2.スラムダンク安西先生の良くない言動
安西光義先生をご存じですか?
バスケットボール漫画の金字塔「SLUM DUNK」において、主人公・桜木花道が所属する湘北高校のバスケットボール部で顧問を務める人物です。
「諦めたらそこで終了ですよ」
「下手糞の 上級者への 道のりは己が下手さを 知りて一歩目」など、様々な名言で無名の公立校である湘北を鼓舞し、作中でインターハイ3連覇を果たした山王工業を倒すまでの強豪校に導いた、スポーツ漫画界きっての名将でもあります。
そんな安西先生。今でも理想の指導者として名高い彼ですが、いざ現職の教員の立場で考えた場合、かなりおかしな指導が垣間見えます。ここからは、原作内の名場面を基に、安西先生のアウトな指導をご紹介します。
練習にほとんど来ない
基本的に部活動は、「生徒の安全管理」という観点から、顧問がついている状態でないと成立しません。にも関わらず、原作内において安西先生が練習に参加する様子はほとんどなし。参加したとしても、練習メニューはキャプテン・赤木にほぼ一任です。技術指導はおろか、生徒指導をする描写もありません。「生徒の自主性を促す」と言えば聞こえは良いですが、かつての中学MVP三井寿が不良仲間を引き連れてバスケ部をめちゃくちゃにした際の対応も後手後手の印象があります。
名将といえども、日々の練習に顔を出すことや生徒指導は億劫なようです。
公式戦欠席に代役を立てない
インターハイ県予選決勝リーグ対陵南戦直前。
全国大会出場がかかる大事な一戦を前に、
安西先生は倒れてしまいます。
なんとか勝利を掴んだ湘北ですが、
作中では、陵南高校監督・田岡茂一により、
不安要素の一つとして上げられていました。
病欠については、しょうがない部分がありますが、問題なのは代役を立てないこと。
引率なしに試合に参加させる湘北の管理職と高体連のガバガバ加減は目もあてられない失態です。
専門知識がない教職員でもいいので引率の副顧問は用意しておくべきではないでしょうか。
1週間でシュート2万本を強要
ただのパワハラです。
全国大会前の重要な期間。
初心者である主人公・桜木花道を、
他の部員が参加する合宿に帯同させず、個別の強化練習(1週間で20,000本のシュート)を強要します。
おそらく湘北高校の体育館にエアコンなどありません。入部3ヶ月の高校1年生をほかの部員から省き、夏休みの体育館に残し全日練習。1日約3,000本のシュートを強いる所業は「行きすぎた指導」の模範といえるでしょう。
相手監督の体罰を見過ごす
パワハラ指導が明るみに出ることなく、
予定通り全国大会に出場した湘北。
学校ぐるみの隠蔽体質があるように思えて仕方ありません。
そんな湘北の一回戦の相手は豊玉高校(大阪)。
上級生にとって恩師ともいえる監督の退任により、新たに赴任した金平監督とは反りがあいません。ついには、全国大会のベンチで監督と選手で口論が起きる始末。理性を失った金平は選手の1人岸本を殴打します。
即刻、没収試合となってもおかしくない言動が起きたにも関わらず、安西先生は動こうとしません。
部活動の本質は、あくまで教育だと聞いたことがあります。もしそれが真実であれば、金平はもちろん、体罰を見過ごす安西も教育者失格と言えるでしょう。
選手のケガを見過ごす
作中でも名シーンと言われるこの場面。
王者山王との試合中のアクシデントで主人公桜木花道は背中を負傷してしまいます。
ここでも安西先生の失態が。怪我に気づいておきながら、部員の成長に見惚れてしまい、プレーを続行させるのです。本人も言っていますが、指導者失格と言えるでしょう。
また、これは教育現場で学んだことですが、
わざわざ「気づいていた」とか「指導者失格」だとか自分の立場が悪くなる発言は控えた方が良いです。生徒や保護者に言質を取られることで、問題が飛躍してしまうことがあるからです。
安西氏は、意外と冷静な判断ができない人間なのかもしれません。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
理想の先生として名高いキャラクターである
彼にも、見過ごしてはいけない言動が多々あります。いや、もしかしたら、彼の言動から垣間見えるその隙が、個性派集団である湘北の部員に慕われる一因なのかもしれませんね。
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