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「自分なりの視点」を追求することの難しさに直面

先週の日曜日はラグビートップリーグ、今日は男子バスケットボールBリーグのファイナル取材だった。まだ火曜日が残っている。しっかり優勝チームを見届けたい。

3年前から卓球、昨年からラグビーと女子サッカーの取材を始める

私はスポーツ取材を始めて、もうじき9年半。年齢から考えればかなり遅いスタートだと思う。取材を始めた年は大阪に住んでいて、ちょうど今頃はバスケットbjリーグファイナルズ取材のため、わざわざ深夜バスで東京の有明コロシアムに向かっていた。当時は京都ハンナリーズを中心に追いかけていたので、思いも強くすごく高揚感もあった。

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いわゆる決戦の地に乗り込んでいくような心境で、当時は朝9時からメディア受付だったため、早朝5時に東京八重洲へ到着し、東京メトロ有楽町線とゆりかもめを乗り継いで、有明コロシアムに向かった。取材を始めて間もないせいもあって、緊張していた。現地に着くと、会場の雰囲気にも圧倒され、何も言えない瞬間だった。そんな高揚感を楽しみに、毎年この時期は特別な気持ちを持っていた。

あれから9シーズン。昨年からのコロナ禍で生活様式が一変し、私自身もスポーツ取材に対する考え方が変わってきた。コロナ禍まではバスケットボールの魅力をどうやって届けるべきか、様々な角度から考える毎日だったが、仕事が減ったこともあり、考え方の一新に迫られる。

バスケットボールだけではダメだと考え、様々なスポーツの取材をするようになった。その第1弾がコロナ禍前だけど、Tリーグ誕生をきっかけに始めた卓球。自分自身、中学校時代にやっていたこともあって、飛びつきやすい種目でもあった。現在、約30年ぶりにラケットを握って、プレイヤーとしての練習に励んでいる。

そして、昨年から新たに取り入れたのが、ラグビーと女子サッカー。女子サッカーは今年9月から開幕するWEリーグの取材。特に何か当てがあったわけではないが、今年から始まる新リーグであり、相模原にチームがあることから「とにかく行ってみよう」ということで取材することにした。こちらは現在プレシーズンゲーム中で、まだまだこれからといった具合だ。

もう一つのラグビーは、昨年秋の関東大学ラグビーを皮切りに取材を始めるようになり、今年2月に開幕した最後のトップリーグにも、行ける限り取材した。そしておかげさまで、先週の「サントリーVS.パナソニック」の決勝戦を取材させていただき、世界レベルのラグビーを体感させて頂いた。世界最強のスタンドオフ、ボーデン・バレットをパナソニックが自由にさせないラグビーは見事である。ラグビーの知識はまだまだであるが、これからはラグビーを自分なりにどう伝えていくか、もっと深く追求していきたいと考えている。

bjリーグ時代から9シーズン目のBリーグファイナル取材は極めて冷静過ぎた

そして、今年もこの季節がやってきた。Bリーグは昨年、コロナ禍の影響でシーズンが途中で打ち切りとなり、ファイナルも中止となったため、今年は2年ぶりの開催。ここまでの流れであれば「やっぱりこれが無いと」なんて思うわけだが、今回は良い意味で高揚感が無く、極めて冷静に会場入りすることができた。

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これをどう取るべきなのかがわからないけど、他のスポーツ取材を経験したせいか、バスケットボールを冷静に傍観している証拠なのかもしれない。しかも、ファイナルに勝ち上がった宇都宮ブレックス、千葉ジェッツ、両方ともホーム、アウェイ通してファイナルが今季初取材だったのだ。不思議な感覚である。

冷静になり過ぎているためか、どこに着眼点を置いて伝えれば良いのかがイマイチ見えないのである。これまでなら、自分なりの視点が存在し、そこにフォーカスできたのだが、今回は自分なりの視点が自分なりではなく、ありきたりなものに過ぎなくなっているのだ。

「自分なりの視点」とは?

これはラグビーや女子サッカーでも言えることだが、まだ「自分なりの視点」ができあがっていないのである。「自分なりの視点」とは何だろうか。展開の局面が大きく変わる場面から掘り下げて、選手やコーチの声を交えながらお届けできていた。しかし、今年に入ってからそこがうまくいっていない。

ラグビーや女子サッカーというのは、まだ見始めたばかりなので当然かもしれない。しかし、バスケットや卓球でさえも「自分なりの視点」を見失っているように感じる。

「自分なりの視点」と思っていたところが、そこしかなかったということもあった。今回のBリーグファイナル取材を冷静に見過ぎたことで、ここを伝えたいという原理原則を忘れてしまったのかも。これからの取材では「ここを伝えたい」という想いを胸に、もう一度「自分なりの視点」を構築していきたいと考えている。


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