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サバイバル~砂漠の場合~その2 解答編

では、答え合わせをしよう。

優先順位をつける前に、まず決めるべきことがある。それは「動く」か「留まる」かということ。
その場から移動してどこかの町を目指すのか。もしくは、その場に留まり、救助を待つか。

どちらを選択するかで必要となる秘密道具は大きく異なる。

ここで注意したいのは、前回とは状況が異なるということだ。
今回はドラえもんの秘密道具を使って、誰にも行先を告げずに思い付きで旅に出ている。あなたが遭難したことなど、誰も知る由もない。
すなわち助けが来ることはない。
となるとその場に「留まる」という選択をしても、ゆっくりと死に向かうだけだ。

今回はその場から「動く」選択をせざるを得ない。

移動して一番近い町を目指そう。

とはいえ、110kmを踏破するのは容易ではない。成人の歩くスピードは、時速4~5km程度。砂漠という歩きにくい環境を考慮すると、スピードは時速2kmくらいなものだろう。
そうすると110km歩くには、単純に55時間かかることになる。1日8時間歩いたとしたら7日間かかる。
なお、日中の移動は自殺行為。あっという間に水分が奪われ脱水を起こしてしまう。移動するなら気温の比較的低い朝方、夕方、夜間だ。日中は直射日光を避けつつ体力を温存すべきだ。

以上のことを前提に優先順位をつけると次の表のようになる。
自分がつけた順位と解答との差が大きいほど外れていることを意味する。

では、簡単に解説していこう。

第1位 立ち木スタンド
セットしてボタンを押すと、本物の木が現れる道具。

木の陰で太陽光から肌を守ることができる。日中を生きるために必須。

第2位 スモールライト
ライトの光を浴びせると、どんなものでも小さくできる道具。

スモールライトで体を小さくした状態で水を摂取すれば少量の水で渇きを潤すことができる。

ペットボトルの水の残量はおよそ180mℓ。
人間が健康に過ごすためには、1日に体重1kgあたり35mℓの水が必要とされている。体重60kgの人なら1日あたり2.1ℓ、70kgの人なら2.4ℓが必要となる。
健康に過ごすのをあきらめて、1日1ℓでやり繰りするとしても、水の量が全然足りない。

そこで、スモールライトで体の大きさを1/10にすれば、1日あたり100mℓの水で済む。180mℓの水でも2日はしのげるだろう。

なお、スモールライトの効果は3日間。効果が切れるまで3日間も悠長に待てないので、元の大きさに戻るには解除光線を浴びるしかない。体を小さくしすぎるとライトが扱えなくなる可能性があるため、せいぜい1/10にする程度になろう。

第3位 テントハンカチ
ハンカチを広げてひっぱり、テントのようにたたむと、本物のテントになる道具。

砂嵐から身を守ることができる。

第4位 道案内ナビ
目的地までの近道を探し出し、導いてくれる道具。ただし、その道案内はかなり強引。

町までのナビはほしいところ。
太陽や星の位置で方角を割り出して進めないことはないが、それでは正直かなり厳しいだろう。

第5位 タケコプター(電池残量が10%)
みなさんご存じ。空を自由に飛ぶことができる道具。

タケコプターはフル充電だと時速80kmで8時間運転可能だ。何度聞いてもすごい!
今回は電池残量が10%という制約付きなので、60km程度しか進めない。しかし、歩くよりも速いし、体力の消耗も少なくて済むだろう。
タケコプターは強風にあおられてしまうという欠点があるため、使うときはなるべく低く飛び、強風が吹いたときには一旦使用をやめるなどして、徒歩と上手く組み合わせて使いたい。

第6位 コンク・フード オレンジ  1/6
いろいろな食べ物が、缶の中に半ねり状態で入っている。中身が濃く、一缶で30食分。

オレンジが5食分入っている。エネルギーと水分両方補給できる。

第7位 真水ストロー
これを通して海水を飲むと、きれいな真水になって口に入る。

水がなくなったときには、自分の尿を飲もうと思った人もいるかもしれない。しかし、尿には塩分が含まれており、その塩分を体外に排出するのに摂取量よりも多くの水が必要となる。そのまま飲んではいけない。真水ストローを使おう。

第8位 どんなきずでもすぐなおす薬
どんな傷でもすぐに治してくれるぬり薬と包帯。

思わぬケガをした時も、これさえあれば安心。包帯を体に巻けば直射日光を防ぐことも可能?

第9位 あべこべミラー
スイッチを入れると、鏡の向こうに左右も人の性格もすべてあべこべの世界ができる。スイッチが入っている間は、この鏡からあべこべ世界とこちらの世界を自由に出入りできる道具。

日中の待機しているときに、光を反射させていれば、万が一誰かに気づいてもらえるかも?

第10位 トリセツ・メーカー
物や人をスキャンすると、取扱説明書が出てくる。

動植物をスキャンして、食用に向くか、危険性はないか等を知ることができる。また、持ち出した秘密道具をスキャンすれば、詳細な使い方が確認できる。

砂漠なので、飲料・食料の現地調達は現実的ではない。

11位 こけおどし手投げ弾
投げると、すごい音と光が出る小型の爆弾。殺傷能力は皆無。

救助隊に対する信号になる。ただし、一発限り。
今回は使いどころがない。

12位 コンク・フード 牛サーロインステーキ 残り1/3
いろいろな食べ物が、缶の中に半ねり状態で入っている。中身が濃く、一缶で30食分。

サーロインステーキが10食分入っている。
体を動かすにはエネルギーが必要。それはそうなのだが肉はよろしくない。
肉などのタンパク質を多く取ると、消化吸収に伴う腎臓での尿素排泄のために多くの水を必要とするため、脱水を促進してしまうおそれがある。肉は助かってから食べよう。

13位 くろうみそが塗ってあるアンキパン
アンキパン
暗記したいものを写して食べると、写したことを暗記できる道具。

くろうみそ
このみそをなめると、どんなことをするにも、とても苦労するはめになる。

110kmも歩くのだから、味噌から塩分を摂取したほうがいいのでは?と思う人もいるだろう。しかし、ここで重要なのは水分。人は水だけでも2~3週間は生きられる。今回は塩分を摂取することは忘れよう。
それに、くろうみそを舐めようものなら、どんな苦労が降りかかるか分からない。ただでさえ、生きるか死ぬかのサバイバルをしているのに、さらに苦労するとなると死ぬ可能性はかなり高くなるだろう。捨てて良し。


ゲームは以上で終わりです。
今回は状況を少し変えてみました。
状況が少し変わるだけでも生きるための戦略は大きく異なってきます。
楽しんでいただけたでしょうか?
今回の状況だと生き延びるのは、かなり厳しいなと思いながらこの記事を書きました。模範解答は気論真分の一見解ですので、納得し兼ねる部分もあるかと思いますがご容赦ください。

自分の置かれている状況を冷静に分析して、柔軟に大胆に決断できるようになりたいなぁ。と思う今日この頃です。

おしまい


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