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大逆転裁判2クリア感想というか批判しかないまとめ(ネタバレ)

大逆転裁判2、クリアしました。
1&2を購入して一気に通しで今さらながら初プレイしました。

1の発売当時は批判が噴出したという話で、それもまあ当然という内容。
謎を残しっぱなしで未完成と言わざるをえない作品で、マジでこれ商品として出したの?とは思いました。
でも「大逆転裁判2」の評価は世間で非常に高く、私も期待してプレイした、のです、が……

正直いって世間の高評価が理解できない程度には、悪い印象です。
納得できないことや、このシナリオやキャラの関係性の構造はよくないな……という思いが多く残ってしまった。
高評価の作品だけになかなかこの不満点を共有できる人もおらず、かなりモヤモヤしてしまったので、吐き出しついでに記事を書こうと思う。これがnoteの初記事です。読みづらかったら申し訳なく。

ここからはネタバレ満載です!
大逆転裁判2をこれからプレイして楽しもうという人は読まない方がいいです!あなたは楽しめるかもしれない!
逆転裁判4の超ネタバレもあります!こちらも未プレイの人はお気をつけください。
他シリーズの話題もちょっとあるけどネタバレにはならない程度…と思う!

あと、本記事は不満点と批判のまとめであり、マジの愚痴と悲しみしか吐き出していません。すいません。

・女王を使ってヴォルテックス卿を失脚させたこと

もうね~これが一番の不満点ですね……
4でも裁判員にラスボスの所業を見せて「有罪」を与える展開があり、猛烈な批判を浴びたけれども、4の裁判員はそれでもあの世界線で正式に導入されてる制度だからマシ。
クリムトは「腐敗した貴族を裁くため」に闇に身を落としてプロフェッサーになったわけじゃん?いきなり顔も何も知らん女王がしゃしゃり出てきて王権を振るって、ヴォルテックスお前クビね、は腐敗した貴族階級仕草そのものなのでは?
ヴォルテックスの「大英帝国の司法を崩壊させないためにこの事件は闇に封じて秘密は守られるべきだ」という態度は、一理あるものだったし、傍聴していた司法関係者たちには支持されてたんだよな。そこに王侯貴族の最頂点にある女王を持ってきて、鶴の一声でヴォルテックスを断罪するというのはね……やっぱり腐敗してんじゃん。
女王の言う通り、プロフェッサー事件の真実を明るみに出して、ロンドンの治安が維持されるようなヴィジョンも全く無いし。
結局クリムトのやり方は正しかったし、何ならヴォルテックスのような「闇」も必要だったのでは?という印象しか残ってないです。
あと、いくら大衆のアイドルとはいえ単なる私立探偵のホームズ(とその養女)が、いきなり女王の宮殿に乗り込んでお茶会ができてるのは、どういうことなのだ?
やっぱりこの国の司法には闇も必要だよ。ヴォルテックス!!帰ってきてくれ!!!!!

・ホームズ&アイリスの発明品がハイテクすぎる

ホログラムの中継装置や、英仏の間を通信できるトランシーバーとか……
時代物の良さが丸潰れになってしまった。人間と動物を区別できない血液検査とか、科学技術が未熟であることも本作の魅力なのに。体毛を赤くする薬だとか、本筋にあまりかかわらないところなら気にならないのだけど、明らかに事件解決に寄与してるからね。
シリーズを通しても美雲ちゃんの「ぬすみちゃん」や心音ちゃんのカウンセリングやら、オーバーテクノロジーっぽいのはあったけど、あれは現代以降のやや近未来だからなあ。時代物だとまた事情が違う。あと、あれらは最初から存在を提示されてるけど、今回の中継装置やトランシーバーは完全に後出しで「実はこんな奥の手がありました!これで事件解決!」としてしまうから、よくないと思う。デウスエクスマキナで事件解決するのやめるのだ!!

・ホームズの何でも先回りして知ってる感

事件の真相や黒幕について最初から勘づいてる素振りは、本当によくねーなあーと思う。事件の真相を暴き、解決に導くのは主人公である成歩堂であってほしいんだよ。今までの「真実を知っているが黙っている関係者」はそれなりに理由があってそうしてきたけど、ホームズに関してはマジで隠す理由がひとつも見当たらないし。もったいぶって後から成歩堂の見せ場を奪っておいしいところを持っていくみたいなのは、フラストレーション溜まりますわね……。

・アイリスのキャラ付け

大ヒットする小説作品を書いている作家なのに、言動が「天真爛漫で無邪気な幼女」すぎて違和感がある。いかにも子供らしい素振りをするたびに、本当は言語能力にも長けてるのだから、何だか白々しいなあ、という気持ちになってしまう。能力と性格と言動があまりにもミスマッチであるように思う。
天才幼女という立ち位置は、春美ちゃんもいたけれど、あの子は霊能のことしか知らない世間知らず……という背景設定がしっかりあったんですよね。あくまで霊能者として天才なだけで、知能が特段に優れてるわけではないですし。

・スサトさんの立ち位置

私の食指が全く動かないタイプの娘だということをそれを差し引いても、残念すぎる。法務助士という立場が「成歩堂の隣に立つヒロイン」として枷だと思う。尋問の時に本来は成歩堂がするべき指摘のセリフを、3回に1回くらいは隣のスサトさんが持って行ってしまう。それは主人公である成歩堂くんに言わせてやれよ…!とスッキリしないことがしばしば。
真宵ちゃんや美雲ちゃんといった歴代ヒロインは、法律家である成歩堂や御剣の持たない能力やできない無茶で主人公を助けてきたけれど、スサトさんは同じ法律家の立場だから成歩堂と役目を食い合ってしまうし、破天荒なこともできないので掛け合いが致命的に面白くない。

あと、シナリオ的に不可欠な存在ではなかったよね。逆裁本編の成歩堂くんのご先祖様…ということで、結ばれるべき女性が必要だったのかもしれないけれど、大逆転裁判という話における存在意義が分からない。結局、被告人になったり人質になったり誘拐されたりなどのピンチもなかったし……固有の役目があったのはせいぜい2-1の男装裁判くらいか……?ミコトバ教授は物語の大事なピースではあったけど、「娘が存在する」が物語を構成するファクターになっていたかというと否だしな。
成歩堂の隣に立つヒロインは、ジーナかアイリスではいけなかったんだろうか。この二人のどちらかなら、隣でハチャメチャなことを言ってくれるしやってくれるから、楽しくなったと思う。

・主人公の勢力がドリームチームすぎる

今までのシリーズでは孤立無援、もしくは霊能者の小娘や、貧乏なヒラ刑事くらいしか味方がいない中、自分だけは依頼人の無実を信じて戦う……のが、緊張感あるしプレイヤーとしても熱くなるところなんですよ。
でも今回は味方に「本気を出せばどんな事件も解決してしまう名探偵」「名探偵の相棒で能力も地位もある医学博士」「ベストセラー作家の天才少女」「有能で主人公の代わりに適切な意見を隣から都度出してくれる法務助士」がついてるのです。自分だけが依頼人を信じているんだ、救えるんだ!という気分に全くならない。むしろ真犯人を多勢に無勢で虐めてるような気分にすらなる。悲しい。

・事件のトリックに「逆転」が無い

今までの逆裁シリーズにあったような驚きがない。ヴォルテックスとジゴク判事のコンビ黒幕も予想の範疇すぎたしな……クリムトがプロフェッサーだったくらい?アイリスがクリムトの娘だったのは驚いたけど、事件そのものには関係せず、蛇足みたいな感じだったしな。
ヤバい証拠が出てきて一気にピンチ!とか、この人が真犯人!?とか、まさかこんな大胆なトリックで~みたいなのが一切なかったなという所感。驚きが無い。真相に気づいた時や、ヤバい証拠が出てきたときのドキッと肝を冷やす感覚を味わえなかったのは残念に尽きる。

最後に

いろいろ批判ばかり書きましたが、イーノック・ドレッバーやエブリデイ・ミテルモンとかは背景設定も含めて好きなキャラクターです。
思い出したらまた書き足します。まだちょっと飲み込めていないので……。はぁ~~だって期待してただけに辛すぎるんだよぉ……。


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