佐藤領哉君も三味線をやっていて

2019年の世界三味線大会個人B級を優勝しています。

やっぱ演奏がすごい似てる!


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7月10日に新しく「津軽三味線全国大会 from Home」

という大会が開かれるらしい!

今までの大会と違う点

・出場できるのがたったの16人

・審査員が17人もいる

阿部金三郎、石井秀弦、伊藤一弘、小田島徳旺、小山貢、神谷茂良、
工藤武、小島伸陽、佐々木勝弘、澤田勝成、渋谷和生、高橋竹童、
土生みさお、藤井黎元、松田隆行、森川弘彩、山中信人

めちゃくちゃ豪華なメンバー!

トーナメント制でエンタメを重視した大会みたい、

Zoom上で行われて、Youtubeで生配信されます。

楽しみ!


ただ、こういう大会に対して文句つける人っているじゃないですか。

先月の世界大会の時にちょっとコメント欄が荒れてたみたいだけど、

漫才の大会の「M-1」とかでも同じような文句が言われるんですよね。

「お笑いに順位をつけるな!」「審査がおかしい!」みたいな。


でも、出てる人達は順位をつけて欲しくて出てるし、

審査してる人達も頼まれて審査してるし、

見てる人も楽しみたくて見てるし、

その人達に文句言ってもしょうがないと思うんですよね、

じゃあ出なきゃいいし、見なきゃいいって話で。

話題になればその業界にとっては良い事だと思うんだけどなぁ。


・・・と文句を言ってる人に文句を言ってる自分も同じか。

自分の事は棚に上げないと、偉そうな事って言えないな!

けど、大会の文句を言ってる人の根底にあるのは

「応援してる人が優勝できなくて悲しい!」とか

「審査員に認めてもらえなくて寂しい!」

みたいな事じゃないかと思うんですけどね。


とにかく僕は大会を見るのが楽しみ。


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ましろのおと9・10話見ました!

こちらも大会の話。


9話は雪たち梅園学園の合奏。

雷が途中、長唄三味線の「大薩摩」という曲の

フレーズを入れて雪がアドリブで合わせてました。

アドリブできる人の頭の中はどうなってるんだ!

何回かやってみたけど、スケールなぞるだけになっちゃう。


それにしても長唄のフレーズって津軽と全然違う。

長唄は細かくて音数が多いんですよね。

1:30、2:04が雷の弾いてたフレーズ。

あと長唄って基本、掛け合いのフレーズをいれる感じで、

2本以上、三味線が無いと弾けない曲が多い気がする、

詳しくないから分からんが。

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大会の結果が出て、順位について文句言うのは、

アニメでも現実でもお決まりだな!


10話は個人戦の始まり。

もう1回、「荒川トゥイン」を聞けてうれしい。

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今回、劇中の演奏を担当していたのは、

若手奏者の大塚晴也君と田中風真君。

去年のびわ湖大会・日本一部門1、2位の二人、

そして二人とも「津軽三味線集団 疾風」のメンバーです。

幅広く色んな世代の人が劇中の演奏を担当してるなぁー。


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最後、梶貴臣の演奏中に糸が切れるトラブル。

糸が切れるシーンは嫌なんだよなぁ。。。

実際の大会の動画でも糸が切れたり、駒が壊れたり、皮がやぶれたりする

シーンを見たことあるけど、「何で大会当日に!?」と、

こっちもなんかツラく感じる。


でも、ちゃんと別のフレーズで最後まで弾ききる人もいるから凄いです。

事前に糸が切れた時に弾くフレーズとかも

用意して練習してたりするのかな。

それともとっさにアドリブで弾いてるのか。

もし自分が人前で演奏して糸が切れたら、

「すいません」って言って途中で止めてしまうな。


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青森の甘い赤飯ってどんな味なんだろ、ちょっと食べてみたい。