陽はまた昇る【柏レイソル】

第7節のセレッソ大阪戦に勝利し、4月5日時点で柏レイソルが首位に立った。

まだリーグ序盤で消化試合の差はあるものの、順位表のトップに柏レイソルの名前があると、2011年シーズンを思い出してしまう。(6日に鹿島、川崎が勝ち点を重ね3位に。)

あれから11年。3年前のJ2降格を機にネルシーニョ監督監督を再招聘したレイソル。2011年に見た黄色のユニフォームに埋め尽くされた熱狂の柏スタジアムの景色を再現できるか。


☆陽はまた昇る

2009年夏、当時J2に所属していた柏レイソルに、ブラジルの名将ネルシーニョ監督が就任。

翌年にJ2を制し昇格。2011年には、J2から昇格した勢いをそのままにリーグ初優勝を果たす。上位3チームが勝ち点70を超すハイレベルな接戦を制し、レイソル旋風を巻き起こした。

更に、2012年には天皇杯、2013年にはリーグカップを勝ち抜き、黄金時代を築く。

しかし以降のシーズンは目立った成績を残せず、2017年にACL出場圏内の4位をマークしたものの2018年に再びJ2降格してしまう。

再び黄金期の到来を目指し、2019年、ネルシーニョ監督が就任したというわけだ。


ネルシーニョ監督のサッカーは明確な戦術・スタイルを持つわけでは無く、対戦チームのストロングポイントを発揮させない、100%の力を出させないというもの。

そういったスタイルで重要になってくるのが、シンプルで確実なアイデアを持って得点を奪うという事。

2011年の優勝チームにも田中順也、レアンドロ・ドミンゲスといった個人での得点能力に秀でた選手が大活躍した。


今シーズンあの2人を彷彿とさせる、大ブレイクが期待される2人のアタッカーがいる。

マテウス・サヴィオと細谷真大。

ここまで3得点ずつ決めており、この2人だけのカウンターでフィニッシュまで完結するシーンも少なくない。


マテウス・サヴィオはU-20ブラジル代表選出経験もある24歳。

Jリーグの枠に収まらないスピード、確実な技術に裏付けされたプレイメーク。10番のよく似合う、新ネルシーニョ体制の旗手といえる。

特に、第7節のセレッソ大阪戦のカウンターは圧巻だった。

というか、あのカウンターを観たからこの記事を書いている。


そして、細谷真大。

パリ五輪を目指すU-21日本代表にも選出され、先日のドバイカップでも大活躍した20歳。

一瞬でディフェンダーを出し抜くスピードがあり、ボックス内での得点感覚に優れたTHEストライカー。

個人の能力も申し分ないが、特にマテウス・サヴィオとの相性が抜群で、組織的な守備と彼のお膳立てで細谷が今シーズン何点取るかに胸が躍る。

この2人をサポート(というと失礼かもしれないが)する攻撃陣に、昨年サガン鳥栖で33試合8得点という大車輪の活躍を見せた小屋松知哉。

献身的な動きでコート全体をカバー、ゴール前でも仕事ができる、レイソルの心臓・戸嶋祥郎。

あくまでもネルシーニョ監督が重要視する守備面もここまで7試合3失点と好調。対人では抜群の強さを発揮し、ビルドアップ技術にも長けた、高橋祐治・古賀太陽らの最終ラインの後ろに、韓国代表GKキム・スンギュと抜け目なし。

柏のバンディエラで象徴・大谷秀和がこのチームをまとめあげる。


ベテラン、生え抜き、新戦力がマッチし、強いレイソルが帰ってきた。

充実した戦力、若手の台頭、ここにネルシーニョ監督の戦術が合わされば、今シーズンの台風の目になるのはレイソルで間違いないだろう。


チーム名の「レイソル」は、スペイン語の「Rey(王)」と「Sol(太陽)」を合わせた造語。

「太陽王」を意味する

陽はまた昇り、Jリーグの王へ。



あと、DF高橋祐治選手のお姉さんは、高橋メアリージュンです。

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