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El choclo

エル・チョクロといえば、「とうもろこし」という意味ですが、歌詞は全くトウモロコシとは関係ありません。歌詞も何パターンかありますが、こちらのディセポロ版が一番メジャーかな。ここでTú(おまえ)と語りかけている相手は、Tangoのこと。タンゴの誕生から黄金時代を迎え、タンゴが華やかだった時代に書かれたこの詩は、大海に漕ぎだしたタンゴの成功を喜びを込めて語っているようにも感じます。
さて、この写真はブエノス・アイレス中心部の南端にあるアルシーナ橋。歌詞に出てくるPuente Alsinaです。パリでペルノー酒(アブサン酒)を飲みながらグラスの中で、こいつが浮かんじゃったってことかなーと想像しています。

さて、紹介する歌は、Tita Merelloが出演して歌うこの映画から...
https://youtu.be/I3PKtEjNtP4

そして、なぁんと、美空ひばりが歌うこちら。でも歌詞は別バージョンです。
https://youtu.be/b8R6EBLZL78

El choclo 

           Tango 1947
 Música: Ángel Villoldo
 Letra: Enrique Santos Discepolo / Juan Carlos Marambio Catán 

Con este tango que es burlón y compadrito

se ató dos alas la ambición de mi suburbio;

con este tango nació el tango, y como un grito

salió del sórdido barrial buscando el cielo;

conjuro extraño de un amor hecho cadencia

que abrió caminos sin más ley que la esperanza,

mezcla de rabia, de dolor, de fe, de ausencia

llorando en la inocencia de un ritmo juguetón.

Por tu milagro de notas agoreras

nacieron, sin pensarlo, las paicas y las grelas,

luna en los charcos, canyengue en las caderas

y un ansia fiera en la manera de querer...


Al evocarte, tango querido,

siento que tiemblan las baldosas de un bailongo

y oigo el rezongo de mi pasado...

Hoy, que no tengo más a mi madre,

siento que llega en punta 'e pie para besarme

cuando tu canto nace al son de un bandoneón.


Carancanfunfa se hizo al mar con tu bandera

y en un pernó mezcló a París con Puente Alsina.

Fuiste compadre del gavión y de la mina

y hasta comadre del bacán y la pebeta.

Por vos shusheta, cana, reo y mishiadura

se hicieron voces al nacer con tu destino..

¡Misa de faldas, querosén, tajo y cuchillo,

que ardió en los conventillos 
y ardió en mi corazón!

エル・チョクロ

ひょうきんでカッコつけたがり屋のこのタンゴと
私の場末の野望に2枚の翼が結びつけられた;
このタンゴでタンゴが生まれ、そして呻くように
青空を探し求めて、汚いぬかるみから飛び立った;
愛のおかしな呪文が旋律になり
希望だけを頼りに、道を切り開いた。
怒りと苦悩と信念と欠落が混ざり合い、
泣きながら無邪気にふざけたリズムに乗っているのさ。

おまえの妖しい調べの奇跡で
思いもよらずに生まれてきた愛人や女たち
水溜りに映る月、腰を揺するカンジェンゲ
そして愛することへの凄まじい欲望…

おまえを呼び起こすと、愛しいタンゴよ、
踊り場の敷石たちが震えるのを感じるよ
すると私はね、
貧しかったあの頃の愚痴を聞くはめになる…
今はもう、母さんはいないけど、
忍び足で私に近づいて、キスをしてくると感じるよ
バンドネオンの音色に合わせて、
おまえの歌が生れるときにね。

カランカンフンファは、タンゴを旗印にして海を渡り、そして、ペルノ酒の中でパリとアルシナ橋を結びつけた。
おまえは、女ったらしや娼婦らの兄貴分で、
金持ちオヤジや娘っ子の姉貴分でもあった。
おまえのせいで、キザ男、お巡り、罪人、貧乏がおまえの運命とともに産声をあげた…
¡女たちを集めて、灯油、刃傷にナイフ、
長屋を熱くして、私の心を燃え上がらせた!

(思ったよりもルンファルドの解釈がいろいろありすぎて、アドバイスを受けるたびに修正を重ねているこの歌...さて、どう歌うかの正解はないけれど、「今」の自分の解釈を上書きして、歌っていくしかないかな。また、それも楽しみとして。)

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